第107話 買取と贈り物
受付の人が執務室に行ってから数分後、リリアンさんがやって来た。
「お父・・・ギルドマスターが連れて来いと。付いて来て下さい。」
ギルドマスターの執務室に通された。
ややこしくなりそうなので部屋の前に着いた際エルフの姿に戻した。
(受付の人は廊下ですれ違いました。)
「Aランクの魔物を持ってきたのがCランク冒険者だって聞いたからどんなのが来るかと思ったら、やっぱりお前らか・・・。何を持って来たんだ?受付で出しただけじゃないんだろう?それと何が会ったか話して貰うぞ。リリアンからは半分も聞けていないからな。」
僕たちは皇都アールツーでの出来事をギルドマスターのトレジャーさんに話した。
説明をしながらせっせと(凍結した)魔物が入った箱を山積みにした。
「成る程な。そちらの新顔のお嬢さんと風刃の2人の分は買い取ろう。」
あれ?僕の分は?
「まぁ、こんなにはウチでは買取は出来ない。金が用意できないからな!皇都のギルドで処理してくれ。」
まぁ、そうなるよね。
こればかりは仕方ないか。
「報告通りなら全員ランクは上がるだろう。あと、ギルド職員リリアン、お前に対して今日付けで暇を出す。理由はわかるな?」
「・・・はい。受付嬢の仕事をサボったから・・・。」
トレジャーさんは娘でも規律違反者に厳しい様だ。
「そうだ、解ってるならそれで良い。(本当は居ても誰も並ばないからなんだが・・・)」
(あ、受付嬢を辞めさせた理由が違うな。)
リリアンさん以外はトレジャーさんの表情が少し引きつっていたのを見逃さなかった。
僕と、ラックさん、アリシアは無言で互いを見て苦笑いをした。
「リリアン、マナミ達と行くんだろ?これを持っていけ。」
ギルドマスターは娘にペンダントを投げた。
「中には魔法が付与された鏡が入ってる。この街の職人達の力作だ。」
「ありがとう、お父さん!」
リリアンさんはすごく嬉しそうだった。
「マナミだけ残ってくれ。色々聞きたいことがある。」
何故、僕だけなんです?




