変わる
過去と比べて”変わった自分”、新しく”変っていく自分”。
終わりと始まりがテーマです。
私をそんな目で見ないで。
そんな悲しそうな目で私を見ないで。
--------私は、変った。
あなたに年下扱いされたくなくて、学生だからって小さい子扱いされたくなくて。
私なりに背伸びしをした。
少しでもあなたに近づきたくて。
化粧って言ったって、ほんのりピンクのリップクリームぐらいだった女子高生が、
夜の似合うあなたに恋をしてしまったから・・・。
ハイブランドの化粧品、真っ赤なルージュ。
甘ったるい香水、折れそうなピンヒール。
どれもあなたの周りにいるような女性が身に着けていたもの。
彼女たちが大人の女性なんだと勘違いして、そうなろうと背伸びした。
大人の女性っていろんな形があるのにね。
幼い私はそのことに気づいていなかったのかもしれない。
同級生の女の子たちの間でいつも話題が持ち切りになるくらいには、私は変わったのよ。
けれどあなたはそんな私を見て嬉しそうな顔はしなかった。
寂しそうな顔をしていたね。
すべてはあなたの為だったのに。
あなたにもっと愛しててもらいたくて、
あなたにもっと夢中になってほしくて、
簡単に手放せないような"特別"になりたくて必死だった。
今思えばこの世の中に男性はあなた以外にいくらだっているのにね。
幼い私はそのことに気づいていなかったのかもしれない。
気づいていたけど、見ないふりをしていたのかもしれない。
あなたしか見えなかった。
あなたしか見たくなかった。
あなたがよかったの。
初めて愛すること、愛されることの幸せを教えてくれたのはあなただったから。
あなたから受け取るなにもかもが私にとっては宝物だった。
だけどね、あなたは変わっていく私を受け入れたくなかったみたい。
あなたは私から少しずつ、少しずつ離れていったでしょう。
私が気づいた時にはもう、
あなたの隣には私じゃない誰か知らない女。
少し前の私によく似た初心なかわいい子。
純粋で、真っ白であなたのことしか目に入っていない。
きらきらしたその瞳であなたを見つめるの。
ハイブランドの化粧品、真っ赤なルージュ。
甘ったるい香水、折れそうなピンヒール。
いつの間にか私は"あなたを囲むうちの一人"になっていたみたい。
あなたの隣には今、何も知らない女の子がいる。
化粧と言ってもほんのりピンクのリップクリームをした少女。
甘ったるい香水の匂いじゃなくて、洗いたてのリネンの香り。
鏡に映る私は少女のカケラもない。
なりたかったはずの"あの日のあこがれの女性"。
ゆっくり肌に触れる水、落ちていくマスカラが涙と絡まって黒く頬を伝う。
OH MY GIRLのCLOSERという曲の第一印象からできた話です。
若くて可愛いイメージがあったOH MY GIRLちゃんですが、この一曲でガラッと大人の女性への変化を魅せられた気がしたのです。