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勇者とチートと物語  作者: 紫藤 霞
物語の始まりと勇者と言う者
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鑑定の能力について

 さて、先日の能力解析から一週間ほど経った。

 その間私とアラド兄、カラド兄の三人で徹底的に徹夜と和也を扱いた結果。


「ま、また負け……た……がくり」

「ふぅ、ふぅ、はぁ、はぁ」


 ぐったりとしている徹夜と和也

 最初こそ基礎ができてなく手も足も出なかったのに対して今は互角以上に闘える程度にはなっている。

 さらに、徹夜について

 勇者モードは素直に姫騎士みたいに変身するのだから勇者モードと徹夜が名付けただけである。

 正直、勇者モードの徹夜はアラド兄、カラド兄の2人がかりで漸く互角、と言うものであった。

 流石に強いと思いながら、でも実は私一人で制圧できてしまう始末。

 能力値である程度わかっていたが本当に私はチートだった模様だ


「がくりと自分の口で言う余裕があるというのならまだいけるな、徹夜よ」

「ちょ、たんまたんま!勇者モードでフルボッコにされて今動けないっての!」

「本当に動けないのは隣にいる和也のような常態を言うのだ」

「いやまぁ、そうだけど~、って、ほら和也、水」

「すま……ない、はぁ、はぁ」


 徹夜と和也は二人とも特性が勇者だけあり、砂が水を吸う如く様々な物を吸収していく。

 特に勇者として覚醒を果たした徹夜の成長は著しい。

 通常モードで出来ないことでも勇者モードになれば出来るという恐ろしい状況なのであった。

 それと幾つかの必殺技的なものも出来た。

 奥義とか秘技では無い。


 まさしく”必殺”の技だ。


 あれを防げるのは現状私だけ。

 一応アイリ姉も防げるかもしれないがカラド兄・アムド兄はたまたま出たその技であわや大惨事になりかけていた。

 問題なのは和也のほうなのだ。


「アムド兄、カラド兄、和也、どう?」

「正直に言えば剣での闘いは此処が限界点なのだろう。多分彼に徹夜君のような力は、無い」

「厳しい言い方だが私もアムド兄さんと同じ意見だな。これ以上は成長はしないだろう」


 和也がどうにも勇者の特性を持ってしても弱いのだ。

 一体全体なんでだろうと三人で頭を捻らせる。

 剣技は一定以上の物はものになっている。

 アムド兄、カラド兄と互角に戦える。

 でもそれは徹夜ほどのものじゃない。

 何がたりないのか、う~む


「それでは、魔法を使ってみるのはどうかしら?」

「セレス姉?」


 そこにひょっこり現れたのはセレス姉。


「私もアイリの様に剣技に優れてはいないけれど魔法なら負ける気はしないわ。和也君もそういうタイプなんじゃないかしら?」

「でも鑑定の時に魔法の欄は特に記述無かったと思うけど」

「アイリから徹夜君の覚醒した状況を聞いたの。それで思ったのよ。もし始めてあった時に徹夜君を鑑定していたらそこに勇者モードの名前があったのかって」

「ふむ……徹夜君、こっちにこれるか?」

「あ、は~い」


 アムド兄もセレス姉の言葉を聴いて思い当たる節がある事に気がついたのだろう。

 徹夜が覚醒する直言、徹夜は何か独り言を喋っていた。

 それが何か聞き取れる距離じゃなかったしアイリ姉とゴブリンキングの攻防で激しい音が当たりに鳴響いていた状況だった

 徹夜がこっちに来てからアムド兄が哲也に質問してる。


「ふむ、つまり何者かの声に反応して、強くなりたいと答えたらああなった、と」

「えっと、はい。 なんというかこう、女性の人の声で「力が欲しいか~」って聞かれたので「欲しいです!」って答えたら、ああなりました」


 セレス姉の予想的中っぽい。

 そうすると最初に会ったときに鑑定していたら勇者モードは無かったってことか。

 ふむ、鑑定のレベルが上がった気がする。

 いや、そうでなしに


「それなら和也は明日からは魔法の練習って事になるみたいだぞ」

「そう、らしいな。教師はどうなる?宮廷魔導師とかそういう人、なのか?」


 まだ多少息切れしている。

 魔法の初歩なら教えることが出来るけど本格的なのになるとちょっとなぁ

 やっぱり宮廷魔導師呼んだほうが早い


「あら、それなら私が教えますよ、和也」


 ……と、思ったら思いもよらずセレス姉から声が上がった。


「夫の助けとなるのが妻の役目。ならば私以外に今は妻が居ないのですから当然そうなります」


 とても綺麗な笑顔でそんな事を言われてしまった。

 というか、今は?


「和也、セレス姉の何処が気に入らないの?!今はって、今はって言ったよ!?」

「そうだぞ和也君!セレスの何処が気に入らないと言うのかね?!」


 私とカラド兄の同時口撃

 だが、その反応は意外なところからやってきた


「可笑しいことですか?私は和也の第一王妃候補ですが他にも妻がいて当然でしょう?」


 そういえば自分の母親も第3王妃だった

 こういうとき、女の人って強いなぁ

 さてさて和也とセレスのマンツーマンの魔法レッスンかぁ


「……一応、念の為、万が一、そんな事はあるとは思えないけど取り合えずセレス姉の魔法訓練には私も参加するからな?」

「晶……それは信じて無いと言っているのと同義語なのだが」


 仕方が無いではないか。

 あんな告白したの見せられたら二人っきりに出来ない、と思うのは私だけだろうか?

和也君の覚醒が未だにできない罠。

可笑しい、プロットではもう覚醒しているはずなのに……?

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