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プロローグ

1日1回投稿しようと思っています。

よろしくお願いします。

 ここは日本。

 太陽系第三惑星地球の東部に位置する、小さな島国だ。

 僕はそんな国の、特に栄えているわけでも寂れているわけでもない、実に平凡な都市に住んでいる。

 僕自身は、特に頭の良い人たちが集まるというわけでも不良のたまり場となっているというわけでもない、実に平凡な学校に通う、少しパズルや英語の得意なだけのしがない一般生徒だ。

 ちなみに部活は幼馴染みの友人に誘われて、クイズ同好会に所属している。かといって某有名アナウンサーがアメリカに行きたいかを聞いてくる番組に出場した訳でもなく、部員同士でネットから拾ったり自分で考えたりしたクイズを出し合って楽しむ部活だ。


 チャイムが鳴る。今日も授業が終わった。最後の現代文は先生の解釈が気に食わなかったりはしたが、理解できないものはなかった。

 終礼で最近白髪が増えてきた担任の先生の話を聞き流し、挨拶をして教室の外へ出る。

 部活の時間だ。


「おぉーーーいっ!照也(てるや)!待てって!一緒に部室行こーぜ!」


 そんな馬鹿でかい声と共にガシッと僕の肩を掴んだ身長も馬鹿でかいのは、僕の幼馴染みの玲志(れいじ)だ。僕は170cmくらいだが、玲志は190cm程あるのではないだろうか。


「うるさいよ、玲志。落ち着いて」

「おぉう!今日も照也はクールだねぇ!俺が女子だったら......いや、タイプじゃねぇな!」

「冗談はいいから。さ、部室行くよ」

「待ってくれよ〜」


 僕らの二階にある教室からそれほど遠くないところに、部室はある。

 クイズ同好会という名前だが、他の部に合わせて、部室や部長、部員といった形で呼んでいる。

 ありきたりな木製の扉だ。昔の誰かが付けたのだろう傷が所々ついている。

 ガラガラと音を立てて部屋に入ると、既に3人が座っていた。

黒髪を伸ばして後ろで括っているイケメンが慎二(しんじ)先輩で、茶髪をショートカットにした整った顔の持ち主が琴葉(ことは)先輩。

 そしてその2人に挟まれるようにして座っている、如何にも優等生といった風情の漂う人が、元部長の(さとる)先輩だ。ちなみに現部長は僕だ。


「あれっ、先輩方!珍しいですね!」

「3年生になって勉強しなきゃ行けないってなっても、たまには来たくなるんだよねぇ」


 玲志の間の抜けた声に、慎二先輩の声が続く。


「なに、玲志?私達は邪魔だった?」

「いえいえ、とんでもない」


 玲志はそう言うが、その額には冷や汗が滲んでいる。

 この部活の暗黙の了解として、琴葉先輩の機嫌は損なわない、というものがある。もしそれを破れば、破った人にとんでもない被害が及ぶのだ。

 うちの学年では玲志がそれを破って酷い目にあった。


「まぁ、慎二の言うように、気まぐれだよ。可愛い後輩の様子が見たくてね」

「あぁ、はい......別段面白いということもないでしょうが」

「いいんだ、見るだけでも」


 悟先輩の声には何か魅力のようなものがある。これがカリスマ、というやつだろうか。


 その時、ドアがバァンと凄い音を立てて開いた。


「ふぅぅぅぁぁぁぁ!やっと部活だぁぁぁぁ!」

「メロンパンうめぇ」

「あれ、3年生の先輩方じゃないですか、珍しい」


 1年生の3人が入ってくる。やたら元気なのが琉斗(りゅうと)で、メロンパンを齧っているのが(たけし)、清楚な感じの女子が愛梨(あいり)だ。

 琉斗は、しまった!といった顔で青ざめている。


「あ?琉斗、うるさいよ。ちょっと来な」

「う、うわぁぁぁ!すみません!先輩が居られるとは知らずにぎゃぁぁぁぁぁ」


 琉斗の不安は的中してしまったらしい。

 琉斗は部室から琴葉先輩に連れ出され、校舎裏へと運ばれたようだが、羨ましいとは思わない。全員で心の中で合掌する。


「すまないね、琴葉も勉強でストレスが溜まってるのかもしれない」

「いや、先輩はアレが平常運転のような気がするのですが」

「まぁ、それもそうだねぇ」


 慎二先輩がクスッと笑う。


 そして、数分後に何故か大量の蜂に刺されたような顔になった琉斗と、少し上機嫌の琴葉先輩が帰ってきてから部活は再開された。



 さらに数十分後。

 突然その『事件』は起こった。


「ん?なんだか急に暗く......」


 急に空が暗くなっていく。しかし、今日は快晴だった。曇るにしても急すぎるだろう。


「今日って皆既日食かなんかだっけ?」

「いや、そんなニュースはなかったはず......」


 そして、僕が窓に寄って確認すると、空には黒い(もや)のようなものが蠢いていた。


「なんだよ、アレ......」


 いつの間にか玲志も隣に来ていた。


 そして僕が悟先輩に状況を伝えようと振り向いた瞬間。


────黒い靄が僕らを飲み込んだ。


 こうして、安藤照也の通う学校は、クイズ同好会の部員が集団失踪を起こした、と突然空が暗くなって黒い靄が現れたことと共にニュースや新聞で報じられることとなる。

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