乗り越えるために
次の日の夕方は仕事の合間を縫って、拓巳くんと真嶋さんと三人でセラのもとを訪れた。
背もたれに上げたベッドに体を預け、包帯をした姿は変わらなかったけれど、昨日より痛みが治まったのか、少しだけ顔色がよくなっていた。
僕と真嶋さんの見守る中、拓巳くんが枕元に近寄っていった。
「……具合はどうだ?」
サングラスの奥に覗く眼差しには気遣いの気配が窺われ、以前よりも二人を近づけているように見える。
「ありがとう。そう悪くはないわ」
セラは拓巳くんの顔を焼きつけるように一瞬、左目を凝らしたあと、少し顔を背けて目を伏せた。
「無理しないで。具合が悪くなってしまうかもしれないから、もう少し離れて……」
「気遣いは無用だ」
それに何を感じたのか、拓巳くんはおもむろに自分のサングラスを外した。
「拓巳くん」
「拓巳」
真嶋さんと僕が慌てて駆け寄ると、拓巳くんは少し背を屈めてセラを見た。
「こっちを向いてくれ」
「だ、だめよ。また倒れてしまうわ」
セラは枕の左側に顔を伏せた。拓巳くんはなおも声をかけた。
「セラ。救急車に運ばれるまで、あんたは俺が抱いていたんだ」
「……それは、でも」
「こっちを向いてくれ」
再びかけられた言葉に、セラはおそるおそる顔を戻し、やがて拓巳くんと向き合った。
「拓巳……」
拓巳くんは包帯のかかったセラの顔をじっと見つめると、うっすらと笑みを浮かべた。
「どうやらその顔には反応しないらしい」
「本当?」
つい横から声をかけると、拓巳くんは僕に頷いた。
「多分。大丈夫だ」
僕は真嶋さんと顔を見合わせた。
もしかしたら、先日の出来事が彼の何かを変えたのかもしれない。
「よかった……! セラさん」
僕たちを見上げたセラは、まず口元を両手で覆い、そして顔を覆った。
「―――」
言葉にならないようだ。
拓巳くんはそんな彼女のそばに佇み、涙が乾くまで付き添っていた。
それから数日間、拓巳くんは人目を避けつつ毎日セラのもとに顔を出した。
それは夜のほんの一時に過ぎなかったけれど、僕を伴って帰る道すがら病室に寄り、もっぱらセラの質問に拓巳くんが答える形でやり取りをすると、励ましの声をかけるでもなく「また来る」と言い残して帰るのだった。
日曜日にそれを目撃した俊くんが、あまりの素っ気なさに憤慨した。
「あれじゃ顔見せにもならない!」
「いいの。十分伝わってくるわ」
セラはくすぐったそうに笑っていた。
そうして退院を翌日に控えた次の週末の夜、顔を出した僕と俊くんと拓巳くんを、セラは廊下の奥にある談話室へと誘った。
「ロンドンへ戻るわ」
「えっ?」
眼帯だけの姿になったセラは、腰かけた椅子で背筋を伸ばした。
「昨日の夜、父の容態が悪化したと母から連絡が来たの。戻って、すべてを見届けてくるわ」
「ああ、じゃあ」
四つある椅子のうち、正面に着いた僕はホッとして聞いた。
「いずれはこちらに戻って来るんですよね?」
「そうね。要さん次第になると思うのだけど」
要の名が出た途端、残りの二ヶ所から不穏なオーラが吹き上がった。
「どういう意味だ、セラ」
少し問い詰めるような口調で、セラのはす向かいから拓巳くんが身を乗り出した。
「要が何か脅してきたのか?」
「いいえ、違うわ」
セラは拓巳くんに微笑みかけた。
「私がロンドンへ行くことをお伝えしたの」
「伝えた?」
「ええ。あの人は時々、病院の中庭から私の病室を眺めていらしたわ」
僕たちは三人で顔を見合わせた。
「けして入ってはこないのだけど。だから看護師さんに頼んで、手紙を渡していただいたの」
セラはパジャマの上に羽織ったカーディガンの襟を、片手でたぐり寄せた。
「要さんを入院先に呼んで、父にあのときの嘘を明らかにしてもらうつもりなの」
「なぜ、わざわざそんな……」
俊くんが眉根を寄せると、セラの左目が少し遠くを見るような眼差しになった。
「私とあの人が拓巳に犯した罪の元凶は、父の行動にありました。要さんは父の手回しによって状況を誤解し、そして私は父に怯えてなんの行動もしなかった。そのために拓巳が犠牲にされてしまった」
セラが悲しげに拓巳くんを見た。
「私のこれからしなければならないことは、要さんをあなたから引き離すこと。それには過去の呪縛からあの人を解放しなければ」
「でもそんな、今すぐだなんて……」
僕がこぼすとセラは首を横に振った。
「父の意識があるうちにやらなければ。それに私の左目がちゃんと見えているうちに」
「………」
僕たちは言葉を継げなくなった。
セラの右目は弱視、あるいは失明の可能性もなくはないのだという。そうなれば、負担がかる左目もやがて視力が落ちていくことが予想されるのだ。
すると拓巳くんが口を開いた。
「セラ、尚更だ。そんな負担のかかることはやめろ。それより俺たちと暮らそう」
今度はセラが絶句した。僕と俊くんも驚いて拓巳くんを見た。
「拓巳……」
「要のことなんていい。それよりも、和巳はあと二年足らずで雅俊に連れていかれるんだ。早くしないと孫と触れ合えないぞ」
珍しく軽口を交えながらも、拓巳くんは二重切れ長の目に真剣な光を浮かべた。
「あんたが要とロンドンで父親に対峙するなんて考えたら、そのほうが俺には気がかりだ」
セラは、しばらく自らにかけられた言葉を噛みしめるように両手で口元を覆っていた。そして大きく息を吐いて呼吸を整えると、感動を呑み込むようにして拓巳くんを見上げた。
「ありがとう、拓巳。その言葉があれば私、なんでもできるわね」
左目が潤んでいる。
「本当にありがとう。そうまで言ってくれるなら、私を母親にしてちょうだい。私は自分の宿題を終えないと、あなたと暮らせないの」
「セラ!」
「あなたを救い、育て、見守ってきてくださった真嶋さんに、恥ずかしい姿のままでいたくないの」
言い切ったセラには強い意思が窺われた。
「自分が何をしてしまったかを知った以上、それから目を逸らしたくない。できることはすべてやってからにしたいの」
「………」
拓巳くんはしばらくセラの左眼をじっと見つめた。はじめはサングラス越ですら見ることが叶わなかったセラの顔。もう二度と戻らない傷を負った末に、ようやく手にした母子の時間。
やがて彼は椅子からゆっくりと立ち上がると、セラに手を差し伸べた。
普段、僕や真嶋さん以外、自らはけして人に触れようとはしない拓巳くんの手。
僕と俊くんが見守る中、セラは拓巳くんの手に触れた。
生まれ落ちてからわずか五日間だけ手にできた我が子の、それは三十三年振りの感触――。
怪我を負ったあのときにはわからなかっただろう感触を味わうように、セラはそれを両手で包んだ。すると拓巳くんは彼女の手をもう片方の手でつかんで椅子から引っ張り上げ、二回りほど小さな体を抱きしめた。
………!
ここまで来るのに、どれだけのものを踏み越えなければならなかったことだろう。
「セラ。俺はあんたを母さんとは呼ばない」
「―――」
セラの背中が震え、俊くんが声を上げようとした。けれどもそれより早く拓巳くんはこう続けた。
「うちでは家族は名前で呼ぶしきたりなんだ」
「あ……」
つい声を漏らすと、拓巳くんは口の端を上げて笑い、そして目を伏せた。
「親が若いから。だからこれからも名前で呼ぶ」
「ええ、拓巳」
「全部に片が付いたら、戻って来るんだぞ?」
「――ええ」
セラが拓巳くんの胸に顔を伏せた。
「できれば和巳が行く前に来てくれ」
セラはすぐには返事をしなかった。けれども拓巳くんがじっと待っていると、頭を少し持ち上げた。
「努力……するわね」
彼は畳みかけるように言った。
「そしたらうちで春雨サラダ作ってくれ」
「あら……特に好きなものはないんじゃ」
セラが見上げると、拓巳くんはフイとそっぽを向いた。
「はじめて好物ができた。ウソじゃない」
まるで幼子が母親の出張を引き留めるかのような素振りに、セラは泣き笑いの顔で頷いた。
「そうね。あなたが味を忘れないうちに帰ってこられるよう、努力するわ――」
「残念だな。せっかく拓巳さんと触れ合えるようになったのに」
春休みも終わりに近づく登校日の一日。珍しく部活のない健吾をつかまえた僕は、下校しながらようやく彼に一連の事件を伝えることができた。
むろん彼は、僕に何かあったことは十分に察していただろうけど、いつもの如く僕が言い出すまでは何も聞かないでいてくれた。
すべてを話すことはできない。
特に、僕の身に振りかかった災難は一生言えないかもしれない。けれどもそれ以外の、北斗に謀られてあの男の店にセラとともに閉じ込められ、助けられる過程でセラが怪我を負ったことなど、話せるところはすべて話した。
「真嶋さんもね。『せっかく拓巳が言いだしたのだから暮らしてやってくれ』ってわざわざ説得しに行ってくれたんだけど、決心は変わらなくて……」
セラはあと一週間のうちにはロンドンへ発つ見込みだ。
「でも、スマホでいつでも連絡を取れるようになったし、住吉副理事がセラさんの理事の席を取っておいてくれるんだって」
――住吉京子副理事はその後、かいつまんでではあるが、ことの真相と経緯を聞いたらしい。その昔、自分が取り持った形の二人に、少しでも手を差し伸べようとしているのかもしれない。
「いつでも帰ってこられるように、便宜を図って下さるそうだよ」
「そうか。友達のことだから気がかりだよな、副理事も。でも例の人は行くかな、ロンドンへ」
例の人、すなわち高橋要。
僕には思い出すシーンがある。あの日、あの混乱の中で、彼が咄嗟に連れ出そうとつかんだのは、僕でも拓巳くんでもなく、セラの手だった。
「セラさんには、何か確信があるのかもしれないね」
「まあ、それで和巳たちから手を引いてくれれば、それに越したことはないけどな」
過ぎたことは言っても始まらない――その一言で済ませるには代償が大きすぎる気がする。でもそれに囚われていたら、結局は自分が損をするのだ。
しばらく無言で歩いていると、校門を出たところで健吾が真剣な顔で聞いてきた。
「それで雅俊さんは? 北斗のこと、ちゃんと決着ついたのか?」
「ああ……」
僕は、俊くんが柏原オーナーの謝罪を受けた日のことを思い出した。
「とにかく、一切のお付き合いをやめさせていただきます」
土曜日の夜、菓子折りを持参して目黒のマンションに謝罪に訪れた柏原晴彦オーナーに対し、俊くんはにべもなく告げた。
「蒼雅先生……」
リビングのソファーで、僕や俊くんと向かい合ったオーナーは、途方に暮れたような表情で訴えた。
「どうか今回のことだけで早まった判断をしないでいただきたい。和巳君には申し訳なかったが、それは今後のバックアップで返させてほしい」
蒼雅の出で立ち――髪を横にまとめ、黒のデニムパンツにレース編みのような白のロングセーターを着た俊くんは、薄化粧の美貌に冷たい表情を浮かべた。
柏原オーナーは、僕が受けた被害を知らされてはいたが、僕のことを『小倉蒼雅の愛弟子』という立場でしか捉えていなので、北斗が僕に見せた敵意がどこから来るのかを、真の意味で理解していなかった。
僕が俊くんと公私を共にするパートナーであることは、僕が学生のうちは極力伏せる――それは僕の生活を守るために、拓巳くんと俊くんの間で決められた約束だ。しかし、食い下がるオーナーに俊くんはやむなくそれを打ち明け、北斗が何をしようとしたのかを説明した。
「だから北斗は……」
聞き終わった柏原オーナーはしばし絶句した。
「ですからお付き合いしたくとも、そちらに北斗がいる限りそれはもうできません。第一、私がそれを許したら、もはや和巳の父親が黙っていません」
オーナーは背を丸め、顎に手を当てたまま沈痛な面持ちで動かなくなった。僕と俊くんが目線を交わしていると、やがて彼は顔を上げてこう言った。
「誠に申し訳ない。すべてはあれを甘やかした私の責任です」
俊くんはひとつ息を吐いた。
「おわかりいただけましたか。私としてもオーナーにはお世話になりましたから、本来なら犯罪者として訴えたいところを我慢しているのです。ですからこれ以上はご勘弁ください」
「いえ――」
柏原晴彦は真摯な表情になった。
「そういうことでしたら、画家になる和巳君を支えることで少しでもお返ししたい。北斗をアメリカ支店に出します」
「アメリカ支店に?」
俊くんの問いにオーナーは頷いた。
「私の末の弟が東京本店におりますから、横浜支店を任せ、蒼雅先生には今後、弟が対応するようにします。むろん経緯を説明し、二度とご迷惑がかからないようにします。どうかこれで受けていただきたい」
柏原オーナーは深々と僕たちに頭を下げた。思わぬ譲歩の姿勢に俊くんは縦ジワを寄せて考え込んだ。僕はそんな彼に申し出た。
「僕は構いません。蒼雅先生」
「和巳」
俊くんは遮った。
「だめだ。私は不安だし、おまえの親は納得しない。北斗はギャラリー・柏原の一員に残るんだから」
「でもアメリカ支店は半ば独立した子会社だとオーナーから伺ったことがあります。そうでしたよね」
僕が振ると、柏原オーナーはすぐに頷いた。
「そうだよ。よく覚えていたね」
僕は俊くんに目線を戻した。
「手元で育てようとした息子さんを別の会社に出す――その心を袖にするのはあまりよくないと思います」
「和巳……」
「僕の今後なんていいんです。先生のそばに置かせてもらえるだけで十分ですから。でも、先生にはこれからも個展を開いてほしいんです。それにはやはり、昔から先生の環境をよく解っていただいているギャラリー・柏原が一番なのではないでしょうか」
「しかし、それでは拓巳が黙ってはいない。今度こそおまえは連れ戻されてしまう」
「僕が説得しますから」
柏原オーナーが口を添えた。
「私からもお願いに伺います」
再び頭を下げたオーナーに、俊くんは大きなため息をひとつ吐いてぼやいた。
「またヤツに借りが増えるのか……」
「じゃあ、あのギャラリーとの付き合いは続くんだな? 拓巳さんは承諾したのか」
顔色を変えた健吾に、僕は内心で気になりながらも答えた。
「かなりゴネられたけど。次に何かあったら即、取引中止する条件で最後は譲歩してもらったよ」
北斗からの影響を感じた時点で俊くんが判断することになったのだ。
「だから絵画のほうは、担当が変わったけど今までどおりになったよ」
「おまえはそれでいいのか?」
僕が見返すと、健吾は目線を泳がせて続けた。
「おまえ、閉じ込められただけじゃ、済まなかったよな……?」
「―――」
僕が足を止めると、健吾は慌てて付け加えた。
「別に根掘り葉掘り聞くつもりはないんだ。ただ、最近のおまえの様子がどうしても気になって。おまえ自身にもその、何かあったんじゃないかと」
僕は健吾から足元に目線を移して質問した。
「優花はなんて?」
「俺と同じ意見だ。っていうか優花が俺に、和巳のことをよく注意して見てくれって」
僕は息を吐いた。
僕が目黒に送られた日から帰って来るまでの二日間、拓巳くんは真嶋さんのところに行ったはずで、当然それは優花の目に触れる。おそらく拓巳くんと真嶋さんの様子から、僕にも何かあったと推測したのだ。この二人に、その気になって観察されたらかなり正確に読み取られる。僕がどんなに頑張ってもだめだろう。
顔を上げると、今度は健吾が俯いた。
「だから、あのギャラリーと関わるのは嫌だと思ってても、和巳なら雅俊さんのために我慢するんじゃないかと思ったんだ。でも、それって和巳にはよくないことなんじゃないのか?」
僕はギターのバッグが提がった健吾の肩を軽く叩いた。
「ありがとう。気遣ってくれて嬉しいよ」
「じゃ、やっぱり――」
「そうだね。僕は無傷ではいられなかった。でも、拓巳くんと、なにより俊くんが心を砕いて僕を支えてくれたんだ」
「雅俊さんが」
「もちろん真嶋さんや祐さんにも感謝してる。でも、今回のことで一番傷ついたのは俊くんだと思う」
僕のために流させた俊くんの涙。多分、一生忘れない。
「〈ギャラリー・柏原〉と縁を切るのは、俊くんにはどう考えてもマイナスなんだ。オーナーはできる限りのことをしてくれたから、俊くんのためになるほうを選んだんだよ」
「でも、それじゃおまえが辛くならないのか?」
「確かに、何も感じないといったら嘘になる。でもそこから逃げることはしたくない」
それは北斗に、そしてあの零史という男に背中を見せることになるのだ。
僕は健吾を促して歩き出した。
「健吾だって、もしあの阿部眞矢に腹いせされて痛い目に遭ったとしても、自分の行動範囲を変えたりはしないでしょ?」
健吾は目から鱗が落ちたような顔をした。
「そりゃ……そうだな」
「それと一緒。僕にもプライドはあるから」
彼は感慨深そうな顔になった。
「目黒に行ったのは正解だったんだな。おまえはもう、雅俊さんに守られるだけじゃなくなった」
「そんなことないよ」
「あるさ。雅俊さんのために何ができるかを考えて行動してる。それは対等の目線に立たないとできないことだ。成長したんだな」
「ありがとう。……でもその表現はあの二人の前では使わないでね」
「二人って……拓巳さんと雅俊さん?」
ナンで? と口にしてから健吾は思い当たったような顔をした。
「そういえばおまえ」
その目が僕の頭を見、そしてスラックスの裾を見た。
「前より短くなっているゾ」
「だからね。俊くんが手ぐすね引いて待ってるの」
何を、とは言わずともわかるだろう。
「まさか、拓巳さんを――」
「そう。散々自分がコケにされたから」
今か今かと待っているのだ。僕が拓巳くんを抜く日を!
「しかも、このままいくと抜くかもしれない頃にねぇ……」
「イ、イベントが盛りだくさんだな」
さすが健吾、よくわかってる。あと一ヶ月と少しで五月、二十周年記念コンサートを皮切りに、年間を通じて記念イベントの年――。
「ただでさえ、今回のことで俊くんは拓巳くんに対して立場が危ういから、拓巳くんが僕の身長にスネ出したら、絶対突っ込むよ」
コンサートまでの準備期間、スムーズに行くことだけを願う沖田さんには申し訳ないが、多分波乱含みだろう。
「お、俺は祐二さんの専属だよなっ?」
「もちろん」
僕は健吾の腕をさりげなく、しかしガッチリとつかんだ。
「でもきっと、祐さんは仲裁役に回るから、健吾はしっかりサポートしてあげてね」
そしてこれからもよろしくの意味を込め、若干、腰が引けている彼に微笑みかけた。
ソウルガーデン、完結いたしました(^^)。
11歳だった和巳もいよいよ高校生になり、大人の階段を登り始めました。それにともなって内容がググっとシリアスに、災難の危険度も上がります。成長するということは、トラブルに立ち向かう力をつけることだと思うのです。お父様が打たれてしまった分、和巳は頑張って強くなるのだ! というわけで成長しそうにない拓巳のために、このあとも和巳は困難を乗り越えていく予定です。無事に成人を迎える日まで、お付き合いいただけたら幸いですm(--)m。




