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母強し ~子連れの新妻第三夫人、奮闘す~  作者: やなぎ怜


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エピローグ

「ふうん。そんなことがあったの」


 すっかり年頃になった娘の麻耶葉は、母から聞かされた話にさして興味を示さなかった。


「他人事みたいな顔して。わたしはね、麻耶葉。アンタがどうにかされちゃうかもと恐ろしくて、あの陰鬱な部屋へ入ったのよ」

「えー? お養父(とう)様と戯瑠子様に腹を立てたからじゃなくって?」


 口が達者になった麻耶葉は、針仕事をしていた手を止めてカラカラと笑う。それを見た阿賀那は「手を止めない!」と声を飛ばす。麻耶葉は「はあい」と気のない返事をして、またのろのろと布に針を刺して行くのであった。


「でも結樋様は離縁されてしまわれたじゃないの」

「それはね、おっかあが『こんな男の元で幸せになれますか?』と諭してあげたからよ」

「えー! そうだったの?」

「そうよ。結樋様は大層お美しい方だから、実家に戻られてすぐに縁あって再嫁されたの。今では夫にも子供にも恵まれていると聞くから、あのとき離縁して正解だったでしょ」

「えー! でもそれってさあ……」


 そのとき、廊下からバタバタと騒々しい音がして、さっと閉じていた障子が開かれる。


「お姉様ー! お母様ー! ただいま帰りましたー!」

「――ああ、もう、アンタはどうしてそう、いちいちうるさいの!」


 顔を出した弟を見て、麻耶葉は顔をしかめて叫ぶ。その内に母の阿賀那へ言いたかったことを、麻耶葉は忘却してしまっていた。



「でもそれってさあ……親切顔してこの家を乗っ取りたかっただけじゃないの?」


 真相は母のみぞ知る。

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