第九十三話 入浴
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眼前に広がる蒸気で薄っすらと覆い隠された乳白色の景色。
僕から見て一番奥は旅人の木を使った柵があった。
その手前は良く手入れされた見事な観賞用の樹木が眼前の景色に彩を与えている。
……季節毎に紅葉とか楽しめますね~~。
そして手前は大きな岩と耐水性の漆喰で作られた湯船が見える。
湯船には乳白色の温泉がたっぷりと満たされていますね~~。
因みに此処の温泉の売りは源泉をそのまま薄めずに使ってるのが自慢です。
なおそのままでは熱いので外気で冷やして丁度良くしてるみたいですね。
良い湯加減です。
何故温泉の温度が分かるのかって?
今現在僕は入浴してからです。
因みにこの温泉は幼児が入るにはあまり適していません。
まあ普通温泉施設は大人にあわせてますからね~~。
幼児に合わないのは見ただけで分かります。
此処の階段は大きい上に滑りやすいからね~~。
普通に幼児が座れば滑って運が悪ければ溺れます。
大人が注意しないといけない所ですね~~此処は。
なので幼児が入浴する場合は誰かの太腿の上に乗せるのが当たり前ですよ~~。
やっぱり女湯か~~。
はっはっは~~♪
……。
………。
…………うん?
何で僕は女湯に入浴してんだ?
というか。
……。
………。
………あれ?
僕……今さらだけど何で女湯に混浴してるの?
あれ~~?
記憶が飛んでいる。
冷や汗を流しながら自身の今の現状に首を捻る僕。
「あらあら起きたんだ」
突然後ろからマリさんの声がする。
「ふえ?」
僕は思わず後ろを振り返ろうとする。
だがその直前固まる。
何で僕はこの温泉に入れてるんだろう?
誰かの太腿に乗せてもらわなければならないのに……。
というか答えは分かってる。(冷や汗)
僕自身の体を何かが支えてるからだ。
僕は後ろを振り返ろうとして止まる。
ダラダラ。
何故だろう。
嫌な汗が出てるんだが……。(脂汗)
恐る恐る僕自身を支えてる人の手を見る。
褐色の手。
しなやかで美しい女性の手だ。
見覚えがあります。
「あらあら~~どうしたの?」
僕の耳に囁きかけるマリさん。
……。
………。
…………。
「ナンデモナイデス」
「そう?」
そのまま何か鼻歌を歌いだすマリさん。
良い歌ですね~~♪
ふふふん~~♪
……。
………。
…………。
現実逃避はやめようか。
「……」
まさかと思いますが……。(冷や汗)
僕の後ろに感じてる柔らかい感触は……。
急速に顔と頬に熱を帯びてくる。
うん。
まさかと思うが。
思わず後ろに体重を少し預ける。
ポヨン。
予想した感触がする。
ひいいいいいいいいいいいいいいいっ!
ま……。
まさか……。
直に当たってるっ!
しかも生だとっ!
何がと言わないでえええええええっ!
「あうあう~~」
僕は赤面しながら顔を伏せた。
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