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第四十四話 忍者。

ギリギリ修正が間に合いました

 いかん。時間を使いすぎた。

 しんみりしすぎた。

 皆を観光を口実に外に追い出し閑散となったこの部屋。

 僕は一人残った縛られ放置されていた豚王子を見下ろす。

 さて……。

 僕は事前に下階の調理場から食用酢を貰ってきていた。

 それを取り出し床に置く。

そして僕は虚空を見つめ気配を探る。


 ……。

 ………。

 …………。


 居た。

 やっぱり居たか。


 ポン、ポン。


「新月」


 僕は虚空に向けて手を叩く。


ストッ。


「ここに」


 僕の配下の忍者の一人が天井から現れ床に傅く。

 彼女の名は新月。

 その服装は前世の時代劇に出てくるような忍者装束に近かった。

 恐らくこの世界で最初に忍者になった者の着衣を継承しているんだろう。

 今のこの世界の忍者達は。

 その着衣を現代まで継承してきたのは忍者職の誇りなんだろう。

 そういえばククル村を襲撃してた忍者も同じような格好だったな。

 彼奴等の忍者装束は黒だった。

 彼女達の装束は柿色だが。

 だが詳しくその姿を視認し観察する事が出きない。

 認識阻害のスキルを使用しているのだ。

 これが忍者から派生した【陽炎】というジョブ固有のスキルの影響だ。

 魔術は街中や王侯貴族の屋敷若しくは王宮の中では大きく減退されるようになった。

 ダンジョンの構成技術の解明で、建築材に鉛が多く使用されるようになったからだ。

 だが魔力を使用しないスキルにおいては鉛による減退効果はない。

 流石は忍者の派生ジョブの【陽炎】だな。

 

 【陽炎】は隠密製に優れたジョブだ。

 言わば『戦闘よりも潜入に秀でた忍者』という所か。

 なんてね。

 【陽炎】への派生条件は僕が彼等に教えた物だ。

 戦闘力こそ同レベルの忍者にやや劣る。

 だが隠密性は僕の暗殺者ジョブの次に高い。

 

 彼女の名は新月。

 今や亡国となった小国に仕えていた小人族の少女だ。

 彼女はその国の諜報機関【黄昏】に所属していた忍者の一員だった。

 だが雇い主を失い、路頭に迷っていたのを僕が雇いました。

 彼女だけでなくその組織に所属していた者を全員です。

 その数は十人。

 詳しい話は後においおい説明するとしよう。

 なので今はこれ以上は割愛する事にします。

 あ……言い忘れてました。

 全員外見が十代前半の少女です。

 中には見た目が幼女なのも居ます。

 別に外見が少女や幼女ばかりなのには意味は有りません。

 多分。(目を逸らす)

 いや本当です。

 可愛いかった訳ではなく。(言い訳)

 信じて。

 決して邪まな気持ちで彼女達を雇った訳ではないのです。


「流石は噂に聞こえた【黄昏】の忍者ですね。まるで気が付きませんでした」

「お戯れを。頭領」

「本当なんですが……」

「頭領。ならば何故気配を遮断し、隠れていた我の正確な居場所に向かって声を掛けたのですか?」

「おっとハエが」


 僕はあわてて目を逸らす。


「……」


 新月はジト眼で僕を見ているようだ。

 その事を僕は彼女からの気配で察した。(冷汗)

 やべえ。

 全然誤魔化せてない。

 どうしよう。


「この部屋にはハエは居ませんが?」


 仕方なく視線を戻す。

 彼女の目つきは僕が誤魔化している事を見透かしてるみたいだ。

 そんな雰囲気ですよ。

 実際には分かりませんが多分間違いないでしょう。

 

「気のせいかな? 蚊だったかな」


 再度僕は誤魔化す。


「更に絶対に居ません」

「あ~~」

「未熟な私には過ぎた気遣いです」


 溜息を付く新月。

 ばれてら。


「そうだ。済まないけど下から人がこの部屋に来ないようにしておいて」

「……」


それでも僕は誤魔化すように彼女に事を頼んだ。

 新月は無言で僕を見ていた。

 ような気がする。

 認識阻害が働いてる所為だ。

 やりにくい。

 僕は視線を泳がせる。


「まあ良いです。頭領、それで此れから何が始まるんです?」

「ふえ? ただの拷問だけど?」


 僕は出来るだけ可愛く首を傾げながら彼女に答える。


「……」


 無言の新月。


「どうしたの?」

「いえ。頭領の言動の内容と容姿の差に物凄い違和感を感じまして」


 あ――……。

 僕のこの容姿だと確かに違和感があるよね。


「ふえ? そうかな」


 僕は首を傾げ幼い子供の仕草をする。

 新月の顔をしかめる気配がする。


「そんな事なら配下の私どもに命じてお任せください」

「あ――……。気にしないで僕がやるから」

「ですが……」


 なおも彼女は食い下がる。


「というか幾ら君らでも無理だ。それぐらいこの豚王子のジョブスキルは厄介だから」

「……承知致しました」

 

 その言葉を最後に新月は消える。

 ように見えた。

 恐らく認識阻害のスキルの力を更に強化したんだろう。

 普通の人には目の前から消えたように見えるはずだ。

 多分。

 ぼくの想像でしかないが。

 認識阻害を強化しても、僕には見えているので彼女の努力の意味は無いのだが。


 カサカサ。

 

 ……。

 いや良いけど。

 今彼女は壁を伝って天井に上ってるのが僕には見える。

 まるでヤモリだ。


 というか黒い忍者服でなくて良かった。

 黒だとまんま台所に生息するG。

 

 あの人の天敵に似てるだろう。

 あの黒くて鈍く光った生命力に満ち溢れた奴に。


 あっ……天井の板を外して消えた。

 

 本当にGだな。


 あのカサカサとした動きなんか特に。

 ……見なかった事にしよう。



 


これで本当に今日は終わり

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