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第三十八話 理由。

四話目投稿します

 ああ~~上品に仕上げた白が美しい。

 僕は目の前のギスギスした雰囲気に耐えきれずに天井を見上げていた。


「腐……それは違うわね」

「何がなの?」


 視線を戻すとサキ姉さんの反論にサラは怒りで切れかけてた。

 凍えるようなサラの視線を受け流すサキ姉さん。

 元四天王の怒気をよく受け流せるな。

 サキ姉さんは。

 はあ~~。

 僕は自分の掌の冷汗を見る。

 サラの怒気だけで此れだけ汗を掻いたのか……。

 流石は元四天王。


「腐……人形遣いのジョブの特性上、一人の手駒を作るのにも大量の魔力を消耗するわ」

「それ位知ってる。先代四天王の名は伊達じゃないの」

 

 何を今更?

 とばかりにサキ姉さんを睨むサラ。


「腐……時間を空ければ、魔力が回復してもっと被害が広がってたの分かる?」

「それは……なの……」


 痛いところを突かれたとばかりに言葉を失うサラ。

 サラの目が泳いでるね。


「腐……だからカイルの判断は間違いではない」

「だからと言ってカイルのやった独断専行を許すの?」


 サキ姉さんの僕に対する思わぬ援護射撃にたじろぐサラ。


「多少のリスクがあるけど潜入出来ると判断したんでしょう? カイル?」

「うん。まあね」


 サキ姉さんの質問に頷く僕。

 ……潜入。

 というか暗殺こそが僕の暗殺者ジョブの真骨頂だからだ。

 だから潜入できると踏んだのだ。

 更に言えば駄目神からの特典で隠密能力を上げてるから。

 

 ……まあ別に今回は暗殺していないけど。

 

「「だからと言ってっ! やって良い事と悪い事がありますっ!」」


 シスターが割り込んでサキ姉さんに怒り出す。


「腐……では聞くけど」

「な……なに?」

「なんなの?」


 サキ姉さんの理論的な逆襲を予想し、言葉を詰まらせるサラとシスター。


「貴方達ならカイルが取った行動以外でどうやって事態を終息させられた?」

「「全員で襲ってきた奴らを撃退」」

 

 サキ姉さんの質問に脳筋まんまの回答を返すサラとシスター。

 アホかいいいいいいいいいいいっ!

 この二人、何の為に僕が王宮に潜入したのか分かってないよっ!


「腐……被害は甚大になるけど? それに貴方達忘れてない?」


 アホの子を見る目つきで二人を見るサキ姉さん。


「何が? サキちゃん」

「何がなの? 駄目姉」


 ……駄目姉って。

 サキ姉さんにサラは容赦ないね。

 シスターとサラはタジタジである。

 まあサキ姉さんに口喧嘩で勝てないからね二人共。


「此処の王族である《・・・・》キキとキルがカイル達二人を襲ったの。此れがどういう事だか分かる?」


 サキ姉さんの言葉に沈黙するサラとシスター。

 これは分かってない顔だ此れは。

 その証拠に二人ともキョトンとしてるし。


「腐……つまりカイル達はこの国に敵対した存在とされた可能性があったの」

「「……」」


 サキ姉さんの話に沈黙する二人。


「腐……まあ時間を置けばね」

「「……」

「そうなればどうなるか? 分かるわよね」

「「……」」


 サキ姉さんの言葉に頷く二人。


「つまり御主人様はこの国に敵対した犯罪者となるんですか?」

「しっ! アカ……サキ姉さんが二人を説得してんだから今は静かに」


 軽口を叩くアカを嗜めるクレナイ。



「マリ姉さん」

「なあにセリスちゃん?」

「結局どうなってんの?」


 セリス……。

 君も分かってなかったのか。


「あらあら~気になるの。未来の旦那様の事が」

「なああああああああっ! 勘違いしないでよね! 誰があいつの事なんかっ!」

「あらあら~~残念」

「う~~早く教えてよ」


 マリは妹分を弄りながら咳をする。


「あらあら、早い話が結果的に見ればカイル君が取った行動は短慮に見えて実に合理的だったの」

「王宮に潜入したのに?」


 目を細めるセリス。


「あらあら……そうよ。キキ様達は確かに城下に頻繁に見回りに行かれていた。此れは知ってるわね」

「うん。顔は知られていた、なのは分かる」


 首を縦に振るマリさん。


「そう。だから城下の人達は今の所はまだ元貴族の令嬢としか思ってないの」

「そう言えば二人の父親カラル様は結婚した事を表立って宣伝してないのを忘れてた」


 王族?

 元貴族の令嬢?

 普段の二人を見てるから凄い違和感が……。


 ついこの間までククル村でカラルさんが浴場の仕事終えて酒場で一杯してたのに。

 それをキキとキルが連れ戻してたのがセットだったけど。

 それがついこの間の様に感じられる。

 

 暫くして浴場の仕事を辞めて結婚する事になって驚いたけど。

 親子共々引っ越して寂しかったな~~。



「そうなると下手に騒ぎを大きくしたら大事にならない?」

「そうなの。騒ぎの小さい内ならまだ城下の人達は元貴族の喧嘩と思ってくれるけどね」


 マリさんは両手を広げ肩を竦める。


「つまり人形遣いの術が最大限に発揮されれば、キキ様たちは現王族としてカイル達を断罪していたと?」

「あらあら、分かってるじゃない」


 微笑むマリさん。


「あらあら。まあ最悪なのはキキ様達がクリスさんや他の人達を巻き込んで訴えて、国交問題になってかもという事ね」

「そこまで考えて黒幕は此処まで策を張っていたと言う事なのか」

「「それはそうと……うぷ」」


 二人共思わず豚王子を見そうになって気分を悪くしたみたいだ。

正直すみません。

 僕が考えなしでした。


 

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