第三十二話 感知スキル
まだ連続投稿は続いてます。
「えっと……」
ダラダラ。
そんな音がしそうな程の冷や汗を流す僕。
遥か上空を見上げるとそこは視界一杯に暗雲漂う曇り空。
……現実逃避のポエムが脳内で作られる。
「すいません。言い方を間違えました」
「続けてがな」
そのまま視線を戻し、自分の横を行きかう人々を眺める。
いかん。
まだ冷や汗の流れが酷い。
「あの村は色々な理由で過疎化が進んでます。ですので下手を打たなくても自然に衰退し廃村になる状態です」
「うんがな」
顔を正面に戻し見つめ合う僕とクリス。
「まあ、畑の管理が出来ないぐらいには人が減ってるからね~~」
「だがそれでも当分は食っていけるだろうがな?」
「税が無いから当分の間はね。だけど将来は?」
「……」
僕の言葉にハッとするクリス。
「下手すれば女子は色町行き、男子は奴隷落ちで老人は餓死です」
「まあがな……援助できないのか?」
ああ~~。
簡単に言うな~~。
もう。
「無理ですね。過疎化で余剰生産が出来なくなるので備蓄分も食いつぶします」
「つまり遅かれ早かれがな?」
クリスの言葉に頷く僕。
「しかも他の村も似たり寄ったりですから。あそこだけ特別に援助というのも……ね~~」
「商会がココロ村だけを贔屓にしてると思われると暴動に繋がるがな」
それも問題なんですよね。
頭が痛い。
「そうですね~~そこで冒険者を村に泊めるんですよ」
「この街の近くならいいが、どの村からでも徒歩で二~三日は掛かる距離だが?」
「遠くの村にはすでに雇っている【転移】の使える元冒険者を派遣して送迎させます」
「……幾らで雇ったんだ? そんな奴らはかなり高かっただろうに?」
クリスはジト目で僕を見る。
元々こんな事の為に彼等を雇った訳ではないんだが……。
まあ~~いいでしょう。
「ふえ? 月給小金貨二枚ですが」
「安っ!」
「そうでも無いです。此れは総額ではなく手取りですから」
「はあ? 手取りって何がな」
「衣・食・住と治療費や人頭税は全て此方が負担し、残りを彼等が受け取る分が手取りです」
「それなら高いっ! それに羨ましいっ!」
クリス……。
あんた王族だろうに……。
まあいいけど。
「まあ、近い所なら彼等ではなく送迎馬車で良いでしょう。こんな所ですかね」
「おおがな」
僕の言葉に目を輝かせるセリスやシシルとミリア。
「「「私達もそれやりたいっ!」」」
ああ……うん。
この人達の事を忘れてた。
というか四歳児に仕事を強請るな。
あ……。
僕が四才児とは知らないのか……。
「すみませんが【転移】を使える方は?」
「「「……」」」
全員目を背けた。
おい。
「不採用」
「「「酷いっ!」」」
あんたら……。
「もう既に募集は終え定員オーバーです。すみません」
「「「う~」」」
涙目で睨まないで。
はあ~~~~。
僕は深々と溜息を付く。
「その代わり一月は此処に無料で住んで良いから」
「「「よっしああああっ!」」」
あっ……涙が引っ込んでる。
嘘泣きかいいいいいいっ!
したたか過ぎるうっ!
……まあ良いけどさあ~~。
さて……。
僕はクリスに極自然に近づく。
当然周りに不自然に思われないように。
僕とクリスの視線は女子社員寮に向いてる。
理由は不穏な気配を感じたからだ。
「クリス……」
「ああ……正面の社員寮から殺気がするがな。人数は六人。その内一人はキキだな」
クリスも僕と同じ所感みたいだ。
キキとキル。
村でクリスから僕と共に剣の修行を受けていた幼女二人だ。
僕に手紙を送った本人でもある。
「確かですか?」
「あいつの剣は俺が教えたんだ。奴の気配と剣気は覚えてる」
僕は【気配感知】のスキルを起動させる。
これは……。
「確かに。残り五人のこの感じは…」
「分かるか?」
「はい……キキ以外は僕の所で雇ってる従業員ですね」
「確かかがな」
「ええ」
【気配感知】。
気功師のジョブ。
若しくは気功師を組み込んだ上位ジョブなら持っているスキルだ。
その能力は全ての生物の気配を感じとる能力です。
奇襲を防ぐのに重宝します。
その能力性能はレベルに依存する。
因みに気功師を組み込まれた中位以上のジョブは【気配感知】から派生した新スキルを習得出来る。
クリスを例に挙げよう。
剣鬼のような前衛系のジョブは【殺気感知】というスキルを習得する。
此れは人若しくは魔物の殺気を感知する物だ。
ゲーム上では奇襲を受けそうになった場合に備え習得する。
【気配感知】若しくはそれから派生した感知系のスキルでは判定し失敗したら奇襲を受ける。
クリスの場合はその二種類しか持ってないの、感知に失敗したら相手に奇襲される。
まあクリスの場合カンストしてるみたいだから殆ど心配しないで良いみたいだが……。
僕の場合は気功師の【気配感知】。
暗殺者のジョブは場合は【音響感知】。
此れは何かが動いた時に、大気に伝わる音を感知するスキルだ。
武道家は【殺気感知】。
この辺りは既に挙げてるので省きます。
竜兵士のジョブは【超感覚感知】。
此れは生身で竜に接近して戦わなければならない竜兵士固有のスキルだ。
詳しく言うと第六感を超える感覚で敵の動きを知る事が出来るという物だ。
だが上手く使えば、感覚という予測を超えた、数秒先の未来予知として機能させる事が出来る。
これら感知系のスキルを僕は四種類持ってる。
まあ、僕の今のレベルでは無いよりマシという程度でしかないんだが……。
僕のレベルが低い所為で、サキ姉さんからの夜這いを防げないのは辛い。
まあ夜這いというか添い寝というか。(溜息)
ガチで生殺しで睡眠不足になってんですけど……。
サキ姉さんは四歳児になに考えてんだか……。
僕が大人になれば大歓迎なんですが。
本当に色んな意味で……。
性的にとか。
性的とか。
性的にですね。
大事な事なんで三度言いました。
うん。
食べて頂きたい。
……。(目を逸らす)
……。(冷や汗)
仕方ないだろうっ!
前世の年齢=女性との接触が無かったんだからっ!
母親?
女を捨ている方はノーカンですよっ!
前世の僕なんて30歳になっても童貞を捨てられず、世間で魔法使いと呼ばれるようになるなん、そんな悲しい運命に自らなりたくなかったんだあああああああっ!(血涙)
いかん。
話が逸れた。
はあ……。
評価をお願いします。




