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創造主長様のお仕事  作者: 己龍
第2章 子供+仲間+迷宮=???
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FS04 その歪み、止まらず

次回は人物紹介


今回はFSです

イビルアル王国の一室、現在は召喚者である修一の部屋となっている場所では鉄の掟がある。


それは明言されていなくとも王城に住む者ならば暗黙の了解として、なにより自分の命の為に自然とできたルールだ。



「はぁ?あの女の子が帰国した?」


「は、はい。学園長から連絡がありまして、その・・・婚約者の方に会い行ったそうで・・・・」


「はぁ~・・・」



そして今、その掟が破られた。


修一の目の前にいる文官も顔を青くさせ震えながらも、この役目を押しつけた上司を恨んでいた。


絶対の掟、破れないルール、それは・・・・・。



「どいつもこいつも・・・・・どこまで僕を馬鹿にするんだ!」


「お、お止めくだ・・・・ぎぃあぁぁぁぁ!!」



修一を絶対に怒らせてはならないこと。


少しでも反感を買うような真似をすれば何をされるかわからない。


現在の文官のように。



「僕はあの子が気に入った、奴隷に落として連れてこいって言ったよね。それを僕のひろ~い心で向こうが了承するまで待ってやったんだぞ。それなのに国を出た?婚約者?」


「あ・・・あぁああ・・・・」


「役立たずが!!」


「げは!」



強い感情と共に両太ももに光の刃が刺さる文官を床へと殴りつけると、修一は傍にいた世話役のメイドの一人へと歩み寄る。


国王に命じられ無理やり付けられたこの役職にメイドは震えが止まらない。


それでも他人からは分からぬようにまで抑える度胸は、さすが王城務めと言えよう。



「おいお前、そこのゴミを捨てておけよ。窓から」


「ですが、落下地にありました植木は昨日剪定しており、最悪彼は地面に叩きつけられて」


「なに、お前も僕に意見すんの?」


「・・・・・・・かしこまりました」



逆らえない彼の言葉に拳をきつく握り締めて、彼女はゆっくりと文官の前に移動した。


ゆっくりと動くのは、時間を稼げば逃げてくれるのではと淡い期待を込めてだったが当の本人は痛みと怯えで、ただただメイドを震えた目で見るしかない。


そして彼女は僅かに暴れる彼の首元を掴み窓まで引きずると、グッと奥歯に力を籠めて窓から投げようとしたとき、両者ともに一筋の希望が聞こえてきた。



「修、いるかしら?調べたことを言いに来たんだけど」


「さっさと入れよ。ちょうど面白いもんが見れるから」



この状況を見世物と評する修一に部屋にいた物は全員怒りを覚えるなか、おずおずと部屋に入った橘蛍(たちばなほたる)は、一目で理解すると侮蔑の目で修一を見据えた。



「修、あんたまたこんな事してんの?いい加減に人を玩具みたいに扱うのはやめなさいよ!」


「またそんな乱暴なこと言って。お前こそ頭が高いんだよ!」



王城に広がる掟をあっさりと破った橘に、修一は剣を抜き放ち腕を切り飛ばした。


彼女も慣れたようで「うっ!」っと呻くと、すぐにスキル《魔力物質化 A》で腕の止血をする。


掟は破ると周りの人間にも被害が及ぶため、破った者は修一からだけでなく周りからも責められるが、橘が彼の矛先を反らすためにわざとやったのだと感じメイドも文官も、むしろ感謝の目を向けた。




「何でもかんでも力使って満足?傷つけて満足?そのスキルも権力だって他人から貰った奴だっていうのに」


「黙れ!」



修一は怒りに任せ、指元へと光を集め橘の目に向かい放つ。


強烈なその光はたやすく橘の網膜を焼き、盲目へと変えた。



「はぁ、はぁ。僕のものだ、力も、権力も、全部僕の物だ!もういい、今まで他のゴミどもより使えると思ったから手加減してたけど」



不穏な空気を感じ、メイドたちは部屋の隅へと非難する。



「いらない、お前もういらないよ。死・・・」


「おい修一、でかい音が聞こえたぞ!」



目が見えず床へとへたり込む橘へと《超身体強化魔法 A》と《魔装》を重ね掛けた斬撃を放とうとする修一を責める声が再び部屋に響いた。



「おいお前何やってんだ!今のやつ、蛍を殺そうとしただろ!」


「橘さん大丈夫‥‥ではないと思うけど歩ける?」


「蛍ちゃんしっかりして!」



開きっぱなしだった扉から入ってきた健治、薫、真湖が二人の間に入り場を納めようとする。


修一の様子ではこのまま四人とも殺そうとするかと思えたが、驚くことに彼は剣を放り投げて戦意を捨てた。


流石にこの四人を一度に失うことを危惧しての行動だが、彼にそんな考えが出来たことに驚愕を隠せない四人は一瞬立ちつくしたが、すぐに嫌がらせとも憂さ晴らしとも取れるように光の鞭を受け全員部屋から追い出された。



「健治だけ入ってこい、後は汚いから消えろ」



元の世界ならば一部の女性が耳を大きくする発言だが、この場でそんな誤解も余裕もある者はいない。


今の発言は言葉通りであり、橘は当然として、彼女を支えていた真湖と薫の服は血に塗れて床に敷かれた絨毯を汚していた。


健治は早く橘を治療させてやるべく幾人かのメイドと文官に治療室へ運んでやってくれと頼んでおく。



「で、結果はどうなの?魔王のいる場所は、僕のメイちゃんが今どこか分かってるんでしょ?」



そう、冒頭で話していた女の子とは、レイヌの婚約者メイトラ・レイオットその人だった。


健治と薫は修一の命令で学園前にずっと張り込んでいたのでメイトラがいつ学園を出たのか、どうやって定期馬車に乗ったのかを知っているであろうと当てをつけた。


魔王については倒す気があったのか思われたが、その居場所やどんなスキルを持っているかを橘と真湖に調べさせていた。



「‥…魔王についてだが、とりあえず地上の本棚を全部調べたがなにもなかった。レイオットさんがどうやって予約を取ったかだが、他の人から譲ってもらっただけだ」


「図書館には地下があっただろ。サボるなよ、きびきび働け」


「地下の本は文字が読めなかった。図書館の館長とか考古学者に聞いたけどわかるやつはいなかった」


「じゃぁ解読しろよ。今すぐやれ」


「未解読の文字だぞ?神さんの加護とやらの力でも解読できないんだ」


「知らないよ、やれ」



あまりに理不尽な言葉に健治は心の中で学者たちにすまないと謝る。


修一が満足するような速度で解読するとなると彼らを総動員しなければならないからだ。



「それで、メイちゃんを外に出したゴミは誰?あと婚約者とかいうゴミも」


「レイオットさんの代行は冒険者のキューテ・クリスト。冒険者の中でも最上位の水晶ランクだと」


「また冒険者かよ。あいつらはどこまでも僕を馬鹿にするな」



以前、魔族を魔王の手下だと言い切る修一は各ギルドへと魔族の完全脱会と抹殺を命じた。


どのギルドも抵抗し、むしろ魔族たちを国外に逃がしたによって修一から制裁として建物を物理的に崩壊させられた。


その中でも冒険者と傭兵ギルドは特に抵抗が激しく、その場にいたギルド登録者・職員が刃を向けたほどだ。


それに怒った修一は共々を光魔法で瀕死寸前まで痛めつけた。



「肝心の婚約者は?場合によっちゃ殺さなきゃ」


「それは・・・・・」


「なんだよ、さっさと言え。またお腹に穴開けたいの?」



思わず腹を隠すが、健治は婚約者について言おうかどうか迷った。


なぜならばその婚約者こそ今一番修一が殺したい相手だからだ。


顔も見たことがない相手だが、なにせ本物の勇者は彼だ。


それだけで修一にとっては抹殺すべき相手なのだ。


だが黙っていると今度は本当に自分は殺され、情報の提供者にも危険がおよぶ。


せめてあの怪しそうな生徒だけでも守らければっと健治は重い口をようやく開いた。



「名前はレイヌ」


「なんだと!?」



修一は座っていた椅子から立ち上がり、健治の首を締め上げる。



「言え、奴の情報を。知っていること全部だ!」


「が‥…ぐっ。そいつは冒険者ってこと…しかわからない。‥‥‥冒険者ギルドも‥…すでにここから撤退した。‥‥これ以上は、調べようがない」


「ちくしょうが!」



健治を掴んだまま壁へと投げつけても、彼の怒りと焦りは収まらない。


勇者の資格だけでなくあんなかわいい子まで・・・・・絶対に殺すと、むしろ決意を固くさせただけだった。



「ゴホッゴホッ。どうすんだよ、追うのか?言っとくが定期馬車はレイオットさんの乗ったもんで最後、次の到着予定は未定らしいが」



健治の提案に修一は肩で息をしながらにやりと笑う。



「別にいいよ、このままで」



てっきり追って始末してこいと命令されると思っていた健治は信じられないという目を向けたが、光魔法で目を潰された。



「その目うざったい。でも言いたいことはわかるよ」


「くぅぅ‥‥じゃぁなんで」


「だってそれじゃぁ僕が直接殺せないじゃん。どうせ勇者さまならそのうちここにも来るでしょ、世界を守るために、さ」



その時の修一の顔は醜く歪み、目はどす黒く歪んでいた。



「最大級のそのゴミを磔にしてさ、目の前でメイちゃんをめちゃくちゃにしてやるよ。その後じっくりゆっくり殺してやる」


「修一‥…お前は‥…」


「残念だったね、逃げれなくて。お前の考えてることはよ~くわかってるから」


「!?」



まさかそこまで読まれているとは思わず、つい顔に出してしまった健治。


部屋に残ったメイドたちはレイヌの話になってから全員追い出したので誰もいないが、この場にいたら思うだろう。


これから憂さ晴らしという名の拷問が始まるのだと。


そしてその通り、翌朝まで王城には健治の悲鳴が響き渡った。


ある者はまたかと耳を塞ぎ、またある者は自分じゃなくてよかったと胸を撫でおろす。


そして一部の者は愉快そうに耳を傾けるのであった。

この世界の奴隷商はハロー〇ークのような職業案内所みたいなものです。

そして皆さんが思い描くようなこき使われる奴隷は「犯罪奴隷」とされます。


犯罪者以外をその扱いで売買する奴隷商は違法とされ、例えるならば人身売買の犯罪組織だと思ってください。

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