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007(いよいよ、出社)

――1ヶ月後、4月になり、いよいよ入社式。


 服装は自由。自由と言われると、逆に試されてる感じでなんか嫌だ。


 俺はデニムにラフなジャケットを着る。インナーはTシャツだ。これで十分だろう。


 家族3人と俺で食卓を囲む。スクランブルエッグ、サラダにご飯。


「圭市君、たくさん食べていきなさい」

「いいよ、伯母さん」

「圭市、遠藤力(えんどうちから)に宜しくな」

「和事兄ちゃん、ありがと。完全にコネだからね」

「遠藤はちょっと気難しいところがあるから上手くやれよ。スポーツカーだと目を付けられるぞ」

「逆に人気者になってやるよ」


 俺はGTRに乗り、飯松ウィステリア工業へ向かう。明暗寺から車で20分程だ。入社式開始は10時。10分くらいは余裕がある。


 3月の間に何度か飯松ウィステリア工業への道順を確認してる。ほぼ国道を通るから迷うことはない。


 入社式もシティでやればいいのにな。まあ、車とロボットの部品を造る会社だから、仕方ないか。


 飯松ウィステリア工業に着くと、【新入社員は左の駐車場に停めて下さい】と看板が立っていた。


 既に数台の車が停まっており、人がちらほら居る。


 俺はコネだから、入社試験を受けていない。御曹司の遠藤力を思いっきり利用してる、計画的に。顔は知らないけど。


 俺はGTRを駐車場に停めると、緑色のユニホームを着た若い男性社員が来た。


「おはよー。BNR32か、良い車に乗ってるね〜」

「おはようございます」

「君は新入社員だよね?」

「そうですよ。松本圭市です」

「ああ、君か。遠藤のコネで入ってきた大物は。俺は渡辺享(わたなべとおる)だ」

「宜しくお願いします」

「車には詳しいから、何でも聞いてね」

「ありがとうございます」

「構内の道を挟んだ向こうにある2階建て棟が事務所兼ロッカールームだよ。1階の入り口で新入社員に社員証を配ってるから」

「行ってきます」


 俺はロッカールームの入り口へ歩いて行く。左側を見ると、緩やかな斜面に大きなプラント4つ確認できた。


「新入社員の方ですね? お名前は?」

「松本圭市です」


 オバチャンOLが社員証を渡してくれた。


「この社員証はカードキーにもなっているので、なくさないようにお願いします」

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