064(カミカゼ)
俺とメグは雑談をする。ディーラーを目指しているそうだ。日本語の勉強もしてる。将来は日本のカジノでも働きたいらしい。
「またどこかで会うことがあれば宜しく」
「じゃあね、カミカゼ圭市」
俺はルクソールに帰る。辺りは薄暗い。すれ違う人達に「カミカゼ〜! カミカゼ〜!」と声を掛けられる。俺は「ありがとう!」とハイタッチをしながら、通り過ぎていく。
自分の部屋に戻った頃には真っ暗だ。
「まっつぁん、お帰り! 凄い事をやってのけたね! テレビで観てたよ」
「2位だけどね。頭を使いすぎて腹が減った」
「ルームサービスを頼もうぜ」
「焼き鮭あるな?」
「アハハ、まっつぁんらしいな。ないと思うよ」
俺は客室の固定電話で、安いワインとハンバーガーを注文した。下平はもう夕飯を済ませたみたいだ。
コンコンコン! ドアをノックする音だ。
「ルームサービスをお持ちしました」
俺はドアを開けてボーイを客室に入れる。
カートにはバケツに入った赤ワインのボトルと直径20センチメートルほどの紙包み、ハンバーガーだろう。
ボーイはカートからワインとハンバーガーの包みをテーブルに並べる。
「グラスは何個ですか?」
「とりあえず、2個頼む」
ボーイはチップを受け取り、テーブルをメイキングして戻って行った。
「さて、食うか」
「まっつぁんは何でも出来るね」
「そうか? ガチホモ心と夏の夜だ」
「何それ意味わかんねえ」
「意味などない! 下平、ワイン開けて」
「まっつぁん、これコルク栓じゃないよ。アルミのキャップだ」
「コストカットか」
俺はワインのキャップの針金を外し、栓を抜く。
真っ赤なワインをグラス2個に注ぐ。
「ゴチになりま〜す」
「味わって飲めよ」
俺は包みを破き、特大ハンバーガーにかぶり付く。美味い! 流石は本場のハンバーガー! パティが、ザ・肉だ。
「まっつぁんは1億円を手に入れたことだし、飯松ウィステリア工業を辞める?」
「いや、社長から顧問探偵の依頼をされてる」
「いいな〜。どんどん出世してくね」
「下平もドカンと当てちゃいな」




