063(10億円の行方)
俺の手札はスペードのエース、ダイヤの3。テーブルの5枚はハートの2、ハートのエース、クラブの10、ダイヤの4、ハートの5。また、ストレート!
「ストップ!」
待てよ! 俺より前の番の女がストップをかけた。勝負に出たか!? 役はなんだ!?
「オープンします」
一斉にデジタルカードが空中に浮き、お互いの役を確認する。
「俺はストレートだ」
ツーペアが1人、あとはワンペアとブタだ。勝った…………!
「私はフラッシュよ」
フラッシュだと!? ストレートとどっちが強い役だ!?
「優勝はミス、パリス〜!」
周りは拍手喝采だ。
「えっ……負けた?」
「ケーイチはそれでも、2位ですよ。賞金100万ドル!」
「100万ドル…………及第点だな」
俺はメグの誘いを受けなければ、100万ドルなんて手に入らなかった。ビールを一気飲みするが、手が震えてる。
2位の賞金100万ドルは円に替えられ、俺の口座に振り込まれた。最高の思い出になったぜ! 遠藤のバカとはスペックが違う。
VIPルームからホログラフィーが消える。メディアのリポーターが一斉に質問してくる。
「100万ドルの使い道は?」
「仕事は続けますか?」
「アメリカの財団に寄付しませんか?」
「将来の夢は?」
俺は一言放つ。
「カミカゼ!」
「オーマイガー!」
周りはザワザワしてる。
俺はVIPルームを後にして、ウェアラブル端末で口座の残高を確認する。【1億2000万円】預金と合わせて、セレブ〜。
「松本! 俺が手を抜いてやったんだから、半分寄越せよ」
遠藤のバカは知能に問題でもあるのかな?
「人殺し」
「だから、何年も前の話を出すなよ!」
「認めるんだな? 人殺し」
「俺の親は社長なんだよ! 俺の親は社長なんだよ!」
遠藤のバカは語彙力のない言葉を吐き、涙ぐんでる。いくら御曹司でも5000ドルもスって、首が回らないか、アハハ。
「バーカ」
「松本、覚えとけよ!? お前だけは許さん!」
「はいはい」
俺はカジノのフロアへ行き、メグを見付ける。
「メグ、ビールを1つ」
「圭市、ホントに勝つとはね」
「2位だ。はい、5ドル」
俺はメグに5ドル紙幣を渡す。
「ブレないのね。ねえ……彼女はいるの?」
「いるよ」
「そう。すぐにビールを持ってくるわね」
俺は賭け金1セントのスロットマシンに座り、テキトーにラインを張って遊んでた。2ドルの負け。
メグは瓶ビールを2つ持ってくる。
「1本でいいのに」
「私の分よ。乾杯しましょ」




