046(最悪のパターン)
次の日の朝、俺は自分の専用スーツとヘッドマウントディスプレイをGTRに入れ、飯松ウィステリア工業へ出社する。
ホンボシはドムに強い殺意を持った女…………弥生さん? いや、まさかな。
俺は専用スーツとヘッドマウントディスプレイを持ち、ロッカールームに行くと、ウェアラブル端末に通話が来る。知らない番号だ。また犯人から? 一応出てみるか。ピッ。
「もしもし。どちら様?」
『おはよう、松本君。工場長の今井だ』
「あっ、おはようございます」
『早速、成果を挙げたみたいだね』
成果? メッセージの事かな?
「真犯人は他人を操る能力者かもしれません」
『厄介だね。そういえば、松本君は六道さんの葬式に行った?』
「いえ、行ってません」
『ドライなんだね』
「そうでもなきゃ、VRゲームでプロにはなれません」
『今日は出社するかい?』
「もうロッカールームまで来てますよ」
『遠藤君も今日から出社するよ』
ゲッ。マジかよ。ややこしくなるな〜。
「そうなんですか」
『そういう訳でウォーライフ、多軸NC旋盤ライン、好きな方をやっていいからね』ピッ。
今井工場長は気付いてないようだな。俺と遠藤のバカに因縁があることを。
俺はシティにログインするために事務所に行く。遠藤のバカが居た。
こっちに気付いたようだ。詰め寄ってくる。
「昨日はよくも!」
「黙れよ、人殺し」
「俺じゃない! 俺じゃない!」
周りにギャラリーが集まってきた。なんか酒臭い…………遠藤のバカは飲酒運転したな?
「人殺し」
「だから、俺じゃない!」
「そこまでだ、2人とも」
遠藤力蔵社長か。遠藤のバカを注意してもらおう。
「父さん、コイツを自由にしないで」
「はいはい、坊」
「てめえ!」
「2人が仲良くなる方法を考えてきた」
はぁ!? 何を言い出してる、社長!
「力にもウォーライフをプレーさせよう。松本君がお目付け役だ」
「社長、お言葉ですが、足を引っ張られるだけです。それだけはやめて下さい」
「まあ、いいじゃないか。力を鍛えてやってくれないか」
最悪! こんなクズに仕事を邪魔される。最悪のパターンだ。




