044(謎のメッセージ)
俺はGTRを運転して、明暗寺に帰ってきた。15時頃だ。ウォーライフの義務を果たすかな。
慎重にGTRを駐車場に停めて、降りる。伯母さんがホウキで掃き掃除をしていた。
「圭市君、お帰り。早退? どこか具合でも悪いの?」
「伯母さん、ただいま。飯松ウィステリア工業とVRゲームのプロ契約を結んだよ」
「え、本当?」
「ついに腕が認められたよ。これからは月の半分しか出社しなくて済む」
「今日はお祝いね」
「別にいつも通りでいいよ」
「ペペロンチーノと焼き鮭なんてどう?」
「ウッヒョー、それは嬉しい」
「良かった」
「月、40時間はプレーしなきゃいけないから、消化してるね」
俺は長屋に入り、下駄箱にスニーカーを入れる。そして、部屋に行く。
専用スーツに着替えて、ヘッドマウントディスプレイを被る。
『ようこそ、松本圭市様』
「よう、スィフル」
『松本圭市様にメッセージが届いてます』
「何!? 誰からだ?」
『ヨーロッパの旧式VR総合コミュニティ“ユーロスター”から匿名のメッセージです。ページを開きますか?』
俺は少し考える。母さんの手がかり? しかし、ウィルスかもしれない……。スィフルに確認させるか? いや、ダメだ。バーチャル案内アニマルを危険に晒す訳にもいかない。…………よし、自分から飛び込もう。多少のリスクは仕方ない。
「スィフルは待機。ページを開いてくれ」
『かしこまりました』
パッと、視界にページが映る――。
【六道よう子、アタックナイフでキル】
「スィフル! 今すぐトラッキングだ!」
『……追跡しましたが、アフリカのサーバーで見失いました』
「メッセージをロック!」
『ロック完了しました』
「飯松警察署の1課にメール送信! このメッセージを添付して!」
『かしこまりました』
間違いない、真犯人だ。しかし、なぜ、こんな行動をとる? 愉快犯か? でも事件は1つだけ。愉快犯なら繰り返すはず……? これからも起きる?
「スィフル、ログアウトだ」
『またのお越しを』




