041(6時0分)
昼休憩が終わり、俺は一応、C棟の休憩室へ行く。鑑識が浚ってから1ヶ月以上経ってる。何もないだろうな。規制線はない。もう通常通り使われてる。
一度、飯松警察署を訪ねるか。母さんの事も進捗がないか聞かなきゃな。今日はもう帰ろう。
俺はB棟の多軸NC旋盤ラインに行く。下平、渡辺さん、津野さんはそれぞれに動いてる。俺は渡辺さんに話し掛ける。
「今日はもう上がります。後はお願いします」
「そうか、また明日な」
「はい。それでは」
下平には敢えて話し掛けなかった。大義名分の早退は嫌味にしかならない。
俺はロッカールームへ行き、着替えて、靴を履き替える。
社長と今井工場長にも声を……別にいっか。飯松警察署に行こう。
――俺はGTRに乗り、飯松警察署に着く。平日の昼下がりだ、駐車場は空いていた。
入り口近くに停めて降りる。すると、声を掛けられた。
「松本!? こんな所で何をやってる!」
「……遠藤…………さん」
「仕事中だろ!? 何をやってる!」
「遠藤力蔵社長から直々にフレックスタイム制にしてもらったんです。じゃあ」
「フリック…………? 待てよ! 仕事に戻れ!」
俺は飯松警察署に入ろうとしたが、遠藤のバカは理解出来てないのか、俺の腕を掴む。
「頭弱いな〜」
「この野郎! もう一度言ってみろ!」
「パパに言い付けるか? 坊」
「てめえ! 許さねえ!」
遠藤が右手で俺の胸ぐら掴んできた。俺は八方崩しで手前に引く。遠藤はバカだ、バカは予想外のことをする。この場合、普通なら後方重心を持っていこうとするが、遠藤はドンドン手前に着いてくる。そして、俺は左手で胸ぐらを掴んでる袖を引っ張り、右手で遠藤の肩の辺りを掴み、密着し、腰の回転も使い、右脚で遠藤の左脚を跳ね上げ、内股を決める。アナログ時計6時0分の形の脚さばきで、遠藤を空中1回転させ、地面に叩き付ける。
ドスッ!
「ぐあっ!」
「……ざまあ」
遠藤は何が起きたか理解出来ないだろう。マトモに受け身も取れない。俺の必殺内股、ツイスター! が決まった。
「化け物かてめえ!?」
「お前の頭が弱すぎるんだよ」
「いつから俺様にタメ口を聞けるようになった!?」
「今日からだよ、雑魚」
「イッテ〜、頭を打ったじゃねえか。傷害罪だからな!」




