032(死亡事件)
次の日、月曜日の7時半に俺は飯松ウィステリア工業に出社する。パトカーが数台停まっていた。まさか、ドリフトの件で捕まえに来た!?
俺は左側の駐車場にGTRを停めて、ロッカールームに行く。何事だろう?
俺はユニホームに着替えながら、聞き耳を立てる。近くの社員2人が警察について立ち話をしていた。
「C棟で女性の死体だってよ」
「自殺? 他殺?」
「それがどうやら、自他殺不明らしい」
「過労死だったら、工場長の首が飛ぶぞ」
なんか嫌な予感…………弥生さんは無事か!? 俺はウェアラブル端末で弥生さんにメールを送る。
【弥生さん、生きてるか!?】
俺は安全靴に履き替え、C棟に行く。現場はどこだ? まだ弥生さんから返信がない。
C棟の休憩室に黄色い規制線が張られていた。俺は覗いてみる。鑑識が引き上げるところだ。
「ちょっとちょっと、お兄さん。警察以外は立ち入り禁止だよ」
「お巡りさん、害者は誰?」
誰だ!? 誰が……自他殺不明らしいが。
「……えーっと、六道よう子っていう太った女性だよ」
「何!? ドムが…………」
「知り合いか。後で任意の事情聴取をさせてもらうね」
事情聴取……正直めんどくさいが、これも勉強だ。
ピピピ。俺のウェアラブル端末に弥生さんからの返信が来た。
【圭市君、おはよー。今、駐車場に着いたところ。端末外してて気付かなかった。生きてるよ】
【良かった! ドムが死んだよ】
【嘘でしょ? 事故?】
【C棟の休憩室で亡くなっていたみたい。自他殺不明だって】
【殺人の可能性があるの? 圭市君の出番ね】
【犯人は遠藤かもしれない。決め付けちゃダメだけど】
キンコンカンコン。
『全社員は食堂に集まって下さい。重要なお知らせがあります』
おそらく、事件についてだろう。俺は食堂へ行くと、前の席は大体埋まってた。後ろの方に座る。キンコンカンコン。8時になった。
「皆さん、おはようございます。社長の遠藤力蔵です。この度、新入社員の六道よう子さんが亡くなられました。警察の方々は自他殺不明とのことです。皆さん、警察の方々に協力してあげて下さい。C棟以外は通常通り仕事をして下さい。それでは、解散!」




