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階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


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先発隊、軍隊すぎる到着

翌朝。

領主門に張りついていた見張りが、すっと背筋を伸ばした。


「……来ました!!」


砂煙を上げながら、先発隊がゆっくりと進んでくる。

しかし、その姿を見た瞬間――領主夫妻とガルドは完全に固まった。


あまりにも“軍隊”だった。


近衛隊10名、機構隊10名、学術隊10名、学生隊20名。

総勢50名のはずなのに、軍隊小隊が数倍に見えるほどの緊張感。


しかも――


「整列ッ!!!」


近衛隊長の太い声が響いた瞬間、

学術隊も学生隊もまったく同じ完璧な動きで整列した。


(え……学術と学生まで軍隊式!?)

(これ、完全に訓練された部隊じゃないのか?)

(ど、どういう経緯でそうなった!?)


三人の心の声が揃った。


そして――


「敬礼ッ!!」


ビシィィィィッ!!!


50名全員が見事なタイミングで敬礼。

領主夫妻は反射的に敬礼を返しそうになり、あわてて手を抑える。

ガルドはと言えば、片眉をぴくりと跳ねさせていた。


敬礼が下ろされた瞬間、全員が一斉に「気をつけッ!」の姿勢へ。


もはや風景が軍のパレードである。


なぜ学術と学生までここまで揃っているのか。

理由は分からないが、とにかく揃いすぎて怖い。


隊長クラス――近衛隊長、機構軍隊長、学長、学生隊長リディア副隊長メイヤが前に進み出る。


「では、隊長クラスは領主館へ。本隊の誘導はここで待機中の各員が行う!」


号令一つで、整然と動き出す先発隊。

ガルドは慌てて先発隊に説明し、誘導役の村人を補助としてつけに走った。


――そして、隊長クラスは領主館へ。


◇◆◇


応接室。

緊張した空気が一気に張り詰める。


近衛隊長、学長、機構軍隊長――

それぞれが礼儀正しく頭を下げる。


領主夫妻も思わず背筋を伸ばし、迎え入れた。


「まずはご挨拶を。この度の“移動訓練”および“実地研究”の主導を務めます、近衛隊長です」


「同じく、機構軍隊長だ。迷惑はかけねぇ。……なるべくな」


「学術研究院の学長です。学生たちがご迷惑をおかけしておりましたら、なにとぞ……」


そして最後にリディアとメイヤが並ぶ。


「学生隊隊長、リディア・エルネストです!」


「同じく副隊長のメイヤです。皆さん、本当に頑張りました……!」


領主夫妻は、ここでようやく胸のつかえが落ちた。


――彼らが軍隊化していた理由。

それは、旅の途中で自然と訓練体制が整ってしまったからだ。


近衛が基本訓練を教え、機構軍が実戦的な動きを叩き込み、学術は地形を使った作戦を研究し、学生たちはそれに混ざって成長していった。


結果――誰もが軍隊の一部のような動きを身につけてしまったのだ。


◇◆◇


領主夫妻は、現在の状況を正直に伝えた。


「宿舎はまだ……完成しておりません」


「申し訳ないが、建設は間に合わなかった」


すると学長は首を横に振り、穏やかに言った。


「問題ありません。学生はすべて領主館に泊めていただければ十分です」


機構軍隊長も腕を組んでうなずく。


「こっちは野営で構わねぇ。むしろ外の方が落ち着く」


近衛隊長も微笑んだ。


「我々も同じく。学生と学術の安全さえ確保できれば、夜営で問題ありません」


領主夫妻は深く頭を下げた。


明日には本隊が到着する。

いよいよ、大規模“実地訓練兼交流”が領地で始まるのだ。

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