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神様と呼ばれた精霊医 ~その癒しは奇跡か、祝福か~ 【原作完結済】  作者: 川原 源明
第6章 平和な学園生活

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第77話 事件発生

 お店を出て学園の寮に戻ろうと思ったものの、食べ過ぎてしまい、早く横になりたかった。


 ここからだと、帝都の家の方が圧倒的に近い状態だった。


「今日は家に帰ろう……」


 とにかく早く横になりたくて、私は早歩きで自宅へと向かった。


 自宅のある通りまで来ると、通りの奥に黒い塊が横たわっているのが目に入った。


「あれ? なに?」


『亡くなられていますね』


「ぇ……」


『ドワーフの死体や』


『勉強会の時にクロエから話があっただろ、あれの被害者じゃないか?』


 亡くなっているのなら、もうできることはないけれど……。どうすればいいんだろう?


「どうすればいいかな?」


『大声出して大人の人を呼びましょう』


「うん、わかった」


 私は大きく息を吸って叫んだ。


「わ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」


『ちゃうやろ! こないなときは“キャーーー”やろ!』


 ミントから鋭いツッコミが入る。


「あ、そうなの?」


 私は再び大きく息を吸って叫んだ。


「キャーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


『言い直さんくてもええやろうに……』


『ックックック、とりあえず叫びました感が半端ないな』


『ッフッフ、ですね、何の感情もこもってない悲鳴でしたね』


 グレンとアクアは笑っていた。


 ……どうしろと。


 そんなことを思っていると、私の叫びを聞いた大人たちが駆け寄ってきた。


「嬢ちゃん、どうした!?」


「あれ……」


 私は通りに横たわる黒い塊を指さした。


「ありゃ……」


「またか……」


 その後、大人の人たちは衛兵を呼びに行ったりと、素早く動いてくれた。


「あれって、例の通り魔事件なの?」


『えぇ、目撃していた子の話では、いきなり背後に現れてメッタ刺しだったそうです』


 ああ、辺りを漂っていた水の子が目撃していたのか。


 “いきなり背後に”って、どういうことだろうか?


 そんなことを思っていると、近くに光の球を浮かせた女性衛兵が、私の方へと寄ってきた。


 彼女は私の目の前で腰を落とし、目線を合わせて話しかけてきた。


「あなたが第1発見者?」


「はい」


「制服を見ると、アカデミーの生徒さんよね?」


「はい、1年S組のラミナです」


「へぇ~、1年生なんだ。ここには何できたの?」


「あそこが私の家なんです」


 私は自宅を指さして答えた。


「ああ、なるほど。週末だし、自宅に帰るところだったのね。一応、学生証見せてもらってもいいかな?」


「はい」


 カバンから学生証を取り出して渡した。


 早く横になりたかったけど、こんなことに巻き込まれて、それどころじゃなくなってしまった。


「うん、間違いないね。ありがとう。犯行現場って見てないよね~?」


 私は学生証を受け取り、鞄にしまった。


 これはどう答えればいいのだろうか?


 水の子が目撃しているけれど……。


「アクア、どう答えればいい?」


『人相書きなら出来ますよ』


「アクア? 誰と話しているの?」


 女性衛兵が不思議そうに尋ねてくる。


「精霊さんです。水の精霊さんが目撃してて、人相書きならできるって言っています」


「へ?」


「紙とインクがあれば描けます」


「紙とインクがあればできるのね。ちょっと待っててね」


 女性衛兵は仲間のところへ駆けていった。


 そのとき、鞄の中に紙とインクが入っていることを思い出して、私はそれを取り出した。


「アクア」


『えぇ、いつものように紙を撫でてください』


 アクアの指示に従い、紙の表面を撫でると、一人の男の顔が浮かび上がった。


 ちょうどその時、女性衛兵が紙とインクを持って戻ってきた。


「あれ? 持ってたの?」


「すみません、鞄の中にあったのを忘れていました」


「そっか」


 私は描き終えた紙を彼女に手渡した。


「あ~……影渡りのジャックか~」


 どうやら心当たりがあるようだった。


「知ってるんですか?」


「うん、メレス王国の方で騒がれていた殺人鬼なんだけどね。そっか、向こうでの話を聞かなくなったと思ったら、こっちに来てたのか~」


「そうなんだ……」


 精霊たちなら、なんとかできないのかな?


「とりあえず、ありがとうね。あなたはもう帰っていいよ」


「あっ、はい」


 私は、死体を検分している衛兵たちの横を抜け、自宅へと戻っていった。


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