第78話 闇の子
自宅に戻りシャワーを浴びながら。
「4人でジャックって捕まえられないの?」
『難しいですね、彼のスキルは影渡りなんですが、影の中に入ると私らでは追えないんですよ』
『だな、影は闇の奴らの領域だからな』
「闇の子ってあまり見ないよね」
あまりと言うより、見た覚えがない。
『ぇ、そこら中におるやん』
「ぇ?」
『夜ならいっぱい居ますよ、ただ暗い所に居るので目立たないんですけどね』
『ちょっとまってろ、さっき闇の中位の奴をみたから連れてきてやる』
そういうとグレンは浴室の外に出て行った。
シャワーを終えて寝室まで戻ってくると、グレンと黒い光の球が待っていた。
『連れてきたぞ』
「なんか、ごめんね」
私がそう言うと、黒い光の球が左右に小刻みに揺れた。
「なんか言っているのかな?」
『“大丈夫です”じゃないのか?』
「ん?言っていること分からないの?」
『私達は自分の属性の子なら分かりますが、他属性の子はなんとなく位にしか分からないんですよ』
「あぁそうなんだ」
『あとな、うちら4人がおるからビクビクしてると思うで』
「どういうこと?」
『自分よりとてもえらい立場の人に囲まれている状態って事ですね』
あぁ、ミント、アクア、まん丸、グレンは大精霊だからか。
なんとなくプリム達生徒会の面々の前に一人でいったら萎縮する自分が想像できた。
「あぁ、そっか、急に呼んでごめんね、お願いがあるんだけど良いかな?」
黒い光の球が上下に揺れた。
イエスってことで良いのかな?
「あのね、さっきそこで事件あったよね」
再び黒い光の球が上下に揺れた。
「その犯人を追う事って出来る?」
黒い光の球が上下に揺れた。
追うことは出来るのか、既に居場所も分かっているのかな?
「もしかして、居場所も把握している?」
黒い光の球が上下に揺れた。
「これって、居場所分かっているって言っているよね」
『そのようですね、今から捕まえに行きますか?』
私としては早く横になりたい気持ちなんだけど。
「ん~、明日休みだし、明日でも良いんじゃないかな……」
『そうですね』
『なら俺が居場所だけ把握してくる、アクアの子も一緒に来るか?』
『そうですね、では上位の子を一人付けます。あとはグレンにお任せしますね』
『あぁ、それじゃあ行くぞ』
グレンが黒い光の球と一緒に窓から外に出ようとしていた。
「あっ、まって」
『ん、どうした?』
「その子に何かお礼したいんだけど、私に何か出来ることないかな?」
ふるふると左右に揺れる黒い光の球。
いらないということだろうか?
そういうわけにもいかないでしょ。
『ラミナの魔素を分けたったらいいんちゃう?』
「あぁ、それなら」
黒い光の球を掬うようにして手の上に乗せた。
「私の魔素を好きなだけ持って行って良いよ」
いままで上下か左右に揺れるだけだったが、今は手の上を円を描くように動いている。
そして次の瞬間なんとなく体内から何かが抜ける感触があった。
黒い光の球は、私の魔素を貰い満足したのか、私の手の上からグレンの横に移動した。
「それじゃあ行ってらっしゃい~」
『あぁ』
グレンはそう言うと、黒い光の球と水の子と一緒に窓から外に出て行った。
「闇の大精霊ってどこに居るの?」
『さぁ、私は分からないですね』
『うちも知らんわ』
アクアとミントは知らないのか。
「まん丸は?」
『ん~レクトーン遺跡の奥にいるよ~』
「どこそれ……」
『ミラが生まれた大陸にある遺跡ですね』
「あぁ、そうなんだ、どんな遺跡なの?」
『倭国文明の初期の頃にあったドワーフたちが住んでいた地底街ですね、崩落やら病で滅んだんですよ』
「アクアが助けた人たちより前の話だよね?」
『えぇ、私がローレライとして生まれるよりも遙か昔の話です』
「その地底遺跡に住んでいた人達が滅んでから、その大陸無人だったの?」
『そうですよ、魔物達だけになっていましたね』
「へぇ~そっか」
いつか行くことになるのかな?
そんなことを思いながら布団の中に入って目を閉じた。
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