表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】神様と呼ばれた精霊医 ~その癒しは奇跡か、祝福か~   作者: 川原 源明
第21章 世界へ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

399/411

第399話 倭国の薩摩到着!

浮遊大陸が見えなくなった一週間後、浮遊大陸から大分遠ざかり、陸地が見えてきた。


 青い海の向こうに、緑の大地が広がる。


「倭国が見えてきたね~」


 ミアンが嬉しそうに言う。


「だね~」


 私から見たら、倭国と判断する材料がないけれど、とりあえずミアンに合わせた。


『しばらくは陸沿いを航行しますよ。到着は明日の朝になります』


 アクアから私にだけ聞こえるアナウンスが入った。

 

『久しぶりやなぁ~』


『だな』


『天ぷら食べたい~』


『おまえの頭は食いもんの事しかねぇのかよ』


 グレンが呆れた声で言う。


『ええやん、うちも食べたいわぁ』


 精霊達の会話を聞きながら、ミアンと一緒に釣り糸を垂らしていた。波が穏やかに揺れる。


 ミアンと二人で数匹釣り上げ、昼食、夕食と確保し釣り具などを片付けていると。


『左前方に、一際大きな木が見えてくると思いますが、それが安曇大社のご神木になります』


 元々ミント自身だったご神木か、どんなんだろうと思いながら少しワクワクしていた。胸が高鳴る。


「ラミナ、どうしたの?」


「んとね、アクアがもうすぐ左前方に一際大きな木が見えてくるって言っていて」


「うん」


「それが安曇大社のご神木なんだって」


「ハンゾー先輩が言っていた。ミントちゃんが精霊になる前の……」


「そうそう」


 しばらくすると、明らかにおかしなサイズの大木が見えてきた。圧倒的な存在感。空を突くような高さ。


「どう見てもかなり内陸の方にあるよね……」


 手前に見えている建物と比較すると、明らかに離れた場所にありそうだった。


「そうだね、だけど、それでも大きいってのが良くわかるね」


「うん、倭国に居る間にいけるかな?」


「行ってみたいよね~」


 これから行く薩摩から安曇までどれくらいかかるのか分らないけれど、一度は行ってみたい場所だ。


 翌朝


 まだ夜が明けきらぬ時間に、薩摩に到着した。


 空が薄明るく、星がまだ残っている。


 朝早くに目が覚めたので、甲板から釣り糸を垂らしていると、町が見えているのにも関わらず、沖合で船が停まった。


「ん?どうしたの?」


『イリーナとミアンがまだ寝ていますからね、降りる準備が出来たら入港しましょうか』


「了解」


 入港して待機だとさすがに迷惑を掛ける可能性があるからかな?


 そのまま、朝食用の魚釣りを続けた。糸を垂らし、波の音を聞く。


 数時間後、皆が起き、朝食を済ませたところで、薩摩の港に入港した。



「無事到着しましたね」


 イリーナが微笑む。


「はぁ~、やっと揺れない地面だ~」


 ライラが伸びをする。


「なんか独特の香りがしますね~」


 イリーナ、ライラ、ミアンと下船していく、私は木製人形や、まん丸が纏っていたミスリル粒子なんかを片付けてから薩摩に降り立った。

 

 ミアンの言うとおり、港町独特の匂いがあるが、それ以外にも変わった香りが漂っていた。潮風に混じる、甘く香ばしい匂い。


「何のにおいだろ?」


「おそらく魚を燻っている香りだと思いますよ」


「と言うことは、なんかの料理ですか?」


「えぇ、美味しいんですよ、とりあえず、薩摩薬理学研究所に向かいましょうか」


 町の中を歩いていると、これまでのどの町とも建築様式が異なっていた。木造の家々、瓦屋根、独特の雰囲気。


「なんか変わった家ですね」


 周囲を見渡す。


「そうですね、薩摩にかかわらず倭国は湿度が高い傾向があるので、木造建築が主流ですね、あとは床下にも風の通り道があったりと、これまでの場所とは全然違う建築様式なんですよ」


 私が尋ねると、イリーナが丁寧に答えてくれた。


「へぇ、着ている服も全然違うのも?」


「えぇ、気候や文化による物ですね」


「はぁ」


 ハンゾーが身につけていた服と同じような物を着ている人も多く見られた。色とりどりの着物、帯。


 町の外に出ると、ピンク色の綺麗な花を纏った木々が並んでいた。淡い桃色が、風に揺れる。


「綺麗~」


 思わず声が出る。


「だね~」


 ミアンも見とれている。


「この国の象徴と言われる桜って花なんですよ」


「へぇ~」


 町を囲うように桜が配置されさらに外側に城壁が囲い、城壁の外側には川が流れていた。水が、キラキラと光る。


 気づけば町の外に出ていた。


「町中にないんですか?」


「えぇ、でも直ぐですよ」


 薩摩の町見える所に、大きな柵に囲まれた大きな施設があった。立派な門、広い敷地。


「ここが?」


「えぇ、薩摩薬理学研究所、そして倭国国立アカデミーになります」


「アカデミーって、グリーサのアカデミーと関係が?」


「姉妹校ですから」


「へぇ~」


 ファラが言っていた。ミラの働いている場所……。中に居るのだろうか?胸が高鳴る。


「ってか、研究所って孤児院の場所じゃ無かったっけ?」


『せやで、もともとはここにあったんや』


「規模はそんなに大きくなかったんだよね?」


『元々はこんなに大きくはありませんよ、武蔵がルマーンから帰宅してから、この地にアカデミーを作り始めたんです』


「はぁ……」


 薩摩のアカデミーの由来ってそういう事だったんだ。納得する。


「ラミナさん、入ってもいいですか?」


「あっ、すいません、大丈夫です」


「じゃあ、行きましょう」


 薩摩薬理学研究所、そして倭国国立アカデミーの敷地に入った。


 門をくぐると、桜並木が続く。


 花びらが、風に舞う。


 美しい光景に、息を呑む。


 新しい場所、新しい出会い。


 倭国での、新しい冒険が始まる。


 期待を胸に、私は歩き出した。


読んでくれてありがとうございます!


「面白い!」「続きが気になる!」「応援したい!」と思っていただけたら、

作品ページ上部の【☆評価】【ブックマーク】、そして【リアクション】ボタンをポチッと押していただけるととても励みになります!


みなさんの応援が、次回更新の原動力になります。

引き続きよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ