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明日も葵の風が吹く  作者: 有坂総一郎
全ては鉄がなければどうにもならない

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Another View 三井高利4

明和6年11月3日 江戸 日本橋 越後屋


株仲間の設立を田沼様が主導されて幕府公認で奨励されると布告があった。


先の三池炭鉱の一件で便宜を図っていただいたわけだが、今度は江戸の大店衆がそれぞれ株仲間を作り、販売権の独占や優先権を得ることで既得権益の確保と市場の確保をすることになったわけだ。


その代わり、幕府への冥加金上納が増えるのだが、商いが拡大すればその分の負担は然程の問題とはならないだろう。


有坂民部様という商売敵が物流を変えてしまい、江戸市中を相手としていた今までの商圏が大名貸等といったものではなくとも関東全体にに拡大しつつあるのだから、冥加金をいくら積んでもその分を儲けることが出来る。


それどころか、廻船問屋などは有坂海運の高速定期運行のお陰で事実上再編され、より安く品を運ぶことが出来るようになってしまった。それも、大量に運ばれることで江戸市中には物が溢れ、それを関東諸藩に売りさばくことで薄利多売による新興の商家が成長しているとも聞く。


昨今では江戸の景気の良さに釣られ東北諸藩から人口流入も起きているそうだ。東北諸藩では冷害が多い昨今では仕方がないことだろう。


さて、幕府に対しては今まで通りの商いをすれば良いわけだが、長州藩は臥薪嘗胆と幕府への対抗を表に出していないが、今後も陰日向に煽っていこう。今回ばかりは焦って墓穴を掘った感があるが、次はもっとうまくやることだろう。ただ、火種は他にも必要だ。狙いをどこに定めるか・・・。

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