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明日も葵の風が吹く  作者: 有坂総一郎
全ては鉄がなければどうにもならない

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鉄道事業1

明和6年8月21日 江戸 新橋 有坂民部邸


あれから2ヶ月が過ぎた。その間、利益を増やすべく色々とテコ入れをしてみた。主要駅に駅蕎麦を設置し江戸中の立ち食い蕎麦屋に営業権を競争入札で与えて運賃外収入を増やし、人力車を配置し沿線地域の移動手段として運用し運賃収入を増やすなどやってみた。


駅蕎麦が思いの外、好成績だったことから今度は立ち食い寿司屋に営業権を競争入札で与えてみたところ、これもまた当たりであった。さすが世界最大のファーストフード都市だっただけはある。


ならばと思い、日本的鉄道経営の基本と言われる阪急の小林一三を見習うこととした。幕府に掛け合い、浄瑠璃、歌舞伎の芝居小屋を品川に誘致し、京や大坂から招聘し古今東西の浄瑠璃、歌舞伎を上演させることとした。そう、宝塚の真似だ。


この時代、浄瑠璃が流行っているから芝居小屋を運営すれば儲かるのはわかりきった答えである。それも他勢力の介入を抑えるため、鉄道付属地の概念を用いることとした。そう、満鉄のアレである。鉄道付属地は治外法権。例え幕府の官僚機構であっても介入は出来ない。寺社奉行やら町奉行が五月蝿いからそれへの対抗措置である。


芝居は交互に行うこととして客の奪い合いをしないように配慮し、それに合わせたダイヤを編成し大量輸送を行う。それと合わせて品川に歓楽街、料理屋街を構築し、いわゆるパンとサーカスを提供するわけだ。


これらを順次実施した結果、乗客が輸送力を上回るようになったのは問題であったが、当面は鉄道馬車の増発と増産で対応している。なにせまだ蒸気機関車は3両しか揃っていないし、性能が安定していないことで休車することも多い。そのため貨物列車に充てている。旅客列車にはまだ使えない。


そんなこんなで2ヶ月間色々と忙しく動いていたわけだが、その甲斐もあってテコ入れは成功し、運賃外収入と運賃収入の両面ともに増収増益となった。


もっとも、思いの外、出費も多かったせいで本来の目的である鉄道建設に必要な内部留保を増やすことは達成できていないが、年内には目標額は達成できる見込みだ。


「幸太郎、川越藩に行って、トロッコ鉄道の建設指導をして来てくれ。」


「馬車鉄道ではなく、トロッコ鉄道ですか?」


「そうだ、鉱山用の資源運搬用だ。秩父鉄山の坑道に設置して効率よく鉄鉱石を運搬させるために使う。」


「そうなると、坑道の拡幅が必要になると思いますが・・・。」


「それも含めて指導してくるんだよ。今まで通りの採掘と運搬では駄目だ。それを改めて示すのだよ。ついでに量産試作ホッパー車をもって行って活用して欲しい。」


「わかりました。では、早速行ってまいります。」


「気をつけてな。」


幸太郎もここ数ヶ月で私、結奈、源ちゃんからの指導で現代の知識をある程度身に付けてくれたことで、副官として、代理として業務をこなせるようになった。


川越藩のことをほったらかしにしていたからそろそろ動かないといけないタイミングだろうと考え、秩父鉄山にまずはトロッコ鉄道を建設し、途中から荒川の水運と組み合わせて鉄鉱石輸送を進めることにした。丁度折りよく、ホッパー車が完成したのでそれを実用化させるためでもある。ホッパー車なら荷降ろしが楽だしね。底を開けばズサーッと落ちてくれる。


これが上手く行けば小倉藩の炭鉱鉄道にも使えるし、とても便利になる。

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