第10話
親ドルりにゅ~あるから来てくださった方、すいません。
親ドルりにゅ~あるの更新後、執筆してたら調子悪くなって。
熱出てきたので更新できませんでした。
1人での運転中。私、佐々木芽衣はさっきまでのことを思い出していた。
「受け継ぐ、かぁ。……でもね、ただ悪魔をやればいいってわけでもないんだよ?」
従姉妹の家を出る前に見た、向かいの家。
真っ暗で、静かで、誰もいない家。でも愛しかった家。
それがちらりと頭をよぎる。
「もしさ、今のあの子たちを見たらキミは何て言うのかな?」
遠く離れてしまったあの人を思い浮かべる。
私にとっての始まりはあなたで。
きっとあの子たちにとっての始まりもあなたで。
近くにいたら、きっと喜んで、現場の最前列で兄貴面して、妹可愛いって言ってたんだろうか。
もしかしたら運営やってたかもね。
デビューして少し経って、頼んだオリジナル曲。
初めての作詞。じゃあどうするか。
狂気が求む比翼連理をカバーして、メイリーとしての愛は表現した。
じゃあ、次は私の恋を。
彼との思い出を物語として紡いで、歌にしよう。
いつか、もし戻ってきてくれた時に聞いてもらえるように。
気付いてもらえるように。そう思ったんだけどね。
「結局全然別物になったし、使わなかったもんなぁ」
歌としては1番好きだ。初作詞で1番好きな歌詞だ。
かなりゆっくりとしたテンポ。そしてお母さんたちが子供のころのアニメの曲。
それを参考にした構成でお願いした。
Aメロ、Bメロ、Cメロ(サビ)、Dメロを組み合わせるもんだと思ってた。
そうじゃなかった。
Aメロ、Bメロ、ときて、A’メロとでもいえばいいだろうか。
前半部分はAメロなんだけど、後半部分の音が違って転調してる。
そんな組み合わせ。
思いの丈を詰め込んだ詞にそんな感じで曲をつけたら……。
気付いた。こんなに綺麗な物語じゃない。
さらに……、使いどころだいぶ限られてくるじゃん、って。
慌てて作曲家さんに色々調整してもらって、変化球くらいのものに仕立て直したんだけど。
それでもいつかありのままを歌いたいって思って、……最後の最後かぁ。
「ねぇ、今何してるの? 元気? また自分傷付けてない? 100%ホントのキミで笑えてる?」
彼を想って、呟く。彼に届くはずないのに。
それでもこぼれてしまった言葉。
「私ね、たぶんきっと夢叶えたよ。だからね、キミがしてくれたみたいに私も誰かの力になりたいって思えた」
夢を持ってる子に、なにかちょっとでもきっかけが作れたらいいな。
まだぼんやりとだけどそう思えた。
これから就職だし、それが形になるのはもうちょっと先になるけど。
もしかしたらやらないかもだけど。うん、燃え尽きてるから結局やらないかも。
あ~、でもあの子はなるべくちゃんと見ないとなぁ。
変な方向に行かないように。受け継いで、なんて言ったけど。
「私のステージに懸けた想いだけ、理解してくれたらそれでいいんだよね」
メイリー・シャイタンはもう終わったから。
なんとかシャイタン、ってたぶん最初は名乗ると思うんだよね。
でも、その先。自分自身を見つけて、やりたいようにやればいいと思う。
「そうじゃなきゃ面白くないもんね~」
まだちょっとかかる実家への道のり。
私はあの日から今までを思い返していた。
突然の別れ。それは彼と私同時に起きて。
彼は彼の事情で、私は私の事情でそれぞれその時にいた高校を去った。
通信制高校に転入した私は、週に2回学校へ行って授業を受ける。
そこで出会ったのが親友の宮藤夏菜。
何もわからなかった私に色々教えてくれて、学校になじめるようになったのもかなのおかげ。
話していくうちに、かなもアイドルになりたかったらしく、そこで私は内緒にしてたメイリーの設定を見せた。
「すごい! わたしもこういうのやりたい!!」
設定を見た、かなの第1声。
その言葉に私は胸がいっぱいになる。
「私たち、受験あるからさ。今年からステージに立ってもすぐやめなきゃいけないと思うんだ。だからさ、受験勉強しながらダンスとかも練習して、大学入ったらやろうよアイドル。衣装とかも来年の春までに揃えたらいいって思ったら気が楽じゃない?」
かなのその言葉で私のスイッチも入った。
そうだね、いつかステージとフロアで再会するのもいいかも。
その時私は、彼はどんな顔をしてお互いを見つめるんだろう。
「うん、いいよ。やろう!」
次回で一応親ドルりにゅ~ある完結までお休みをいただきますが。
もしかしたら夏菜ちゃんのモノローグも書いてお休みになるかも……。




