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君と剣と魔法を紡ぐ物語〜私達がお尋ね者っ!?〜  作者: 高見 燈
第6章 イシュタリアの闇
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第34話 闇魔界ヘルスレイム

 “闇皇帝ルシエド”が居るって言う地底の世界に私達は潜入した……。

 (や?完全にバレてるみたいだし既に待ってるってハナシなんで潜入ではないか。凸ですね、うん。)

 そして此処は“闇魔界ヘルスレイム”と言うらしい。此処にその闇皇帝とやらは居るらしいのだ。

 (だけど……。)

私は碧風の神獣アトモーネスと降りて来た道筋を見上げた……、と言ってもかなり降下して来たみたいで大地の神獣タイラント、その御兄妹達である八岐大蛇みたいな8頭の大蛇“地竜”達が開けた穴も見えなかった。

 穴開けてくれたから空洞になってるけど外の世界の光すら拝めない。正に穴倉に潜った事になる。

 (穴ぐらに潜るってなん??私らはモグラか??)

何時もの様に単独ノリツッコミをしたのだけど……気分が晴れない……、そう。私にはどうしても気になる事がある。と言うか……ずっと引っ掛かってる……胸の中でモヤモヤしてて……。

 (………シロくん………。)

穴すら見えない空洞の先に居る……シロくんが気になって仕方なかった。置いて来てしまったのは私なのに後悔しかなかった。 

 (やっぱり……ちゃんと最後まで傍に居れば良かった……、あの爆弾どうしたのかな?禁呪って言う魔法を使えるからその対処法も当然知ってる様な感じだったし……でも……どうなの?そもそもあんな使ったら爆破されます、お覚悟。みたいな時限式魔法とかどーなの??でも……それをシロくんにあげたのは……大魔導士ゼクセン……、つまり“黒崎さん”なんだよね?)

 またもや湧き上がる……先の見えない不安みたいな……仄暗い気分になる。

 (私の知識力が現実世界の本とかマンガとか映画だから、しかも何か肯定的でキラッキラしてるモノしか観て来なかったから、、、そもそも魔法ってのは人助け出来る魔訶不思議な力って認識しかないんだけど……。そんな知識力で来ちゃったモンで……コッチで現実見せられると戸惑いしかない。)

 私は気落ちしてた……、もう滅入ってた。気分が底抜けずがーんと落ちまくってた。

 (シロくんの生命奪う爆発まで後何分…なんてあんな衝撃的なカウントダウンされて……結構リアルに引いたんだよね、、、魔法に関するボヤっとした……憧れ?って言うの?使えたらすげーみたいなそんな気持ち木っ端微塵ですわ。恐ろしくてしゃあなし。)

 はぁぁ。私は上空見上げてたけど項垂れてた、、、。いつの間にか。

 (……だけど……私は魔法使いなんだよね、ロッド持って魔法使えるんだから。そしてシロくんも……。どうしよ……やっぱり戻った方がいいよね?何か考えてるうちにむっちゃ不安になってきた。)

 アレコレ考えていると私は滅入り……ふと、タイラントと話をしてる飛翠(ひすい)に目を向けてた。そして……私は彼に声を掛けていた。

 「飛翠、シロくん大丈夫かな?」

 「あ?何が?」

即答で……飛翠は振り向きそう言った。相変わらずの睨みつける様な眼ヂカラの強さに私はちょっと怯んでいた。

 「だから……爆弾どうしたのかな?って。」

飛翠は直ぐに横に居るタイラントを見上げて言う、悪い。と。いや?と、黄土色の身体した鬼は軽く頷いてた。

 飛翠は私の傍に歩み寄りながら言う。

 「何をオチてんだ?お前は。」

 彼は私よりむっちゃ背も高くてガタイも良くて……しかも右肩に大剣担ぎながら歩いて来るのを見てると本当に同じ世界に居た人なのかと疑ってしまう、、、。同じ高校に通ってアッチコッチから女子に声掛けられて無茶苦茶モテメンやってたあの頃……、最早同じ人間とは思えない。それ程にこのイシュタリアに染まって逞しくなってしまった。こんな姿を見たら私の親友だった娘もドン引きするかも。

 でも逞しくなったのは身体だけじゃなくて、、、メンタル面もだ。私はずっとこの人に助けて貰ってる。あの頃以上に。でも、私にとっては彼しか頼れないし言えない……困惑したこの感情の捌け口にしてしまって申し訳ないけど……だって、同じ世界に居た人だから。

 「オチるよ、それは。だって私……シロくん見捨てた……。」

私は言ってから飛翠から目を反らして俯いてた、なんか真っ直ぐ見れなった。

 でも、飛翠は私の前に立っていた。

ドカっと、地面に大剣が突き刺さる気配がした。はっ。として頭上げると目の前で腕組する飛翠が居た。

 「ごめん……だって……私の所為でシロくんは禁呪とか言うおっかない魔法使ったんだし……、それをちゃんと支えなかった事にむっちゃ後悔しかなくて……。」

 その顔が……その強い眼ヂカラが……無言が恐くて……私は懺悔みたいに言いつつ目を伏せていた。あのな。と、ちょっと飛翠にしては珍しく控え目な声が返って来た。 

 「シロはお前のペットじゃねーの、解る?」

何時もの低い声だけどその口調は何か優しくて私は、え?と、顔を上げた。でも飛翠のライトブラウンの瞳した眼はとっても険しく鋭く……睨みつけられていた。うっ。と、そのおっかないガン付けに怯んでしまって目を反らそうとしたんだけど、、、優しい口調で言われた。

 「お前もシロも過保護すぎんだよ、お互いに。いーか?シロは“ゼクセン”って言う大魔導士に憧れてたんだよな?で、アイツはその大魔導士❨今はもー居ねぇが。❩目指してる男、つまりお前の上に行こうとしてんだよ。」

 「え??」

私は率直に聞き返していた、飛翠は私を真っ直ぐと見据えて言った。

 「あ?お前も目指してんの?ゼクセン……よーは、大魔導士。」

 「えっ!?や?それは目指してない。だって私、そんなこと考えたことないモン!」

私は即答だった、

 (大魔導士ゼクセンを目指す??いやいや、ムリっしょ。つか、そもそも“大魔導士”って何よ?それすら解ってねーのよ私は。)

 そう思ってると飛翠は更に言った、今度は少し強い口調だった。

 「だったらシロを信じてアイツの強さに賭ける事も必要じゃねーの?つか、強くなんなきゃしゃーなし。アイツが目指すモンは恐らくえげねーのよ。この世界の“秩序の大魔導士”言われてたんだからな、俺らからしたら古書店の店主“黒崎のジジィ”だったが、この世界では“絶対的存在”だったんだろーよ。」

 「あ………。」

 私はそれを聞いて何か……モヤついていたものが少しだけ晴れた気がした。なんか暗い靄掛かった視界が少し捌けた様に感じた。でも、飛翠は言う。

 「それを隣で見てやるのがお前で、必要な時に支えて寄り添ってやればいいだけ。過度の干渉はいらねー、お前は距離感間違ってんだよ、フツーに応援してやれや。同じ魔法使う者同士お前にしか解かんねぇ事もあんだろーし、それはお互い様。シロがお前の救いなのは良く解る、が、邪魔すんな。お前が過干渉するとアイツは潰れる。」

 「えっ!?」

私は……とてもとてもショックで……ちょっと足元震えた……、だから黄金のロッドを握りしめてた、地に突いてるから支えになった。

 「つ………潰れる……?わ……私がシロくんを邪魔してるの……?」

言葉が震えていた……、ドキドキしてた……自分の心臓が激しく波打ってた……。でも、飛翠の強い眼差しも変わらなかった。私を真っ直ぐ見てちょっとイラついた表情してた。そして彼は言う。

 「解んねーの?お前の為に“夢、思想、理想”……全部捨てて生命まで壊そうとしてんじゃねーか、“お前を護る為に”。」

 !!

もう……何も言えなかった………。

 私は………。

 (ああ………。)

私は項垂れた………。

 (ようやく何か……私が“悪いこと”が解った瞬間で……、そして飛翠は教えてくれた……、嫌な奴になったとしても……敢えて強く伝えてくれた……。言われなきゃ解らないバカな私だから。)

 飛翠に嫌な役をやらせてしまって……私がもうどうしようもない大馬鹿者だとこの時……再認識した。

 「………ごめんなさい………。」

出て来たのはその言葉だったんだけど……、阿呆。と、飛翠は言う。

 「お前はバカ過ぎんだよ、相手の気持ち、感情、立ち位置まで深く考えようとする、それを理解しても受止めらんねーのにやろうとするからウゼー。で、結果そーやって自滅する。」

 うぅっ……………。

私は言葉が出なくて……押し黙るしかなかった。

 (………ご尤もです………。)

はぁ。と、飛翠から溜息が聞こえた。そして彼は右手で地面に突き刺した黄金に輝く大剣……聖戦士の剣(セイントクラージュ)をブっこ抜いた……畑の大根みたいに。んで……右肩に担いで言った。

 「で?昇華したよな?お前の蟠り、オチてた理由。まだ何かあんなら論破すっけど?」

 「う……、や?御座いません。」

私は頷いた。そう言うしかなかった、何故なら私の激弱メンタルはもうゼロ%だから。

 あっそー。と、飛翠は頷いた。

 「じゃー本題。さっきタイ❨大地の神獣タイラント❩に聞いたが、これから沸いて来んのは正真正銘の“ヘルスレイムの門番達”。で、ヘルスレイムの“闇皇帝ルシエド”が居る“地底の玉座”は最下層。ココより更に下……最深部、つまり?今、俺らが居るのは第1層で深部に潜れば潜る程、門番達の力もエグくなる。理解した?」

 と、、、彼はこの期に及んで恐ろしい事を言い放った。ビビリの私を煽るよーに。

 「はいぃぃ!?聞いてないっ!思ってたんとちがぁ〜うっ!」

私は頭を抱えてしまったよ、、、トホホですよ、、姉さんっ!

 「あ?まだハナシ途中。で、さっき俺らが戦ってた地上の連中は“見張り”なんだと。なんで、あのゴーレム、黒い騎士達は“操り人形”、地底には闇皇帝の力で産まれたゴーレム、黒騎士達がまだ居るらしく層を降りて行けば行く程に強くなるらしい。意味解る?魔法使いの蒼華ちゃん。」

 バカにされた感はしたが、それよりも!もーちょっと理解が……。

 「えっ!?何?待って!ダンジョンみたいな感じになってんの!?歩くとエンカウント!地面からもダメージ受ける感じ!?」

 私は頭を抱えながら言ったが、飛翠は、あ?と、呆れた様な顔をした。

 「それは知らねーし、悪いが俺はお前の好きなファンタジー系に興味がねーからやった事ねぇ。」

 と、、、モロ真顔で言われて私は、あ。と頷いた。

 「だった、、、飛翠ってレーシング系しかやんないモンね?」

そう、この御方はゲーセン行ってもレーシング系のゲームばっかで、ガチ武闘派なのに格闘アクションゲームとか、パンチングマシンとかも絶対やんなかったんだよね、1回やらせたら“ストレス溜まる“ってブチ切れてたし。私は好きなんだけど。どっちも。

 「まーそのハナシはくだんねぇから流すが、いーか?お前はそのロッド持って先を見据えろ、魔法使って最下層に鎮座してるクソ皇帝をブチ殺すことだけ考えろ。解ったな?」

 物凄く強い言霊だった……、私は……

 「う……うん、解った。」

そう応えていた。飛翠は私を見て言う。

 「じゃ、解散。」

 「は??」

私は解散言われて驚いて聞き返すと、飛翠は言った。

 「俺らはタイの長兄“ハルディン“……、❨長げぇから❩“ハル”と地中から下層を破壊しつつ最深部目指す。目の前に出て来る奴等を消しながら。蒼華、お前は分離した“長女テトラ”達を連れて囮の如く真向から最下層に突き進め。」

 「は??囮??」

 私が聞き返すと飛翠は、フッと笑った。

 「安心しろ、タイがお前に付く、奴等兄妹は“以心伝心”出来るんだと。つまり、テレパシーってやつか?脳内で会話伝受出来るらしい。なんで、俺らの位置情報、お前らの状況は即座に伝わって来る。」

 「え?何その高性能GPSみたいなの。」

 だよな?と、飛翠は私を見てちょっとだけ笑った。けど、直ぐに何か意地悪い顔をして言った。

 「なん?俺と離れたくねーの?ちゅーしてやろうか?」

 「は!?フザけんなっ!!」

私は余りにもこの流れからどう考えても有り得ない言葉を吐かれて、ムッカ!と来た。なのでそう怒鳴ったんだけど、飛翠は、くはっ。と、頭を上げながら笑った。あっはっは。と。

 「ガキだな?反応が。」

 「うっせぇ!お前は1回死んで来いっ!!」

私がそう怒鳴ると飛翠は、ふはは。と、笑う。

 「俺が死んだらお前泣くよな?それも大号泣。」

バカにした様に笑う飛翠に私はムッとしたけど………、言った。

 「うん、泣くよ、大号泣じゃおさまんねーわ、だから死なないで。」

 それは……本心であり離れる事……それが不安でしかなくて……、傍に居なくなる事が恐くて仕方なかったからだった。 

 「…………。」

飛翠は、あー……と、頭を軽く掻きながら言う。

 「死ぬかよ、お前とヤるまでは。」

 んん??と、、、私は首を傾げたんだけど……。

 「ヤ……ヤるってなに??」

直球で聞いていた。が、飛翠は……フッと笑った。なんか大人びた笑みだった………。

 「1つしかねーわ、ま、俺は死なねぇ。つか、シロとネフェルが来るまではココにいろ。いーな?」

 飛翠は言うと……黄金の大剣を持ったまま私に背を向けタイラントの方に歩いて行ってしまった、、、颯爽と。

 (飛翠……お願い……、居なくならないで……。)

 私はその大きな背中を見て思っていた……、いや……願い……祈っていた。

 

 が……アトモーネスが私の目の前に立った。大きな碧の両翼を軽く羽ばたかせながら言った。

 

 「決まったか?互いのルートは。」

 「え?」

 私が聞き返すとアトモーネスは羽を纏めながら飛翠に頭を向けた。タイラントと話す彼を。

 「違える道筋……それを選んだ飛翠に感謝するのだな?救世主。」

 「え?どーゆうこと?」

私が聞き返すとアトモーネスは、ん?と、私を見て言う。

 「ああ、まだお主には“危険察知能力”が弱いのだな、、、飛翠が辿る道は、地中に眠る魔物、それも闇皇帝ルシエドに囚われ支配されし者達が這い出る道……、それらは外敵を認識すると襲い殺されてもマスタールシエド……つまり闇皇帝ルシエドの力で復活し、、飛翠、地竜達は闇の強者、繰り返して襲う闇者を相手にし殺して行かねばならぬ難の道……、。」

その言葉だけでも驚いたけど……此処でアトモーネスは途轍もなく驚く発言をしたーー。大きな碧のトサカ……キラキラした羽根を垂れ下げながら。

 「禁呪の使い手シロが居れば難なく進めたものを……。」 

 「…………!」

私は………………もう……………何も言えなくなってしまった………。何かを喪失する前の様な気がして………。


でも……聞こえた。

「蒼華姉様っ!!」

その声は……!振り向くでもなく……私はその声の主を知っていて……いや……嬉しくなっていた。

「シロくんっ!」

声のした頭上を見上げて私は叫んでいたんだーー。





    

   

   

 

  

 

     

  

 

    

 

  

 

 

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