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欠けた満月  作者: 平ミノル
9/9

終 話 救済はなく、運命の扉がまた開かれる



私の名前は望月ルナ。


望月という名前の通り、私は丸顔なの。それが少しコンプレックスで、髪の毛で両頬を隠すようにしている。小顔効果ね。


私は親の都合で、遠くから引っ越してきた。


朝、職員室に向かうと、担任の先生が教室に連れて行ってくれた。


どんなクラスメイトがいるんだろう。


私はドキドキしながら、先生の背中を追った。


このクラスに馴染めるかしら。


私は不安だった。


カッコいい男の子、いるといいな。


期待にドキドキした。


そして、運命の扉がついに開かれた。

引き戸だけど(笑)


先生がガラガラッと引き戸を開けて、教室の中へ入った。私は先生の後を追って、教壇の脇に立った。先生は黒板に私の名前を書いた。


「えー、今日から君たちのクラスメイトになる望月さんだ。みんな仲良くしてやってくれ」


先生は教室を見渡した。


「そうだな……望月、とりあえず十六夜の隣に座ってくれ」


「十六夜君……?」


私は教室を見回した。すると、後ろの方の席で手が上がった。


「君の席、ここだよ」


私は十六夜君と目が合った。彼はニコリと微笑んだ。


うわっ。


めっちゃタイプ。


転校早々、こんなイケメンの隣の席なんて!


私は少しドキドキしながら、彼の横の席に腰を下ろした。


「よ、よろしく、十六夜君」


私は十六夜君の顔をチラ見した。背が高くて、がっしりとしていて、それでいてスリム。顔もすごく整っている。


「俺の教科書を見てもいいよ……ほら、机、寄せるね」


「ああ、うん、ありがとう」


私は感激した。


優しいっ!


イケメンに優しくされた!


「て、手伝うわ」


私が机を寄せると、彼は教科書を二人の真ん中に立ててくれた。教科書の反対側の端を十六夜君が持っている。


それだけで、なんだか赤い糸で結ばれているような気がした。


それに——近い!


思ったより彼が近くにいる。時折、肩が私の腕に当たる。


私は恥ずかしくなって、視線を窓の外に逃がした。


その時、ふとどこかで、桃の香りがした気がした。


「あれ?」


「どうしたの?」


振り返ると、十六夜君が微笑んでいる。


「気のせいかな……十六夜君からいい匂いがする。柔軟剤の香り?」


すると十六夜君は、クンクンと自分のシャツの匂いを嗅ぎ始めた。


「えーっ、マジ? 俺って汗臭いかな?」


「ごめんなさい、そんなんじゃないの! なんか桃の匂い? 甘くて、いい香りなの」


「桃の匂い?」


十六夜君はそう言うと、私の顔をじっと見てくる。すごい目力だった。


私は顔を真っ赤にした。


「い、十六夜君……どうしたの?」


すると彼は、一転して笑顔になった。


「いや、見つめちゃってごめん」


彼はそう言うと、恥ずかしそうに微笑んだ。


「なんだか君……殻が割れそうだと思ってね」




終わり

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