09 RPG その3
☆09 RPG その3 ☆
女子部員に囲まれてRPG、まさにハーレム!
なんて考えている場合じゃない、ゲームを始めよう。
ゲームを始めると、村長の前に4人、
僕達のパーティーがそろっている所からスタートだった。
『クウヤよ! お前は竜族の血を引いている。
長であるワシが勇者に選んだ!』
「な! なんだってー!」
「空也君、演技が大げさすぎない?」
「空也は、ちょっと黙ってて」
「わりとありそうな話です」
「みんなひでー、俺だけロールプレイしてバカみたいじゃないか」
「空也君、もうちょっとテンション落としてね」
『このカノン国の先代王は、ワシだったのじゃが、
大臣と将軍のクーデターにより、争いを好まないワシは
この辺境まで逃げてきたのじゃ。
しかし、このままでは世界の危機に勇者となると言われる
竜族の血が途絶えてしまう。
そこで孫のクウヤに命ずる! この国の王に合い
悪い王のようなら王座を奪還してまいれ』
「たった4人でって無茶じゃないでしょうか?」
「もう少し話してみて、空也君!」
「ファイナルドラゴンって自分達の事だったの?」
「そうだと思います」
僕はもう一度、長老に話かける。
『言い忘れておったが、残った竜族の血筋は、
この村の4血族と、王国の大臣と将軍で2つの
合計6つの血統が残っておる。
王国が良い統治を行なっているなら、
仲良くするのもありじゃ!』
「この爺さん、肝心な事言い忘れてね?」
「これは、玉の輿という展開もあるのかしら?」
「そこまで自由度高くないんじゃ、ファミコンですよ! 先輩!」
「思ってたのと、だいぶ違うみたいです」
村長の家を出ていこうとした時、
村長の家の宝箱を開けて餞別をもって行けと言われた。
宝箱を開けると、中身は、ひのきのぼうと
おなべのふた、やくそう数個、ステテコパンツだった。
「質素な餞別だなー。 伝説の剣くらいくれよ」
「刀はないのかしら?」
「伝説の剣なんて初めからもらったらバランス崩れちゃうでしょ」
「おなべのふた? すててこぱんつ?」
詩羽先輩の発言を受けて、各家のツボやタンスも
漁る事にした。
ウタハの家の宝箱からは、初期装備としては貴重なカタナが出てきた。
他には、やくそう、ぬののしたぎ、数ゴールドが出てきた。
「やりましたね! 詩羽先輩! カタナが出ましたよ」
「そうね。 初期にはありがたい装備だけど……」
「ぬののしたぎって何よ!」
「他人の家を漁って盗むのは良くないと思います!」
「そうね。 今回の遊び方はロールプレイだし、できるだけ悪事を働くのは
やめましょう! 空也君わかった?」
「わかりました。 クリアできればいいけど、多分大丈夫でしょう」
「攻略の時短になるかもしれないしね。 いちいちツボ割ったり
めんどうなのよ!」
「ふぇー、本当はそんな事をするゲームなんですかー」
ウタハにカタナ、ぬののふくを装備させ、
クウヤには、ひのきのぼう、ステテコパンツを装備、
ルホルホには、おなべのふた、ぬののしたぎを装備、
マレイには、ぬののしたぎを装備させた。
「それじゃあ、村の周辺でちょっとレベル上げしてから探索に
しますか?」
「そうね」
「いいんじゃない」
「おまかせします」
僕達パーティーは、初戦闘へと向かう。
つづく。