14 RPG その7
☆14 RPG その7 ☆
僕達パーティーは、マオと一緒に王都へと向かう。
門番と話すマオ。
マオの顔が効くのか、簡単に通してくれた。
王都は、活気にあふれていて、色々なものが売られている。
街に入ってすぐに、何者かにぶつかられた。
マオが気付いて振り返る。
パーティーのゴールドがゼロになっている。
マオ『スリよ! 捕まえてくる!』
マオは、前にスリットが入ったロングドレスの裾を持ち上げ、
走り出す。
マオの着ているズロースが露になる。
それは、桜の花びら模様のズロースだった。
クウヤは、ズロースに目をうばわれている。
マオは、スリを捕まえると番兵に引き渡した。
マオ『はい、すられたゴールドよ。 次からは気をつけてね!
用事があるのでここでお別れね。 また会えるのを
楽しみにしているわ!」
僕達のパーティーのゴールドが元に戻る。
マオとは、パーティーが別れた。
スリ『俺はスリじゃない。 あいつらから取り返しただけだ!』
「なに?! どこまで続くんだこのイベント!」
「これは、また捕まるパターンね!」
「マオとは別れたけど、また会う予感しかしないでござる」
「ズロースって何ですか?」
「女性用のゆったりした下着らしい」
「へー、よく知ってるじゃない」
「ござるござる」
そんなこんな言っている間に、
僕達のパーティーは、番兵に捕まっ牢屋で一晩すごす事になった。
「これから、どう抜け出すんだろう?」
「冤罪で、お尋ねものになるのかしら?」
「マオのズロースの柄が気になるでござる」
「廃村の桜並木と関係があるのでしょうか?」
翌日、スリと僕達パーティーの裁判が行なわれる事になった。
裁判官は、この国の裁判官用の制服を着ているのだろうか、
フードを深くかぶっているため顔がよくわからない。
裁判官『その方ら、お互いにスリだと言っているようだが、
まだ、何か言い分がある者はいるか?』
スリ『ヘイ、あっしは盗まれたゴールドを取り返しただけで
あいつらが先に盗んだのでございます』
裁判官『その方ら、スリというのは本当か?』
⇒はい
いいえ
「どうしよう、”いいえ”にする?」
「そうねえ」
「ござるござる」
「”はい”だとどうなるんでしょう?」
僕は、”いいえ”を選択しようとしたが、
間違えて”はい”のまま決定ボタンを押してしまった。
「あっ、間違えて”はい”にしちゃった」
「何やってんのよ!」
「クウヤ君!」
「どじっこだったんですね。 先輩」
裁判官『そうヤケになる事はないわ』
裁判官は、スリの方へ近づきスカートの裾を持ち上げ
捲し上げる。
スリ『下着を見せ付けるなんて、色仕掛けでこの場を
収めようって話ですかい?』
裁判官『おうおうおう、黙って聞いてりゃ、寝ぼけたこと抜かしやがって、
昨日見事に咲いたマオさんの桜吹雪に見覚えがないとは言わせねえぜ!』
裁判官は、スカートをたくし上げ、片足を前に出し、
桜の花びら模様のズロースをスリに見せつけている。
スリ『あ、貴方が、桜吹雪のマオさん?!
恐れ入りました。 申し訳ございません。
あっしがスリをやりました……」
裁判官が、フードをはずし顔を出す。
裁判官は、昨日のマオだった。
「ええっ!」
「そんなっ!」
「マオでござったか!」
「ええええっ!」
マオ『これにて一件らくちゃく』
つづく。




