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弱くてキツイニューゲーム  作者: 竜崎 龍郎
第一章 迷いの森編
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第一章幕間 ある後輩の恋


突然ですけど、私には好きな人がいます。

本当に突然ですいません。でも、私はその人のことが本当に大好きなんですよ。四六時中考えるくらいね・・・・


勿体ぶってないでその人の特徴を言え?


うーん、もっと先輩への愛の気持ちを教えたかったんですけど、いいでしょう。


教えてあげましょう。私の初恋を。


その人は運動だって、勉強だって、はたまたペン回しすらできてしまう一個上の先輩です。端的に言えば、彼は完璧人間なのです。そのぐらい何でも出来ます!!


その上、彼は超絶イケメンなんです。イケメンと表す以外の表現方法が欲しいぐらい、超カッコいいんです。


でも、私が先輩を好きになった理由は、なんでも出来てイケメンだからではないんです。そんな邪な考えではありません。私はもっと純粋な気持ちで先輩のことが好きになりました。


先輩は覚えているか分からないんですけど、私、先輩と中学同じなんですよ。多分、覚えてないだろうけど泣・・・・・


その時の私ってあんまり友達いなかったんですよ。勿論、今はたくさんいますよ汗。でも、その時は本当に少なくて、話し相手すらいなかったんです。


でも、その当時から先輩の噂は聞いてました。


一個上の先輩にすごいイケメンの御曹司がいるってね。クラス中、いや学校中の女子が話題にしてました。ファンクラブだってあった記憶があります。


じゃあ、私は絶対そのファンクラブに入ってたって思いますよね?


残念ながらその予想はハズレです。


その当時、私はファンクラブに入ってませんでした。入ってるどころか、その当時の私は先輩のことは寧ろ嫌いでしたね。なんでかって、私はその当時ひねくれ陰キャだったので、先輩のことをお高くとまりやがって、くそ陽キャがって思ってました。


端的に言えば陽キャを見下していたのです。


なので、カースト最上位にいるような先輩は私の心の中では見下すべき存在だったんです。今では考えられませんね(笑)


そのくらい、その当時の私には本当に先輩に対して恋愛感情というのは微塵もありませんでした。


それが変わったのは中一の冬ぐらいですかね。


私何故か虐められるようになったんです。


最初は些細なことだったんですよ。ギャルの藤田さんが私のことを


「あんた本当に暗いよねー。深海魚の方が明るい性格なんじゃないの? 」


って言ったんですよ。それが思いの外クラスでウケちゃったみたいで、私深海魚って呼ばれるようになったんです。今考えもセンスがないあだ名ですよね? なんで性格が暗いイコール深海魚になるのか私の脳みそでは未だに理解できません。私は勿論、深海魚には似ていません!! 私は自分で言うのも恥ずかしいですが美女だと思います!! 少なくとも中の上ぐらいのルックスはあります。


まぁそれは置いていて、その当時の私は深海魚って言われてたことはあんまり気にしてなかったんです。深海魚ってワードもあんまり悪口に聞こえなかったし、何よりそれのお陰で友達いなかった私も一軍メンバーと遊んだり出来たんでね。まぁ、俗に言う金魚のフンだったんですけど・・・・


いいことずくめでは無かったんですけど、それなりに楽しい中学生活を送らせていただいていたんですよ。その時はぼっちが急にカースト上位と仲良くなるってどこのラノベだよ!! ってツッコミたくなりましたよー。そんぐらい私の環境は良い物へと変わったんです。


でも、それが変わったのがそれから何週間か経った時ですかね。段々いじりが酷くなっていったんです。


最初は


「深海魚菌がつくぞー」


とか小学生みたいなつまんない弄りだったんですよ(まだその時は中学生ですからね) でも、それが段々エスカレートしていって、物を隠したり、机に落書きしたりされましたね。財布からお金だって抜き取られたこともありました。


特に酷かったのはトイレに入ってたら、急にバケツいっぱいの水をかけられたことですね。あれは寒かったし、泣きそうになりました。その日は初めて学校を泣きながら抜け出したのを憶えています。その時の藤田さん達の笑い声が今でも耳に残っています。少しトラウマです。


ただ、その時の私も悪いのが「嫌だ」って言わなかったですよね。言わなかったってより言えなかったの方が近いんですけど・・・・・


だって、ここで嫌だなんて言ったらノリ悪いと思われて、ハブられると思ったんですよ。


この時の私、つくづく馬鹿でしたね。もうここまで来たらバブるハブられるの問題では無いって客観的に分かるはずなんですけどね。その当時は兎に角耐えればいつかは止むと思っていました。何を根拠にそんな事思ってたんでしょうか? 自分が不思議でたまりません。


ただ、そんな淡い期待も叶うことなくどんどんいじめは酷くなりました。無視は当たり前で、冤罪をかけられたこともありました(これは長くなるので割愛します)


そして、私は遂に、辛くて辛くて学校をサボりました。朝起きて親にお腹痛いって嘘をつきました。初めて親に嘘をつきましたね。親はその嘘を信じたのか学校を休ませてくれましたけど・・・・


これで気分が楽になると思ったんですが、現実は違いましたね。サボったその日はいじめへの恐怖と親への罪悪感でぐちゃぐちゃでした。親が昼ご飯に持ってきたお粥も本当に申し訳なくてたまりませんでした。一人で泣きながらお粥を食べたことを憶えてます。


それに家も完全に安全ではなくて、スマホを開けば悪口、悪口、悪口の連続でしたね。次学校来たら殺すなど殺害予告もありました。女子って怖いです。


それがより一層学校に行くことを恐怖を怖がらせました。そのため、次の日も、その次の日も学校を休みましたね。その休んでいる時も自分の部屋でがたがた震えてるぐらいしか出来ませんでしたけど・・・・・


ただ、そんなに頻繁に休んでいると、流石の親も仮病を辞めて学校に行け、って言ってきました。


それはそうですよね。親にしてみれば、わざわざ高い学費を払って私立の学校に行かせているのに、娘が学校をサボり出したら怒るのも当然です。今では両親の気持ちも理解できます。ただ、その当時の私は親ですら、私の心配してくれないんだって絶望していました・・・・


私もここで虐められてるって親に伝えれば良かったんですけどね。その時の私は、助けを求めたら何されるかわかんないって気持ちでいっぱいでした。我ながら情けないです。


そうして何日かの仮病後、足取りは重いまま学校に行きました。すると、そこに待っていたのは地獄でした。どうやら、いじめって何日か休むと、とんでもなく酷い物になるんですね。今までは物を隠すとか悪口とか、直接暴力をされることは無かったんですけど、休み明けから髪を引っ張ったり、廊下で突き飛ばされたり、学校裏で殴られたりするようになったんですよ。


でも、彼女達の凄い所は傷跡が残らないギリギリを攻めてくるんですよ。傷跡ができるとしても、お腹とか背中とか服で隠れる場所にできるようにするんですよ。感心しますよね。悪い意味で。


その当時はほんとに地獄でした。死にたいと思ったことが何度あったか覚えてませんね。気づいたら包丁を手に持っていた時もありました。そのぐらい私は精神的にも肉体的にも追い詰められていました。


そんな最悪な日々が一、二ヶ月ぐらい続いた頃(辛すぎて時間感覚がわからないです)でしょうか。


急にいじめが無くなったんですね。本当に突然。今までのいじめが嘘だったかのように無くなったんですよね。私が教室に入ったら聞こえるクスクスという笑い声もなくなりましたし、物が無くなることも無くなりました。そして、藤田さんや他のいじめてた人達もなんだかよそよそしくなっていたんです。その上、藤田さんは私に土下座までしてきましたね。まぁ、許さなかったですけど笑


その時は理由が全く分からなかったんです。彼女達が改心したのかなと、私の小さい頭で結論を出したりしていました。


でも、後々分かったのが獅子王先輩がいじめっ子達を注意してくれたみたいなんです。放課後呼び出して、一言いじめをやめろって言ったみたいです。本当に一言それだけ言ったみたいです。でも、それで藤田さん達はいじめを辞めたんですよ。凄いですね。獅子王先輩!!


彼女たちがいじめを辞めた理由を詳しく聞いてみたんですけど、藤田さんは元々先輩のファンクラブ会員だったみたいで、その先輩への愛は先輩の写真に毎日お祈りするぐらいだそうです。気持ち悪いですよね。写真にお祈りって。勿論、先輩は気持ち悪くないですよ。超かっこいいです。


まぁ、私の先輩への愛は置いておいて、そんな藤田さんにとって神のような賢也先輩。そんな神に注意されたら、熱心な信者の藤田さんはいじめを辞める以外の選択をとるはずがありません。だから、私へのいじめをやめたみたいです。


まぁ、藤田さんみたいに熱心なファンクラブ信者でなくても、あんなイケメンに注意されたら言うこと聞くのも無理ないですけどね笑笑


ですが、先輩が注意した時、いじめの主犯何人かは先輩の言う事なんて聞かないって言って、私をいじめようとしてらしいんですよ。(先輩の言うことを聞かないなんて不届き者すぎ!)でも、現実は先輩が藤田さん達を注意した後、私が虐められることはありませんでした。


なんででしょうか?


理由はですね。その言うことを聞かなかった主犯達は全員、転校になったからです。全員が親の転勤が理由らしいです。聞いたこともない海外の僻地に行っている子もいました。うん、これは先輩の御曹司パワーをフル活用した感じですね。それを見たいじめの参加者達はびびって、もう私には手を出さなくなりました。雑魚です。だったら、最初から虐めてくんな。


まぁ、あいつらへの怒りは置いておいて、これで私の辛かった日々は幕を下ろしたんです。


でも結局、その時なぜ先輩が私が虐められてるのを知ってたのか、なぜ助けてくれたのかとか全く分からないんです。謎です。第一私達面識なんて一切ありませんでしたから。それなのに、先輩は何故か助けてくれたんですよ。見ず知らずの私を。


多分、私は先輩が藤田さん達を注意していなかったら、今もこうして無事に暮らせてません。日課である先輩へのお祈りも出来ていません。そのぐらい地獄みたいな日々が︎︎"︎︎先輩のお陰で︎︎"︎︎無くなったんです。


これは恋をするなと言う方が無理ですよね。


気づけば目で追ったりしてましたね笑。先輩のことをずっと考えていましたね。何が好きなのかなぁ?とか。どんな人がタイプなんだろう?とか。先輩で致す日もありました(照)。それはまさに恋する乙女でしたね。


それで、ずっと見てると分かるんですけど、先輩なんでも出来るんですけど、それでいて可愛いんですよ。勿論、顔はシュッとしてイケメンなんですけど、それとは対称的に、意外にビビりだったり、本もラノベが好きだったりと、ギャップ萌えがあるんですよ。


そんな日々を暮らしていると先輩も中学最後の年。私は勇気をだして先輩に告白しようとしたんです。下駄箱に手紙を入れて愛を伝えるあれです。けれど、緊張しすぎて結局出来ませんでした。あの時はすごく恥ずかしくて、下駄箱で悶えて、その場から逃げちゃいました。


そんなこんなで、先輩は卒業して進学してしまいました。驚きですよ。私たちの学校中高一貫だったので、まさか他の高校に進学するとは思っていませんでしたからね。


なので、私は先輩が行った高校を目指しました。当たり前ですよね。大好きなんですから。


先輩が行った高校本当に頭良くて入るの大変でした。それでも、愛の力で何とかなりましたけどね〜


そして、入学して数ヶ月経った今日こそ告白してみせるんです。このクッキーと一緒に告白してみせるんです。クッキーは勿論、手作りですよ。


今日は本当にドキドキしてましたね。一日中ソワソワしていて、友達にも不自然って言われました。それはそうですよね。一世一代の告白なんですから。


そして、放課後、先輩の後ろ姿が校門に見えました。先輩の帰りはとても早いんです。多分、家帰って沢山やることがあるんでしょう。そんな先輩を呼び止めるなんて失礼かな? でも、あの優しい先輩が呼び止めたぐらいで怒るわけがない。なんだって、私を助けた先輩なんだから。そう考え私は声を張り上げました。


「賢也先輩!! あの・・・」


やばいやばい。あ〜下の名前呼んじゃった。どうしよう? 言葉がでないよ〜!!! どうしよ〜!? どうすれば・・・・ 胸がめちゃめちゃ痛いよ〜


とにきゃく、好きって言わなきゃ。好きって言わなきゃ。噛まないように言わないと・・・


「ん? どうしたの?」


きゃー 賢也先輩の生声だ。カッコよすぎる。少し低めがかった声に優しさが包まれているよぉー。幸せすぎる!! 私、このまま死んでもいいよー。最高すぎる。あー、いけない。私はこんなことをするために呼び止めたんじゃない。私は告白しなきゃいけないんだ。でも、どうしよう? 恥ずかしい。超恥ずかしい。でも、言わなきゃ。言わなきゃ。絶対今私変な顔だ!! どうしよう!?


やばい!! やっぱり今日無理だよ。明日にしよう。もっと顔を整えてからだ。最高なコンディションで告白しよう。そうしよう。それに学校は同じなんだからまたチャンスはあるはず!! だから、とりあえずクッキーだけでもあげよう。


「こ、これけっけんや先輩のために作りました。よかっかったら食べてください」


めっちゃくちゃ噛んじゃった。噛んじゃったよー。なんで、こんな時に噛むのよ。最低私!! 最低だよ・・・ 本当に恥ずかしい。恥ずかしいよ!! この場に居られないよ!!


私は無理矢理先輩にクッキーを渡した後、走ってましたね。どんなものよりも早く走ってました。これなら世界陸上に出ても戦えるんじゃないかってぐらい速かったはずです。


「あー、今日も言えなかったなぁ。でも、今日はしっかり賢也先輩を呼び止められたし、クッキーも渡せたし成長だよね? そうだよ!! めっちゃ成長だ!! 」


私はポジティブになって、今の恥ずかしさを誤魔かしてました。それぐらい顔は真っ赤で胸はドキドキでした。


「明日こそ告白するぞー」


私は気合いを入れました。


そして、いつも通りの帰り道を歩き始めたんです。その道中も当たり前ですが、先輩のことを想い妄想に耽っていました。いかがわしいのはしてないですよ。人目もあったので笑


すると、一瞬眩しい光が見えました。眩しいと思い気づけば目を瞑ってましたね。本当に眩しかった。今思い出しても、目がチカチカします。あそこまで激しい輝きは今まで見た事がありません。


そして、数十秒後、突然光は消えました。光は元々存在しなかったと思うぐらいあっという間に消滅。


一瞬、恥ずかしさから幻覚を見た? という間抜けな考えが浮かびました。すぐさま、そんな考えが浮かぶ自分が恥ずかしくなりましたけどね笑。そんな事を考えていると、光のせいでチカチカしていた視界が徐々に良くなってきました。徐々に目が慣れてきたようです。ただ、視界が段々良好になっていくうちに私は驚きました。


なぜなら、そこはさっきまでいた学校からの帰り道とは違っていました。全然違いましたね。


「えっ!? ここどこ?」


こうして私は異世界に来てしまいました。









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