幽霊も有効活用していく時代なのさ
しばらく死んだ盗人について行くと1つの扉の前で止まった。
「はーい、ご苦労。ここにあるわけ? カケラ」
「そのはずだよ。でも、気をつけな中に誰か居る」
中に誰か居る?え?魔物とかだったらアイツら呼んで来ないといけないんだけど、どうしようか。まぁ、少し覗くか。
扉をそっと開けて覗くと……。
「なんだよ、キールとマニャか。ここに居たのかよ。まぁいいや、この部屋にカケラがあるらしいんだけど見つけた?」
こちらをじっと見つめてくるけど何さ?惚れた?
「そいつは誰だ」
「ああ、これか! これはね、マヌケにも魔王にも殺されてしまった悲しき盗人さん。無害な幽霊だから無視して良いよ」
「ちょっとなにその言いかた!」
「気に入らなかった? 本当のこと言ってごめんね」
こんなくだらないやりとりはどうでもいいんだって、重要なカケラよカケラ。
「こんなのほっといて、盾のカケラは? 報告早く早く」
「この部屋に本当にあるのか? 見当たらなかったぞ?」
「マニャも見つけてないと?」
「ない」
「おいおい、盗人ちゃ〜ん? 話が違うんじゃないかな?」
「そんなはずない、ここに絶対にある!」
どうしたものかな、こいつ役に立たない疑惑か?いっそのこと吸収で能力奪って、キールとかに排出しちゃって探したほうがいいかな?というか、死んだ奴に能力っているか?うーーん、いらないよねぇ。
「なぁ盗人、俺に触れる?」
「いきなり何?」
「いいからさ、ほら手に触れれる?」
「ほら、こうすれば一応は触れてるんじゃないの」
「よし、吸収」
なるほどなるほど。こんな感じの持っているのか。いい感じの貰えたな、流石盗人だわ。
「お前、何をした」
「君から色々奪っちゃった〜。まぁ、実力でついたカンってやつは残ってるからさ、安心してよ。それに、死人にはもったいないでしょ? 有効活用するから、怒んないでね」
「ふざけるな! 返せ!」
「だいたいここにあるはずのカケラも現状ないんだよ? そんなに自分の有用性を証明したいなら、見つけてよカケラ」
背後でギャーギャーまだうるさいけど、死人に口なしって言葉は嘘だよね?ちょっと無視しよ。
「キールかマニャ、便利そうな盗人能力どっちか欲しくない? てか、押しつけるんだけどさどっちが受け取る?」
「待て!」
「もう、うるさいなぁ。なにさ?」
「返せと言っているだろう!」
「はぁ、役立たずが命令するなよ。お前にもう価値ある? ないでしょ。そんなに喚くなら役に立ってみなよ、そしたら返すかもよ?」
「本当だな」
「ほらほら、探す探す。こっちの子が見つけちゃうよ」
やっと向こうに行ったか、あー、面倒な幽霊。手数が欲しくなかったらもう成仏させてるよあんなの。
「さて、どっちに渡す?」
「俺だ」
「はいはい、キールね。いつも妹ちゃんを庇って偉いね〜はい、渡した」
そんな睨むなよ。ちょっと揶揄っただけだろ?逆らえない主人からの可愛らしいイタズラなのに。
「それじゃ、その力も使いながらこの部屋探してよ。ほら動く動く」
「チッ」
「無能なマニャちゃんも探すんだよ? ボサっと突っ立て見学なんて、許されないよ。それじゃ、行ってこーい」
「フン」
はぁ、どいつもこいつも使えないんだから。暇だなぁ、早く見つからないかな。




