村の名前を変更するかも
アシュトンはエンシャントエルフに囲まれておまけに膝枕までしてもらっていた。そこにカトレア達が貯蔵庫と酒造工房を見学に来たのだ。ソノーラが貯蔵庫の所に来ると立ち止まって固まっていた。遅れてカトレアも来てソノーラが立ち止まっているのが不思議に思っていたが、その先にアシュトンがエンシャントエルフの膝枕で横になっているのを見て、ソノーラを押し退けてアシュトンの所に行くも、アシュトンは目を覚ましていなかった。「アシュトン、その女は誰?説明して」と騒いでいると、そこにモニカがやって来て「カトレア様、何故にそんな大きな奇声を出しているのですか?」カトレアが口をパクパクして、指がアシュトンの方を向いていた。「みんなは私の同郷の者です。どうしたの?」「アシュトン様が貯蔵庫の大きい施設を建ててくれたんですが、魔力不足になっているので、横にして休んで貰っているんです。」「カトレア様、そういう事です。」それでも、カトレアは納得していなかった。何故なら、カトレア自身はアシュトンに膝枕をした事が無いのに、他の者に先にされていたのが気に食わなかった様だ。ソノーラはまだ固まっていた。
暫くすると、意識を取り戻したアシュトンが慌てて飛び起きて、カトレアに言い訳をしていた。
アシュトンは何も悪い事をしていないのにカトレアにひたすらに謝っていた。ソノーラはその姿を見て冷たい眼差しを向けていた。
アシュトンは居心地が悪くなってきたので、まだ万全な状態では無いが領主邸に戻って行った。カトレア達はそのまま酒造工房と貯蔵庫を見ていた。酒造工房は見た事が無い物が沢山あってメリナとモニカに質問責めをしていたが、メリナとモニカもまだ理解をしていなかったので、しどろもどろの状態で対応していた。同郷のエンシャントエルフ達はカトレアの前にいると嫌な事が起きる予感がしたので、果樹園に行って葡萄の収穫をしていた。
アシュトンは領主邸の自分の部屋に戻り、むぎに頼まれていた酒の神バッカス様を呼び出そうと思ったが、つい先ほど魔力枯渇で倒れていた事を思い出して呼び出すのを止めていた。
むぎは果樹園から神殿に移動していた。神殿に戻るとダイニングでシルバーフェンリルとハニヤスがくつろいでいた。
フューネは昼寝をしているシルバーフェンリルとハニヤスの邪魔をしない様に2階の掃除をしていた。他の猫獣人達は地下1階でモクモクと神像の補修修復をしていた。この補修修復はなかなかな困難な作業であった。だが、知らないうちに綺麗な像になっていた像があった。それは農業神と酒の神と防御神と鍛冶神だった。この4体の神像はアシュトンがカードで召喚した神であった。もしかして、召喚された神は認識されたとして再生されたかもしれない。そうなると猫獣人達にしてもらっているこの補修修復は無駄足だったかもしれない。
むぎはダイニングでシルバーフェンリルとハニヤスの寝顔を見て癒されていた。むぎはまったりし過ぎて居眠りをしていたが、知らないうちにフューネの膝の上で寝ていた。フューネはとても幸せそうな顔でむぎを見ていた。
森に住んでいるフロンだが、幼体だったタラテクトが進化したので、フロンと交わる事が出来る様になったので、フロンは卵を産んで育てる事が出来る場所を巣の中で作っていた。食料はシルバーフェンリルが持って来てくれた肉があるので何もしなくても十二分にいられたが、フロンは幼体であったスモールタラテクトに巣を任せて、森中の餌を集めていた。特に昆虫型の魔物は大好物なので、狩れるだけ狩って巣の中に保管していた。それと同時にむぎから糸が欲しいと言われていたので、作れる糸を出来るだけ多種を作れる様にして、暇な時に糸を作り出していた。
神殿では猫獣人達以外は昼寝をしているが、領主邸のアシュトンは起きていた。先程はカトレアの逆鱗に触れていた様な気がしていたアシュトンはカトレアが喜ぶ物は何があるかと悩んでいた。
カトレアが1番欲しい物はアシュトンなのだが、当のアシュトンはそう思っていないのである。
アシュトンが治めている領地は順調に住人も増えて施設も充実していると思うが、まだ住人は少ない。この村の名前も前の知らない名前のままなので、むぎは村の名称を変えようとアシュトンに進言しようと思っていた。
むぎは村の名称の例えを考えていた。アシュトン村・ルクール村・キャマラード村だ。アシュトン達なら良い村の名前を考えてくれる事だろう。
この村の周辺には村や町は無いのだろうか?暗黒大陸の入り口にあたるこの村以外に同じ様な村や町はあると思うが、離れているのだろうか?これよりも西に行くとそこはもう海だった。南に行っても海だった。領土を拡大する事は先ずは不可能であるが、アシュトンはそんな事はしない。今住んでいる領地で楽しく過ごしたいだけなのである。西に行っても南に行っても町や村は無かった。1番の脅威は暗黒大陸なのだ。今はその暗黒大陸の住人が領地に住んでくれている。増えるとしたら暗黒大陸の住人だと思う。
暗黒大陸の魔物や魔獣がこの地を攻めて来る可能性はあると思うが、今は攻めて来ていない。
むぎはフューネの膝の上で目を覚ました。「フューネ、重くなかったか?」「むぎ様、大丈夫です。」「それなら良かった。」と膝の上から降りて行った。フューネは残念そうな顔をしていた。




