部活動紹介の記事獲得 後編
翌日、比呂斗と十六夜は弓道場へ向かった。
部室から弓道場までは距離が少し遠く、少し七不思議のことを話していた。
「そいえば、七不思議ってまだ解決していないことがまだあったよね?」
比呂斗は少し傾げたがすぐに思い出したようだ。
「あ~、あれは雫が人を呼び込もうとしてるのを、翔が妨げてただけだよ。
まず、
1.学校内で写真を撮ると絶対にぼやける。
これは幽霊が学校にいると知らせるために雫がやったこと。
2.深夜廊下の電気がすべてつく
これは教師がいるとみせかけるために翔がしたこと。
3.深夜ピアノの音が鳴る
これは定番を出して誘き寄せるため。
4.深夜トイレの電気は絶対につかない
トイレはいまいちわからん。考えればどっちもメリットがあるからな。
5.警報装置がならない時間がある
これは学校に入っても警報がなって学校から出さないためだろう。
6.深夜に女の子の笑い声がする
これは雫。
7.深夜に男の子の泣き声がする
これは翔。
まぁ、こんなもんだろう」
「確かに考えてみればすぐわかりそう」
その後も幽霊の話をしながら弓道場へ向かった。
「「しつれいしま~す」」
2人が弓道場に入ると机とイスが用意されていた。そして昨日訪れたときよりも少し床がきれいになっていた。
「おお、きたか。そのイスに座っていいよ」
比呂斗たちがイスに座ると、鎌谷さんはすぐに他の部員を呼びにいった。すると、笹草と知らない男の人が出てきた。
「さて、改めて自己紹介するぞ。部長は私、鎌谷 心。副部長はこいつ、鎌谷 勝。そして、部長候補の笹草 蒼だ。」
「部長候補なんて恥ずかしいですよ~、それに後1年後じゃないですか」
「いやいや、蒼ちゃんなら今年、部長になれる可能性あるよ~」
「いやいやいや、今年は勝先輩がいるじゃないですか」
(何回いやいや、言うんだこの二人は)
と比呂斗は思いながらも、副部長の名前に少し疑問をもった比呂斗は鎌谷さんに少し聞いてみた。
「部長と副部長は、兄弟ですか?」
その質問に部長は縦に振った。
「とても仲がいい兄弟~」
すると鎌谷さんは、勝さんの肘をつかみものすごい笑顔をみせた。
「さっき、部長候補に俺をいれないで何が仲がいい兄弟だ!」
と思いっきり、引き剥がそうとしていた。
((とっても仲がいいな~))
比呂斗と十六夜は少し微笑ましく思えた。
「では、質問しますよ。自己紹介は終わっているので、目標を教えてください」
そう質問すると、目標か~、と部長は少し頭を抱えていた。
「もちろん、全国制覇だ」
副部長の勝さんが目標をいったものの、鎌谷さんは少し、納得いかないようで口出ししてきた。
「だめよ~、そんなんじゃ絶対他の部と被る!もっとかっこよく、被らないやつ」
勝さんはため息をついて、反論した。
「これより、いいのないだろ~」
「それなら、チーム一丸となって最強を目指します。はどうですか?」
次に、笹草が提案をしてきた。だがそれも納得いかないようだった。
「なんか微妙、次!」
え~、といって少し落ち込んでいた。
そのまま5分ほど考えてたが、誰も浮かばないようだった。
このままだと他の部を回る時間がなくなるので、比呂斗はみんなのを繋げてみた。
「それじゃあ、『チーム一丸となって射ぬて!全国制覇!』でいいですね」
すると鎌谷さんは目を輝かせていた。
「いいじゃな~い、これ」
けど、笹草は納得いってないようだった。
「これじゃ、目標じゃなくスローガンになってないかしら?」
たしかに、と思ったけれど、鎌谷さんの押しで比呂斗の案に決定した。
「では、お疲れ様でした」
と出て行こうとすると、笹草に呼び止められた。
「ねぇ、ちょっと私たちの矢を放つのみてみない?」
少し興味があったので比呂斗たちは見ていくことにした。
笹草と鎌谷さん、勝さんがそれぞれ構えた。まったく軸がぶれずにさっきみていた表情は一変して、とても真剣な表情になっていた。きれいにまっすぐ放たれ、三人とも的の中心を射抜いていた。
「すげぇ」
「すごい」
それをみた比呂斗と十六夜は、この言葉しか出なかった。
「ざっと、こんなもんよ」
と笹草が言って、比呂斗と十六夜は弓道場を後にした。
次に、剣道場だった。
剣道場には少し汗臭い匂いが漂っていた。
「おお、きたようだな」
剣道部部長、剛力 岱が出迎えていた。
すると隣に、長髪の女の人が立っていた。
「1年2組、渡 千佳 よろしく」
「こちらこそ、千佳ちゃん」
十六夜が名前で呼ぶと渡の顔が少し赤くなっていた。
剛力さんの顔はとてもゴリゴリな印象と反して、渡の顔は、クールで少しボーイッシュ系に思えた。
「目標は、部員集めだ。3年は俺だけで、2年生が入ってこず、今年入部が5人以内だったら廃部になるってところで、渡と他4人が入ってくれたってぐらいでな。まだ部員がいねーんだよ。渡は副部長だ。4人の中で一番強かったからな男女問わず。俺も負けそうだが」
部の状況をよく説明してくれたものの、負けることに少しあせっているように見えた。
「大丈夫です部長。一応県一位なんですから、自身持ってください」
一生懸命励ましてたものの、その男子県一位と戦える渡のほうがすごいと思ってしまった。
その後、柔道、空手、相撲が終わり、美術部、科学部、園芸部、書道、将棋、チェス部の順で終わって、部室に帰った。すると、体育系の部活動にいってた、智と瑠衣はもう部室に戻っていた。
みんなとても疲れているようだった。少し休憩した後、それぞれの記事をまとめることにした。
部活 目標
・体育系
野球部 全国制覇
ソフトボール部 全国制覇
サッカー部 全国制覇
水泳部 全国制覇
男子テニス部 全国制覇
女子テニス部 全国制覇
陸上部 全国制覇
男子バスケ部 全国制覇
女子バスケ部 全国制覇
男子バレー部 全国制覇
女子バレー部 全国制覇
バドミントン部 全国制覇
弓道部 チーム一丸となって射ぬて!全国制覇!
剣道部 部員集め
柔道部 全国制覇
空手部 全国制覇
相撲部 全国制覇
応援団 世界一の声量を
・文化系
美術部 No.1作品をつくる
科学部 最強の薬品を作る
演劇部 かっこいい演技を
園芸部 いい野菜を育てる
音楽部 金賞目指す!
茶道部 究極の美を
書道部 いい字を書く
将棋部 全国制覇
チェス部 大会に出て勝つ
情報処理部 パソコンの検定をたくさん取る
ゲーム部 ゲーム知識を増やす!
それをみた比呂斗は少し申し訳ない気持ちが出てきた。その後、体育系ほとんど全国制覇じゃん!とつっこみたかったが、やめといたようだ。
その後、まとめた記事を原稿に写した。すると比呂斗は、新聞の右下に、
『新聞部の記事募集中、お悩み相談なんでも可』
と付け加えた。
「なにこれ」
と瑠衣にいわれたが、
「これから書く記事がなくなりそうだからな」
といって納得させた。
「さて、データと鍵を返すじゃんけんをするぞ~」
「「「「じゃ~ん、け~ん!ほい!」」」」
比呂斗:パー
十六夜:グー
瑠衣:グー
智:パー
「よっしゃかった~、女子たちでじゃんけんするがよい~」
勝った智はとても上機嫌だった。だが智の思惑を覆してきた。
「ねぇ、十六夜ちゃん一緒に返しにいかない?」
「いいよ~」
といって2人で返しに行った。
「なっ!」
言って、比呂斗をみてきたが、比呂斗はムスッとした。
「俺は一緒には行かんぞ」
えー、といって靴箱へ向かった。
3/18 部活に音楽部追加しました。
3/26 考え付く限りの部活を増やしました。ですがまた増えるかも知れません