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それでも、止める? ~終わり続ける世界で、たった一人がすべてを壊し始めた~  作者: Studio No.13
第4章 拾われた願い

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第44話「足跡」

 白は。

 途切れることなく。

 続いていた。

 二人は。

 その道を歩く。

 静かに。

 ゆっくりと。

 誰も話さない。

 足音だけが。

 白い空間へ響いていた。

「……ねぇ」

 ミナが小さく声をかける。

「さっきの足跡」

「ああ」

「私たちだけじゃないんだね」

 クロノは答えない。

 その代わり。

 足元へ視線を落とす。

 白に照らされた床。

 そこには。

 また新しい足跡が残っていた。

 今度は。

 一人分じゃない。

 二つ。

 三つ。

 いくつもの足跡が。

 同じ先へ続いている。

「……増えてる」

 ミナが呟く。

 クロノは静かに頷いた。

 歩幅は違う。

 靴跡も違う。

 歩き方も。

 止まる場所も。

 全部違う。

「同じ人じゃない」

「うん」

 ミナも気づいていた。

「みんな」

「同じところに向かってる」

 クロノは何も言わない。

 ただ。

 その足跡を追った。

 しばらく歩く。

 不意に。

 一つの足跡だけが。

 白から外れた。

「……あれ」

 ミナが立ち止まる。

 数歩だけ。

 横へ逸れている。

 クロノはしゃがみ込んだ。

 足跡は。

 そこで終わっていた。

「消えたのかな」

 ミナが小さく呟く。

「……違う」

 クロノは首を振る。

「ここで」

 床へ触れる。

「止まった」

「止まった?」

「ああ」

 逃げたわけでも。

 消えたわけでもない。

 まるで。

 そこに立ち尽くしたような。

 そんな跡だった。

 クロノは静かに立ち上がる。

「行こう」

 ミナは頷く。

 二人は再び歩き出した。

 白は。

 まだ続いている。

 やがて。

 光が少しだけ強くなった。

「……何かある」

 ミナが指を差す。

 白の中に。

 小さな何かが落ちていた。

 クロノは近づく。

 ゆっくりと拾い上げる。

 一枚の紙。

 何も書かれていない。

「白紙?」

 ミナが覗き込む。

 クロノは紙を傾けた。

 その瞬間。

 光が反射する。

 浮かび上がる。

 たった一文字。

 『進』

「……」

 クロノは息を呑む。

 次の瞬間。

 文字は静かに消えた。

 白い紙だけが。

 手の中へ残る。

 二人は顔を見合わせる。

 答えはない。

 それでも。

 白は。

 まだ先へ続いていた。

読んでいただきありがとうございます。

少しでも続きが気になったら、フォローや評価いただけると嬉しいです。

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