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それでも、止める? ~終わり続ける世界で、たった一人がすべてを壊し始めた~  作者: Studio No.13
第4章 拾われた願い

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第42話「灯る」

 静かだった。

 白い空間を。

 二人で歩く。

 もう。

 青は見えない。

 何も起きない。

 ただ。

 足音だけが、静かに響いていた。

 隣で。

 ミナが小さく笑う。

「……ありがと」

 クロノは視線だけ向ける。

「さっき」

 そう言って。

 少し照れくさそうに笑った。

「……ちょっと、かっこよかった」

 クロノは少しだけ考える。

 あの時。

 ミナが傾いた。

 気づけば。

 手が動いていた。

 考えたわけじゃない。

 助けようと決めたわけでもない。

 ただ。

 そうしていた。

「……そうか」

 それだけ返す。

 ミナは不満そうに頬を膨らませた。

「それだけ?」

「他に何て言えばいい」

「別にいいけど」

 そう言って笑う。

 その笑顔に。

 少しだけ。

 肩の力が抜けた。

 その時だった。

 ――カラン。

 乾いた音。

 二人が同時に立ち止まる。

 音は。

 足元から聞こえた。

「……これ」

 白い光。

 小さく。

 床の上で揺れている。

 拾った白とは違う。

 青とも違う。

 今にも消えそうな。

 弱い光。

 ミナがそっと手を伸ばく。

 その前に。

 クロノの手が。

 腕を掴んでいた。

「……え?」

 自分でも驚く。

 掴んでいる。

 気づいて。

 ゆっくり手を離した。

「悪い」

「ううん」

 ミナは首を振る。

「心配してくれたんでしょ?」

 違う。

 そう言おうとして。

 言葉が止まる。

 違わなかった。

 クロノは光へ目を向ける。

「……分からない」

 危険かもしれない。

 安全かもしれない。

 何も分からない。

 今までなら。

 それだけで近づかなかった。

 でも。

「確かめよう」

 口をついて出た。

 ミナは少し目を丸くして。

 ふっと笑う。

「うん」

 二人で。

 一歩踏み出す。

 その瞬間。

 足元の白が。

 ふっと灯る。

 そして。

 少し先に。

 もう一つ。

 また一つ。

 静かに。

 白が灯っていく。

 まるで。

 二人を待っていたように。

 クロノは立ち尽くす。

「……こんなの」

 知らない。

 何百回。

 世界を繰り返しても。

 こんな光景は。

 白は。

 消えない。

 ただ静かに。

 二人の進む先を。

 照らしていた。

読んでいただきありがとうございます。

少しでも続きが気になったら、フォローや評価いただけると嬉しいです。

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