表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
開始5分でサービス終了した伝説のバグゲーに転生したんだが攻略できない!  作者: 那須 儒一
マルチエンディング

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

89/89

ナージャエンド

【コンティニュー】


風が死んでいた。

そこは寒さも、暑さも、湿度さえも感じない。


魔界――そこは世界の終焉を体現しているようだった。


「ダイチ様……本当によろしかったのですか?」


隣に座るナージャ王女……いや、魔王ナージャは黒いドレスを身にまとい、不安そうなまなざしで、

顔を伏せていた。


「結婚のことか?

ナージャこそ、こんな形で俺と無理矢理結婚させられるなんてな」


「そんなことありません……」


彼女の表情は魔界の空のように曇っていた。


ストーリー上の婚姻のせいかは分からないが、

互いの好感度は分からなかった。


物語に縛られた俺たちは魔界から出ることはできなかった。


魔剣ヨグ=ソードスでさえ、この現実を覆せない。

死ぬまで魔界で暮らさないといけない。


一瞬、別れ際に見たスターナの泣き顔が脳裏によぎる。


俺は慌てて頭を振りナージャに向き直る。


「ダイチ様……無理に私といなくてもいいのですよ。魔界で別々に暮らすこともできます。

そして、そこで《《本当の想い人》》と暮らしても……私は責めませんよ」


力なく笑う彼女の笑顔が、痛々しかった。


「俺はさ……ナージャ王女の笑った時に見える八重歯が好きだ」


「ダイチ様……」


「だから、俺がそばで一生笑わせてやる。

キミの笑顔は俺のものだ」


「ぷっ、ふふふ……そんな臭い台詞、似合いませんよ」


ようやく、彼女は笑ってくれた。


「悪かったな……ナージャ王女、あと噛みつきは禁止な」


「うっ……週一でもだめですか?」


「いや、多いよ。甘噛みくらいならいいけど」


「ええぇ……私、噛めないと笑えません」


「無茶苦茶言ってんな」


「ふ、冗談ですよ。ダイチ様……ここまで、私を本気にさせたんです。もう逃がしませんからね。

もし、逃げたら魔王の全権を駆使して大地の果てまで追っかけますから」


ナージャ王女はそう言って抱きついてきた。


カプッ!


そのまま胸に顔を埋め、服の上から噛み付いてきた。


ちゃんと手加減はしてくれているみたいだ。


俺は彼女の頭を優しく撫でた。


これから先、どうなるかは分からない。

それでも、婚姻の誓いを胸に誠実に生きようと思う。


この甘くも痛い彼女とともに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ