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27.原因不明の病

 病院勤務にも慣れて来た頃、再び陛下からのお呼び出しがあった。

こうも何度もお呼び出しを受けていると、感覚が麻痺していくような感じがする。


 王宮の中を歩いて、応接間に向かう。

応接間の扉を開き、中に入るとまだ陛下は来ていないようであった。


 私は、ソファーに腰を下ろして陛下の到着を待っていた。


「待たせしてしまったね」


 しばらくして、応接間の扉が開き、陛下が入って来た。

配下の後ろにはライムントさんも居た。


「いえ、大丈夫です」


 私は、ソファーから立ち上がった。


「ありがとう。座ってくれ」


 陛下に促されて私は再び腰を下ろした。

ライムントさんは、陛下の斜め後ろに控えていた。


「それで、今日はどういったご用件でしょうか?」


 私は陛下に尋ねた。


「実は、サクラくんに行って貰いたいところがあってだな。ウェルンの街は知っているかね?」

「はい。存じています」


 ウェルンの街は、私の故郷であるオーラルの街から比較的近いところに位置するため、覚えていた。

王都に来る時にも、ウェルンの街を通過した。


「ウェルンの街で原因不明の風土病が流行っていてな、地元の医師も手をこまねいている状況なんだよ。サクラくんの噂を聞いたウェルンの街の領主からサクラくんに来てくれないかという依頼があってな。どうだろう、行ってくれないだろうか?」


 サクラの名前は王国内ではそれなりに有名になってきていた。

天才的な医療技術と癒しの魔法の使い手が王宮にはいると。


「分かりました。行きましょう。人を救うことが医師の務めですから。でも、病院の方は……?」


 今、私は週3日で病院勤務もしているのだ。


「そちらは、しばらく休みにしよう。無論、今回の件でも報酬は払うよ」

「ありがとうございます。そういうことでしたら、お引き受けさせていただきます」

「感謝する。道中は彼らと一緒に行ってもらう」


 陛下はライムントさんの方に視線を向けて言った。


「彼らはウェルンの街の近くの森に討伐任務を行ってもらうことになっているから、ちょうどいいと思ってな」

「サクラさんのことは私がお守りします」


 道中、何があるかはわからない。

騎士団の人たちと一緒に行けるというのは心強いことである。


「よろしくお願いしますね」

「出発だが、いつなら大丈夫かね?」

「風土病が進行していると考えたら、早い方がいいでしょう。戻ったら準備をして明日には行けるようにします」


 まだ、風土病の種類も感染状況もわかってはいないが、行動を起こすのは早い方がいいだろう。


「分かった。それで頼む。ただ、サクラくんが無茶をするなよ」

「承知しております」

「うむ。私からの話は以上だ」

「では、準備がありますので、私はこれで失礼します」


 そう言うと、私は応接間を後にした。


「強いですね。彼女は」

「ああ。でも、彼女のような医師がこの国には必要なんだ」


 陛下とライムント副騎士団長が、サクラの居なくなった部屋で言った。

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