24 クリス王女との出会い
久しぶりの投稿です。
ノベリズムにも掲載を始めました。
よろしくお願いします。
「え? 獣人国【ファンタスク】のセシリー王女が来るの?」
「そうです。 何でもアルト君の知り合いを名乗る人と共にステラ王国に来訪されるそうです」
ウィン王子との模擬戦から三日。
俺は現在、エリーゼ王女から剣の訓練を行っており、今しがたそれが終わった所でアリアともう一人の人が話しているのを見かけた。
そこで耳にした内容が気になった。
俺の知り合いって言ってたな…。
また、あいつらの転移に巻き込まれてしまったのだろうか。
「あ、アルト君。 もう訓練終わったの?」
「ああ、ついさっきな。 して、そちらの方は?」
「ボクから見れば妹に当たる第七王女のクリスだよ」
「お初にお目にかかります。 あたしはクリスティーナ・エル・ステラと言います。 第七王女なので継承権はありませんので、気軽にクリスと呼んでくださいね」
「あ、これはどうも。 九重 有人といいます」
「クリスは学者かつ軍師的立場で動いているからね。 そのための諜報部隊も束ねてるから情報収集も余念がないんだよね」
クリス王女の自己紹介を済ませた俺は、クリス王女の役割をアリアから聞いた。
どうも学者だったり軍師だったりと忙しいようだ。
あと、諜報部隊も束ねているため、情報収集もお手の物だとか。
「それで、さっきの話を聞いてしまったんですが…」
「ああ、あれはあなたにも伝える予定だった話ですよ。 獣人国【ファンタスク】って知ってます?」
「いや、初耳です」
「ここステラ王国と同じく『七人委員会』に属する国家で獣人が住んでいます。 そこの首都でアルト君の知り合いを保護しているという話が入ってきて、明日辺りに来訪する予定みたいです」
クリス王女が言うには、同じ七人委員会に属する国家の獣人国【ファンタスク】に俺の知り合いを名乗る者を保護しているという。
誰かは知らないが、エクリプス皇国においてゆかなが保護されていた事もあって、もしかしたら俺の友人であってくれた人物なのかも知れない。
今は流石に期待はしないだろうが、明日以降来るようだ。
そこで答えが分かるだろう。
「今回の件は、えーとナナさんとノノさんとゆかなさん…でしたっけ? 彼女達にも伝えて貰えれば…」
「分かりました。 一応伝えておきますよ」
「よろしくです。 それで、アルト君。 エリー姉さん…エリザベート王女との模擬戦はどうでしたか?」
「結構強かったですね。 流石騎士姫と言われるだけありますよ」
そう、エリーゼ王女と模擬戦形式で訓練を行ったのだが、彼女はやはり強かった。
なんとか技をヒットさせたものの、勝つには至らなかった。
周囲の話によれば、現役の騎士団長を務めており、その強さから『騎士姫』と呼ばれているのだとか。
だから、エリーゼ王女の強さに納得がいったのだが…。
「部下ならほとんど持たない私の攻撃を時間制限ギリギリまで回避したり切り払ったりで凌いで来た君が言うセリフか?」
背後からエリーゼ王女が声を掛けて来た。
「エリーゼ姉さん、それホントなの!?」
そこにアリアが食いついてきた。
「本当だ。 私の技はほとんどの相手を一瞬でケリをつける程の力だったのだが、彼はギリギリの所を読んで回避したり、軌道に沿って剣で打ち払ったり…その隙にカウンターの居合抜きを叩き込んだりで結局時間切れで引き分けだったよ」
「それでも、あなたにダメージを与えたのはその居合抜きのみですよ。 ほとんど回避するのに精一杯だったし」
「さっき言ったろ? 私の技を時間ギリギリまで凌ぎ切った事自体がすごいのだ。 それだけ君の能力が高い事を裏付けているのだ」
「いや、ホントすごいよ、アルト君…」
「あたしも同意します。 普通なら数秒で敗北する事か確定されるエリー姉さんの技を凌いで引き分けに持ち込むこと自体が…」
アリアとクリス王女も驚きの表情を隠し切れないでいた。
俺、とんでもない事してるのか…?
「後、すっかり忘れてるけど、エリーゼ姉さんに一発入れたのもすごいよ。 ウィンですらそれが不可能だったんだし」
ウィン王子もエリーゼ王女に一発も入れられなかったのか。
という事はそれだけとんでもない事になってる気がした。
「それもあってか、疲労が溜まってね。 訓練も早々に切り上げたのだよ」
「エリー姉さんを疲れさせるなんて…。 アルト君は化け物ですか?」
「普通の人間です」
クリス王女に化け物扱いされそうになったので、即座に否定しておいた。
「話は変わるが、【ファンタスク】の王女が来るんだったな?」
「ええ、そうですよ」
「あと、アルト君にあの件も伝えておいたほうがいいだろう」
「あの件?」
クリス王女とエリーゼ王女が俺に伝えようとしていたとされる『あの件』。
嫌な予感がしないが、一応聞いてみることにした。
すると、エリーゼ王女が口を開いた。
「竜魔族国家【ドラグニア】という同じ七人委員会に属する国家があってな。 その国の南の領土において異界より流れし天地を灼く剣と言われた忌むべき兵器…核が使用されたそうだ」
「はぁ!? 核…!?」
この世界において信じられなかった単語がエリーゼ王女の口から発せられたのだ。
それを聞いて俺は、驚きの余り固まってしまった。
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