表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/28

17 新たな報告

「丁度お昼寝の時間に眠ったね」


「ああ、これでもかというくらいに(なつ)いてたからなぁ」


俺はあの後、獣耳の幼女二人の相手を満足いくまでしてあげた。

ギュっとしてあげた時は頬ずりするほど喜んでたみたいだし、絵本を読んだりおもちゃで遊んだりした。

初対面なんだけど、目が合った時点でここまで懐いてくるとは思わなかったな。


「きっと、甘えてくれるお父さんのような男性を求めてたんじゃないかな? フィーネちゃん…犬耳の子は特にお父さんを殺されてるから」


「なるほどねぇ」


アリアの話で、思い出した。

さっき違法奴隷の話をしていたが、そのフィーネちゃんも両親に殺された上でそうなりかけたって事か。


「あ、そうそう、ついさっきエリーゼ姉さんが来て報告があったんだ」


「エリーゼ王女が?」


何があったんだ?

多分、アッシュ王国関連か、あいつらに関する事なんだろうけど。


安地(あずち) 平斗(ひらと)の取り巻きであろう女子が、死亡したみたいだよ」


「ん? どういう事だ?」


アリアがエリーゼ王女からの報告を伝えた内容に一瞬固まった。

子供たちの寝顔を見守っていたナナも、その話が聞こえたのか、こっちにやってきた。


「ここ、ステラ王国のステラ城下町から最南端、そしてアッシュ王国最北端との境界線となっている【闇夜(やみよ)(もり)】の中で発見したんだって」


闇夜(やみよ)(もり)? そこはどんな所なの?」


聞きなれなかった場所なのか、ナナがアリアに質問した。


「あそこは昼間でも夜のように暗い環境だからそう呼ばれてるんだ。 そこは危険地帯で、肉食獣のワイルドウルフの生息地でもあるんだよ。 あの獣は、能力的に強いからエリーゼ姉さんレベルの強さがないとあっさり食われるよ」


「うわぁ…」


肉食獣の生息地と聞いて若干ドン引きした。

ただ、ここが異世界で、今後はここで生活していくわけだから、そういった方面にも慣れないといけない。


「じゃあ、その女はその狼に襲われて?」


「それが、どうも違うみたい」


ナナが言ったことにアリアが違うと返す。

どういうことだろうと思ったが、アリアから答えが来た。


「エリーゼ姉さんによると、あの少女はグリズリーという熊のモンスターに一部を食われて死んだそうだよ」


「へ!?」


熊に襲われ、食われて死んだ…。

そんな回答内容に寒気が襲った。

そんな中、ナナとアリアの会話は続いた。


「元々、あの森はグリズリーの生息地じゃないんだけどね」


「じゃあ、なんでグリズリーに襲われたの?」


「さっきも言ったけど、あの森は、同じく危険度の高いアッシュ王国最北端との境界線を兼ねてるからね。 多分、森の中に逃げ込んだ少女を追いかけてきたんじゃないかな?」


「へぇ…」


アリアから語られた理由にナナはなるほどという表情をしていた。

落ち着きを取り戻した俺は、気になる事をアリアに尋ねた。


「で、その食われて死んだ取り巻きの身元は?」


「埋葬する際の遺品整理で、生徒手帳というものがあったらしくそれで判明したみたい。 確か、【厚狭(あさ) 輝美(てるみ)】という名前だったらしいよ」


「あの女か…」


確か、あの女の父親が警視庁のお偉いさんだかなんだかで、色々な証拠もなかったことにされたんだっけ。

嫌な思い出がよみがえってきた…。


「そう言ったこともあって、各国の冒険者や騎士たちは警戒態勢を強めてる。 もちろんステラ王国も同様だよ。 いくつかの騎士団をあの森に派遣するくらいだし」


「私たちの訓練とかの影響は?」


「それは予定通り明日からだよ。 エクリプス皇国の来日も通常通りだしね」


訓練やエクリプス皇国の来日はいつも通りか。

後者は来てから情報を共有するんだろうな。


しかし、いつか仕返しはしたいと思っていた相手の一人が無残な死に方をするとはなぁ。

日本に住んでいた時の方が平和に思える。

それを聞いた以上、強くならないといけないと改めて思った。

このファンタジー世界で生き抜くためにはどうしても力が要る。


明日からの訓練…気合い入れないといけないな。


「ああ、アルト君。 明日から訓練だけどそこまで気負う必要はないからね」


そんな事を思ってた矢先に、アリアに突っ込まれた。


「気負ってたのか? 俺…」


「うん、思いっきり険しい表情してたしね」


まじか…。

どうもあいつら絡みになると感情がコントロール出来ないんだな…。

あからさまに険しい表情をしていたと指摘されるくらいだし。


「こういう時こそ、ボクやメルルに頼ってよ」


そうだった。

今はアリアやメルルといった現地の人間もいるんだ。

わからない事とか、彼女たちに頼るのもまた一つの手だな。


「ありがとうアリア。 これからも頼りにさせてもらうよ」


「そうこなくっちゃね♪」


そんなやりとりをしてるうちに、ドアが静かに開いた。


「ただいま戻りました」


「あ、お帰りなさい。 お買い物お疲れ様です」


買い物に行ってたとされるメイド達が戻ってきのた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ