14 買い物とステラ王国の王位継承システム
アリアに案内してもらった別荘は、本当に広かった。
まず建物は3階建てで、地下の部屋が3つある。
そのうちの一つがアリアの研究室なのだろう。
残り二つは何に使うのかはわからないが。
そして、1階は来賓用の大きな部屋や食堂があった。
あとは書斎もあって勉強するにももってこいだった。
2階からが自分たちの部屋になる場所で、多くの個室があり、大浴場もあった。
3階も構造は同じで、トイレも各階に3か所ずつ設置されていた。
最後に案内されたのは、2階の6人部屋だった。
「いくつか部屋はあるけど、基本ボクたちはここに寝たりすることになるよ」
「男女が一緒の部屋で大丈夫なのか?」
「私やノノは問題ないよ。 ね、ノノ」
「ええ、私もお兄様と一緒に寝たいですし、着替えも見られたいですから」
「最後の発言はさすがにまずいぞ、ノノ」
「私も問題ないです。 むしろアルト兄様と一緒のほうが安心できます」
ナナやノノ、メルルも問題ないのだそうだ。
まぁ、今まではっちゃけられなかったからここで色々楽しむのもまた一興か。
「そうと決まれば、さっそく買い物をしようか。 その後、メルルの孤児院も案内するけどいいかな?」
「はい、大丈夫です。 子供たちにも会わせてあげたいですから」
というわけで、さっそく買い物に出かけることにした。
俺たちの新しい服とか生活用品も必要だしな。
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「ここが、この再開発エリアにあるお店の数々だよ」
案内された先は、ひとつのホームセンターっぽい大きめの店舗といくつかの中・小規模の店舗だった。
俺たちよりも先に転移させられた人たちのためにここに店を開いてくれた小さな商店街…そんな印象を受けた。
「このホームセンターは生活用品を扱ってるからね。 あと、その隣のお店は服を扱う店で向かいの店は食料品店だね」
アリアの案内でこの商店街の場所を把握することができた。
ますは、ホームセンターで生活用品をたくさん購入した。
そして、アリアが何かの魔法で出したカバンのようなものに、買ったものをすべてぶっこんでいた。
「アリア、今のは?」
気になったのでアリアに尋ねた。
「ああ、ごめん。 これはボクの独自魔法で『インベントリ』っていう魔法なんだ。 これであらゆるものを無限に収納できるんだよ」
「アリアが編み出したのか?」
「うん、3年掛ったけどね。 これが出来るのも『色無し』という属性の制約がなかったおかげかな? ボク自身が新しい魔法を作りたかったというのもあるしね」
ああ、『色無し』によるものとアリアのやる気というか好奇心か。
それで3年で作ってしまうのもある意味魔法に関しては天才なのかもしれないな。
「そういえばナナ達は?」
「ナナちゃん達は、隣の服屋さんに行ったよ」
いなくなったと思ったら服屋に行ったのか。
メルルがいないことから、彼女が案内したんだと思う。
彼女なら大丈夫だろう。
「あれ、アリア姉さんに…、アルトさん…ですよね?」
そう思っていたら俺の背後に少年のような声がしたので振り返ると、そこにやや幼い顔立ちをした少年がいた。
「確かに俺がアルトだけど…」
「あ、ウィン。 このエリアの見回り当番で来たのかな?」
「ええ、今週はここのエリアの巡回なんです」
「アリアの兄弟なのか?」
「うん、弟のウィンズフェルト・エル・ステラ第六王子。 もう一つの騎士団に所属しているんだよ」
「ウィンズフェルト・エル・ステラです。 気軽にウィンと呼んでください」
なんとも礼儀正しそうな王子様だなぁ。
とにかくこちらも自己紹介しないとすごく失礼だ。
「改めまして、アルト・ココノエと言います。 こちらこそよろしくお願いします」
「はい、こちらこそ。 あ、アルトさん宛に父から書状が届いてます」
「王様から?」
「はい、ハーレム制度の利用を正式に承認されたのでその書状です」
そう言って、ウィン王子から書状をもらう。
開けてみると確かにアリアやメルル、ナナやノノとの婚約が正式に認められた旨の文章が書かれていた。
また、枠が開いているらしく後から嫁に加える人が出た場合、俺の一存で追加できるらしい。
いわば、再度王様に許可を求める必要はないとのことだ。
「確かにお渡ししました。 それじゃアリア姉さん、僕は巡回の続きがあるのでこれで失礼します」
「うん、父さん達によろしく言っておいてね」
ウィン王子は、そのまま巡回の仕事をするために立ち去った。
大人しそうだったけど、意志の強い印象を受けた王子様だった。
「第六王子だから継承権はないしね。 元々彼は剣や槍が得意だから、騎士団に志願したんだよ」
「なるほどね。 ちなみに継承権を有するのは?」
「第三王子ならびに第三王女までが継承権を有するんだよ。 そこから王位を継ぐためのテストで一番優秀だった人が次の国王になるという形だね」
ステラ王国はそういう形式で王位を継承しているわけか。
どんなテストかは知らないが、多少は安心感があるのかも。
大体のラノベやゲームの一部のゲームに出てくる王族は、王位継承で揉めて、それに便乗するように派閥が生まれ、下手すればクーデターだったり暗殺だったりとドロドロだからなぁ。
「といっても、継承の時期がくるとテストによる王位継承に反対する貴族とかが現れるんだよ。父さんが王位を継ぐときもそうだった」
まじかよ。
そんな貴族がステラ王国にいる、いや、いたのか…。
「その貴族は自分にとって都合のいい、当時の第二王女に継いで貰いたかったんだよ。 その人を表向きの女王として実質的に牛耳る予定だった」
「でも、テストは実施され、今の国王が王位を継いだんだろう?」
「うん、七人委員会の各国家が介入してくれたおかげでね。 大体、その手の貴族の共通点としてアッシュ王国と密かに繋がってたって事だよ」
ああ、アッシュ王国に国を売るつもりだったのか。
その貴族が人族至上主義に染まってるのならありえるかもしれない話だ。
どこにでもいるんだな、売国奴ってやつは…。
「あ、お兄ちゃん、アリアお姉ちゃんただいまー」
少しシリアスな話をしているうちにナナが戻ってきた。
「すみません、お待たせしました」
「お兄様の分も買っておきましたよ」
その後ろからノノとメルルも戻ってきた。
「ああ、悪い。 そういえばナナとノノは俺の服のサイズ知ってたんだったな」
「ええ、お洗濯の手伝いとかで確認しましたから」
洗濯時にサイズをチェックしながら干していたのか。
「アリアお姉様の方は、済みましたか?」
「うん、必要な生活用品は買ったよ。 あと、正式にハーレム制度が認められたよ」
「おおー! これで正式にお兄ちゃんの妻になるんだね」
正式決定の報告を聞いて、ナナは一目散に俺を抱きしめてきた。
俺は苦笑しながらもナナを優しく抱き返した。
ともあれ、最後に食料を購入し、本日の買い物はここで終わった。
次はメルルが経営しているという孤児院だ。
そこで、どんな子供たちを引き取っているのか、俺は非常に興味が湧いていた。
少しリアルが忙しいのと、ストレスが結構溜まってる関係で、更新間隔はさらに開くと思います。




