国…それは演説 「憤怒」より VII
あまり広くは見えないこの宮殿前の広場にこの国の国民全員が集まっていると言っても過言ではないだろう。
彼女と唖然としながらこの景色を見つめていると、再び男の人の声が耳に入ってきた。
「戦いを、争いを、戦争はしないでください!!戦いなど、我々人間のすべきことではない!
神に捧げるために、国を守るために、自らの命を捨てるなどということは、間違いである!!」
男の人は、同じようなことを何度も何度も繰り返す。
白く、ターバンのようなものを頭に巻き、首の後ろまで、長い布が垂れ下がっているものをかぶっており、全身を長く白いワンピースのようなものを見にまとっている。
身振りをする白い長袖の手が忙しく動いている。
私はその様子を呆然と見つめていた。
彼が私たちに話しかけているのでもなく、目を合わせているのでもなく、ただ、あの人の話には何かあるんじゃないかと、その演説に耳を傾ける。
「伝えているんだよ、命持たぬ者に、懸命に」
私はハッとして声のする方を向く。
人形の落ちている先に女の人は座っていた。白い噴水に片足をつけ、顔をこちらに向けた。
男の人が来ている白い服を漆黒に染めたような服装に、髪は黒いスカーフで覆われ、顔を黒い布で隠し、目だけが見えるようにしている。
そして、肩から手首にかけて、黒い花の装飾が縫ってある。
向けられた青く光る鋭い視線に私は貫かれたような気がした。とても、力を持っているように思えた。
そして、両肩に2匹の猫のぬいぐるみが乗っている。
私は息を呑んだ。
女の人は、また男の人を見つめる。その目は細められ、とても儚く見えた。
「思いなんて、伝わるわけないのにな…」
その言葉は風に乗って行ってしまい、私には届かなかった。
間があいて申し訳ないです…
夏休みが終わってしまったので、日常が戻ってきました…。
更新がとても不定期になります))汗
ごめんなさい…。




