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砂漠の果て -i'M LoOkInG foR-  作者: Min
第1章 旅の話をしましょう
17/50

国…それは演説「憤怒」より VI

「なんだろ、あの先だけ妙に明るいなぁ」


 半円アーチ状の門は近づいているが、視界を遮るものは何もないのに、太陽光で反射しているのか、その先が白くて見えない。


「行ってみよう」


 私はそう言って門までゆっくり進む。足元や振り返って歩いてきた道を改めてみても、


 ぬいぐるみは1つも落ちていなかった。


 門が近づくにつれて、光が強くなっている気がする。手で目元に影ができるようにして、目を細めながら歩く。

 まぶしい…とてもまぶしい…。


「もぉ目ぇ開けらんないよぉ〜」


 彼女の文句を聞き流して、門をくぐった。

 途端に視界がひらけた。


「「わぁ……」」


 2人して思わず感嘆の声が漏れる。


 そこは大きな広場だった。


 最初に噴水の水が落ちる音がさりげなく耳に響いてきた


 国はパッと明るみが増し、白い建物はいっそう輝きを増し、青い装飾はモチーフの種類が増え、それが幾何学的に並んでいる。目を瞬かせるほどの鮮やかさである。



 この国は…ヒトのいないこの国は、まだ生きているようだ。


 ふと、彼女が身を乗り出した。


 片耳が上がっている。耳を澄ませて何か聞いているらしい。


「サマヨイ、聞こえない?」


「何が…?……噴水の音なら聞こえてるよ」


「そうじゃなくて、ホラ!」


「ウサギにしか聞こえないらしいよ」


 もしくは私が聞き取れない音だったとか…高すぎたり、低すぎたり…超音波みたいな…


「サマヨイの耳がおかしいんだね」


「失敬な」


「ホラ、あそこ!あそこから聞こえる!誰かが叫んでいるんだよ!」


「ヒトがいるのか」


 彼女が指したのは、この広場の中で抜群に目立つ建物。きっとあれが国の中心だ。


 4つのとても高い塔で囲まれた宮殿…

 つくりが他の建物とめっきり違い、高級感、王族感の漂う建物だ。


「サマヨイ、早く行ってみよっ」


「うん」


 私は、特にペースを上げることもなく歩く。そして、宮殿の正面に出る、曲がり角に差し掛かった。


「わ…しは、…かいから…を…くしたいと、…もって…いま…。どうか…」


 聞き取れないところもあるが、微妙に聞こえてきた。


 何かを…訴えている…?


 角を曲がると、宮殿が正面に見える。

 バルコニーのようなところで、誰かが話しているのが見える。


 だんだんと声が大きくなり、話しているのは男の人だということがわかった。

 白い服を全身にまとっているようにみえ、肌色が不自然に色が違ってみえた。


 私は無意識にも男の人を見ながら、斜め上を見ながら歩いていた。


「サマヨイ!!下!!!」


 突如、彼女が叫ぶ。


「えっ…あ…」


 私はあと一歩でぬいぐるみを踏んでしまうところだった。私はぬいぐるみから目を離さず彼女にお礼を言う。

 血の気が引いた気がした。


「危なかった…ありがとう、助かっ」


「サマヨイ…前…」


 彼女は私の話をさえぎる。彼女を見ると、険しい表情で前を見ていた。


 前…?


 前を見た私は、一瞬で青ざめるのがわかった。


「ッ!!……なんだこの数は?!!」


 地面には、


 ぬいぐるみ、ぬいぐるみ、ぬいぐるみ、ぬいぐるみ、ぬいぐるみ、ぬいぐるみ、ぬいぐるみ…


 宮殿の目の前まで、ぬいぐるみが無数に落ちている。




 地面が全く見えなかった__。



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