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詩全集4

この胸には密がある

作者: 那須茄子
掲載日:2026/05/11

放課後の陽だまりで

あなたの声がふわりと落ちてくる

まるで蜜蜂が羽を震わせて

花の奥へ潜り込むみたいに

私の心のいちばん甘いところをくすぐっていく


ふたりだけの秘密の庭が

咲きはじめるこの時

あなたの笑顔に触れる

胸の中の蜂が忙しく飛び回って

甘い音を立てて

それはチクリと痛む


住まう巣は順調に

大きく確かに

愛を知って

私はぶんぶん鳴る

鼓動を少し押さえ

あなたを見つめ直す


あなたの髪に落ちた光が

あまりにも綺麗で

思わず手を伸ばしたら

そっと握り返してくれた

その温度が

今日の私を全部溶かしてしまう


ふたりで歩く帰り道

影が重なるたびに

あなたの名前を呼びたくなる


もしもこの気持ちが蜜みたいに溢れたら

あなたは受け取ってくれるかな

そっと舐めるみたいに

優しく笑ってくれるかな


そんなことを考えながら

あなたの横顔を盗み見て

また胸の蜂が

甘い羽音を立てている


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― 新着の感想 ―
あなたへの秘密の想いは甘い蜜の様に──  秘めた恋情を蜜蜂の生態をメタファーとして上手に描き出している様に思えました。タイトルに「蜜」ではなく、同音の「密」の字を使っているのが、また好かったです。 …
あ、美味い♪  (・o・*) 
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