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フラグ38 運命?

(やっぱ授業受けんのめんどくせー90分ってなんだよ。暇だし今日はバイトだし、とりあえず寝るか)

4限の途中から居眠りをし気づいたら授業が終わる5分前になっていた。授業が終わると図書館に駆け込み、バイトまでの時間をスマホで動画を見ながら時間を潰しバイト先へと向かった。

入口を開けるとキッチンで店長が仕込みをしていた。

「おはようございます」

「おはようございます」

楽屋を開けると歌乃がいて既に着替えも済ませており、おそらく自分で取ったであろうメモを見ていた。

「おーおはよー」(今日シフト入ってたんだ)

「おはようございます」

「それなに?メモ?」

「はい、この前教えてもらったところ復習してて」

(真面目だなあ)

「えらいね、そうそうこの前のっていうかまだ3日前か体験練習どうだった?」

「楽しかったですし皆さん良い方でおもしろ、、おもしろかったです!」

「いや思い出さなくていいよあれだけは、練習そのものが楽しんでもらえたなら良かったわ」

「野球も見てるのもやってる人も本当に好きなのですごく楽しかったです!」

(ふつーにあれスルーしてんな)

「あ、ごめんね復習してる最中だったよね」

「あ、いえ大丈夫です」

着替えるため楽屋から出ようとした時、竜生が入ってきた。

「ういーたかとひさびさ〜、あれ新しい子?新井竜生ですよろしくお願いします」

「あ、はじめまして中川歌乃です。よろしくお願いします」

「前回の復習中だから邪魔すんなよ、早く着替えんぞ」

無理やり竜生と歌乃の引き離し竜生を楽屋の外に出した。

(竜生のことだどうせどこ大学?とか何年生?とか聞くから言っとこ)

「歌乃、東彩大だよ」

「まじ?1年?」

「そー、なんならうちのマネージャーほぼ確で」

「うちのって部活の?」

「そー」

「めっちゃ運命じゃん!」

「え?ああまあ」

(思ってた反応じゃなかったけどそういや竜生ってこんなやつだったわ)

少しするとその日シフトに入っている全員が出勤し朝礼をしたのち配置に着く。俺はいつも通りキッチンだ。

「歌乃」

俺はキッチンからホールにいる歌乃声をかけた。

「はい?」

「今日はラストまでやんの?」

「とくにきいてないですけどそうなんですかね」

「したら竜生に色々聞いたらいいよだいぶ適当な部分あるけど」

「わかりました!」

「おい!」

近くで聞いていた竜生が入ってきた。

「いや俺もそうだったけど適当じゃん。でもその方が店がまわるからいいんだけどね」

「そういや俺がたかとの教育係だったのか懐かしいなあ」

「覚えてないだろ」

「覚えてない笑」

「おふたりとも仲がいいんですね」

「仲良いっていうか竜生は誰とでも仲良いからね、この陽キャ日本代表は」

「なんやねんそれ」

「まあ歳は1こ上だけど」

「え!?そうなんですか?じゃあ4年生でこの時期ってことは就活ですよね?」

「だってさ」

「俺、浪人してるから学年はたかとと一緒なんだよ」

「そうだったんですね、すみません」

「謝んなくていいよもはやこいつ留年する勢いだし」

「まだわかんないだろ!」

「じゃああと何単位残ってんの?」

「70」

「あと20落としたら確定か、でもさすがにいけるか」

「さすがにね」

「歌乃こんななっちゃだめだぞ絶対ならないと思うけど」

「が、がんばります」

「てことでホール教えてもらいな」

こうして空いてるテーブル席に座り竜生が歌乃に初回教えてもらったことを踏まえつつホールの仕事について教えた。

18時台になってくるとお客さんが来店し出し、歌乃が教えてもらったことを実践し出す。来店時の対応や飲食物の提供、竜生が後ろで見つつオーダーをとったりなどやはり要領がいいらしい。

「24卓様食べ放題です!」

「はーい!」

(元気もいいし接客向いてんだろうな俺と違って)

19時台になってお客さんが増えてくると歌乃も少しずつ慌て始めていた。

「たかとー22卓にカルビ出した?」

「え、出したと思ったけど」

「来てないらしいけど」

「すみません、もしかしたらわたし間違えたかもしれないです」

「えっと今ってたべほ(食べ放題)しかないら?竜生」

「そーだね」

「じゃあ大丈夫大丈夫、どこに出したって金は変わんないんだから。おれ作って持ってくよ」

「すみません」

「まあまあしょうがないよ、いま一瞬忙しいだけだから。切り替えよ」

「すみませんありがとうございます」

俺は肉を盛って来ていないという卓へ持って行った。

19時台はちょうど来店が続き一瞬忙しかったが20時台になると落ち着いた。そのため竜生が休憩に入りホールが一気に静かになった。

(今日のメンツだと竜生いないと静かだな、オーダーくるまで洗い物してよ)

あまりない洗い物をゆっくり洗いながら時間を潰す。

「洗い物おねがいします」

「はーい」

「19時台さすがにテンパった?」

「そうですね、どんどん自分がやることが積み重なってしまって、、」

「しゃーないしゃーない、2日目にしてはすごいよ。俺は1ヶ月提供しかしてなかったからね」

「そうなんですか?」

「そーそーその時の店長はゆっくり教えてくタイプだったし今よりもできる人いたからそれでよかったんだと思う。だから気楽にやってこうぜ」

「ありがとうございます」

「ちゃんと励ましになってた?笑」

「はい!ありがとうございます!」

そう言うとホールに出ていった。

(やっぱまっすぐでいい子だな)

数十分経つと竜生が休憩から戻ってきて俺と歌乃が入れ替わりで休憩に入った。

「今日も飯食う?」

「たべますよ!もちろん!」

「じゃあ一緒に作りに行くかー」

「はい!」

俺と歌乃がキッチンに行くと俺の代わりに竜生がキッチンに入っていた。

「たかと!いいとこに!これ間違えたから食ってくんね」

「久々にキッチン入ったからってもう間違えてるんかい、いいよ食べてやろうじゃないか」

竜生は俺と逆でホールはめちゃくちゃできるがキッチンはまあまあできない。

「歌乃はなにたべる?」

「まだ何を食べていいかわからないので竜生さんのおすすめで」

「竜生のおすすめはやめとけ」

「何いってんねん、この前はなにたべた?」

「なんでしたっけ貴翔さん」

「無難に牛バラとか食べたんじゃなかったっけ」

「じゃあそれ以外でおねがいします」

「じゃあ牛ハラミかなー」

「しぶいな」

「貴翔さんのお肉もハラミですよね?」

「おー正解」

「じゃあわたしもハラミにします」

「おっけー、じゃあたかとの皿に一緒にぶち込んじゃうわ」

「じゃあそのまま一緒に焼いちゃうわ」

「じゃあわたしは貴翔さんの分もお米盛っちゃいますね」

「歌乃いいノリしてんね〜」

「ありがとうございます!」

「うちのマネージャーなんでね」

俺は歌乃の分の肉も一緒に焼き、歌乃は俺の分の米も盛ってくれた。

「貴翔さんどのくらい食べます?」

「普通ぐらいでいいよ」

「このくらいですか?」

「そんなもんそんなもん」

後ろを振り返ると同じ量の米を2つ盛っていた。1つはおそらく歌乃の分だろう。俺の普通盛りは女の子からしたらだいぶ量があるけど、やっぱ米か食べるのが好きなんだろう。

「サラダ系も食べていいんですよね?」

「そーそー、肉一人前なら大丈夫だよ」

「じゃあ食べちゃお。貴翔さんはいりますか?」

「ほしいなー」

「じゃあサラダも作っちゃ、、あ、わたしレシピ知らないんでした笑」

「てきとーでいい、てきとーで、そこにドレッシングあるからなんか選んでかけちゃいな」

「わかりました!」

「肉、米の上にのせちゃっていい?」

「あー大丈夫です」

「別にしとくね」

「すみませんありがとうございます。貴翔さんの分も楽屋に持ってっちゃいますね」

「ありがとう、だけど持てる分だけでいいからね」

「大丈夫です。トレンチ(お盆みたいなもの)持つのも慣れてきたので」

(フラグだな)

トレンチにのせて運ぼうとしているがぐらついている。

「はい、無理しない」

そう言って俺は持っている食器を取り上げた。

「歌乃の分だけ持ってきな」

「すみません」

「まあ落としたらもったいないじゃん?休憩時間も無くなっちゃうし先行ってていいよ」

「すみませんありがとうございます」

そう言って楽屋へ戻って行った。

(先に謝っちゃうの癖なのかな)

「じゃあ竜生頼むぞ。もうほとんどクローズ作業終わってるから汚すなよ」

「任せろって!」

(不安しかねえ、そういえば水持ってってなかったから歌乃の分も持ってくか)

俺は水と自分の分の賄いを持って楽屋に戻った。

「ほい、水」

「あーありがとうございます」

歌乃はいただきますと小声で言い、黙々と食べ始めた。俺も食べる時は黙ってしまうのでちょうどよく黙々と食べ始めた。

少し経つと、ごちそうさまでしたと聞こえたのでおそらく食べ終わったのだろう。今日は俺より食べるのが早い。俺もその数分後ぐらいに食べ終わり一息ついたところで歌乃に話しかけた。

「歌乃ってさ食べるの好きだら?」

「だら?あーはい好きです!バレちゃいました?笑」

「わかるだろ、もう飯の時の目が違うわ」

「そうでした?あはは、友達からよく言われるんですよね、量も多いし食べるのも早いしって」

(なんかさゆりの笑い方ちょっとうつってんな)

「そりゃそう言われるわな」

「私もひとつ聞いていいですか?」

「なに?」

「だらって方言ですか?」

「あーそうそう」

「貴翔さんって地方出身だったんですね」

「言ってなかったっけ」

「言ってないです。どこですか?」

「静岡」

「へぇ〜静岡って、、富士山!お茶!ですね!」

「いや、出てこないなら無理せんでいいわ」

「すみません笑」

「宮城は方言あんの?たまに訛ってるけど」

「あれ、訛ってました?わたし。そうですね、仙台なのであまりないですけど、、んだとかいぎなりとか、、頑張ろうとかはがんばっぺとかありますけどあんまいいませんね〜」

「意味的にはだいたいわかる方言だね」

「そう、ですね。んだは結構言っちゃいますね。だらはどういう意味なんですか?何となく分かりますけど」

「意味っていうか、そうでしょ?みたいな」

「やっぱそうですよね。あ、そうだら〜?」

「若干使い方違うしばかにしてんだろ」

「してないですよ〜」

「んだんだ」

「それは全然使い道違います笑」

「だっはは、くだらねえ笑じゃあそろそろ休憩終わりだし行こうか、竜生にクローズ作業教えてもらいな」

「はい!」

どうせ俺はキッチンに行くからと歌乃の分の食器も洗い場に持っていき竜生と交代した。案の定キッチンは汚くなっていた。

竜生が汚したところを綺麗にしながらクローズ作業を進めていき、ラストオーダーも終わりキッチンのクローズもひと段落したのでホールの様子を見に行くとまだクローズ作業をやっていた。

(まあしょうがないよな、手伝うか)

少しだけ手伝いホールのクローズ作業も終わり額屋に戻って退勤した。

(今日もつかれたー明日も大学か〜)

そう思っていると竜生はそそくさと着替えサークルの友達と飲み行くと言って帰って行った。残りの子たちも竜生と同じタイミングで帰って行きそれに乗り遅れた俺と歌乃だけ残った。

(みんな帰ったし明日も大学とバイトあるし俺も帰るか、家遠いな)

俺は立ち上がり楽屋にいる店長に挨拶をしたタイミングで歌乃も後ろから店長に挨拶して一緒に店を出た。

「じゃあおつかれ、、ってチャリ?」

店を出て駐輪場に向かおうとしたが歌乃もついてきたので聞いた。

「はい、大学まで自転車で行ってそこからここまでも自転車です」

「家どのへん?」

「市役所らへんです」

「まって方向一緒かも」

「ほんとですか!」

「たぶん、じゃあ一緒に帰んべ」

「はい!」

こうしていけるとこまで一緒に帰ることとなり自転車を漕ぎながら話をした。

「歌乃って一人暮らしなんだよね?」

「そうですそうです」

「どう、慣れた?生活とか」

「まだ寂しい気持ちはありますけど大学とか部活、バイトは何とかって感じです」

「そうか、そうだよね18年間も同じ土地で家族で暮らしてたらそうだよね」

「それは貴翔さんだってそうじゃないですか」

「そうだけど、俺はあんま家に実家にいたくなかったっていうか」

「ご家族と仲悪いんですか?」

「いや悪いわけじゃないけど、当時は母親は口うるさいしあれやれこれやれとか嫌だったんだよね」

「男の子っぽいですね」

「でも今は色んなことがみえて親ってすげえんだなって思う。歌乃もバイトとかやってみてわかると思うけど、バイトだけど働いて家事やって子ども育てるってすっごい大変でそれでも大学まで行かしてくれて子どものこと一番に考えてくれたんだなって思った」

「貴翔さんってなんかギャップというか」

「え?」

「会ってそんな日は経ってないですけど、部活のときとバイトの時も違うしちゃんと大人なんだなって」

「いやいやいやいや、大人っぽくしてるだけだし大学生なんてまだクソガキだよ」

「わたしはまだ自分のことだけで精一杯で、、」

「みんなそんなもんだって、歌乃はまだ上京してきて1ヶ月とかなんだし自分のことできればじゅうぶんだと思うよ」

「そうなんですかね、、」

「そうだよ!部活だってもう馴染んでるしバイトだって竜生も歩も店長ですらもすごく要領いいし教えたことできるしって褒めてたよ。だから大丈夫」

「そう、だったんですね。ちょっと安心しました」

「目の前のことを、できることを一生懸命やればいいんだよ。部活ならさゆりも二葉ちゃんもいるしバイトだったら女の子は少ないけど竜生と歩は頼りになるからさ、あと友達もいるら?大学生は楽しまなきゃね」

「ありがとうございます!」

「いやなんか自分語りしちゃってごめんね」

「いえ!1ヶ月経ってちょっとこの先不安だったので、ありがとうございました」

「そういえばさなんで野球部のっていうかうちのマネージャーになろうと思ったの?高校もマネージャーだったとか?」

「いえ、高校は帰宅部みたいな感じだったんですけど高校3年の夏に野球部が地区大会の決勝までいって応援に行ったんですよ全校で。その試合をみて野球っていいなって思って」

「あーじゃあ勝って甲子園行ったんだ」

「いえいえ、試合は負けちゃったんですけど泣いてる同級生みてかっこよかったといいますか、なんて言えばいいんですかね、クラスだとお調子者だったりふざけたりしてるのにこんなに真剣だったんだ、一生懸命になれるものがあっていいなって思ったんです。」

「そっか、いい出会いがあったんだね。でもなんで硬式にしなかったの?」

「あの日貴翔さんたちと会う前に一応行ったんですけど硬式野球部のブース?に、したらちょっと雰囲気怖くて、でうろうろしてたら2年生の先輩たちがビラ配りしててそれをもらってみて気になって軟式の方に行ってみたって感じです」

「そうだったんだ、良かった良かった」

(たしかビラもさゆりが作ったんだっけすげえなちゃんと効果あったんだ)

「あ、わたしここで曲がるので」

「じゃあここで、おつかれ」

「お疲れ様でした!」

歌乃とわかれたあと5分ほどして家に着いた。

あの子も色々あるんだろうな、そりゃそうか女の子で一人暮らしだしマネージャーもやって悩みの種だらけだもんな。でも強い子ではある。そう感じた。

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