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フラグ36 0.857

雲ひとつない快晴、今日はリーグ戦の最終戦で今日勝てばリーグ戦全勝し全国大会出場が確実となる。そして、今回の春リーグでは好成績を残している俺は代打としての地位を確立していた。5打数4安打1本塁打、3打点。これだけ打っていてもレギュラーはつかめず今日も代打だけの出番だろう。

アップを済ませメンバー発表がされるがやはりスタメンでは無い。悔しい気持ちはあれど野球を楽しむためにここの大学の軟式野球部に入ったのだからじゅうぶんだと感じていた。

「ササ、今日も代打で行くから準備しとけよ」

「りょーかい!」

河野からもそう言われモチベーション的には落ちていない。

試合が始まると初回に2点を先制しこれまでの貧打打線が嘘のように打ち、5回までに4点を追加し6-0。今日はロースコアでは無いため出番はないだろうと思ったが、河野から声がかかる。

「ササ、梅ちゃんのとこで代打出してそのまま試合出な」

「うす」

去年の練習試合から守備までつくのは初だった。梅澤の打順になると代打で俺はバッターボックスに入った。

初球のインコース低めのストレートを見送った。

(初球、外低め来ると思ったけどな。次は外の変化球でも狙うか)

2球目、予想通り外の変化球が来てそれをライト前へ運んだ。

「ないすー!」「さすが代打の神様!」「首位打者狙えるだろー」「打数足りないから無理か」「調子のんな!」とか聞こえてきた。

(うるせーな打数足りないくらいわかってるわ)

後続も続き1アウト2.3塁で陽が打席に入る。

すると初球の変化球を捉えホームランとなった。

俺は3塁ランナーだったため先にホームに帰り陽を待ち帰ってくるとハイタッチを交わすとナイバッチと声をかけた。

チェンジとなり俺はセカンドの守備につこうとベンチを出ると梅澤から声をかけられた。

「ミスんなよ」

「まかせとけ」

久しぶりに試合で守備につくため緊張したがそれがすぐに落ち着いた。それも相手バッターが初球を捉えセカンドに打球がとんできた。

打球的には遅くも早くもないゴロで難なく処理ができた。

3アウトとなりチェンジになりベンチに戻ると梅澤からはいいじゃんと声をかけられ陽と伊勢からはグローブで背中を叩かれた。こういうのも野球の醍醐味だなと感じた。

6回の攻撃は三者凡退で終わり7回表の相手の攻撃も三者凡退で終わった。7回裏の攻撃は相手ピッチャーが代わり左の速球派だ。2アウトで俺の打席が回ってきた。

(さっき外の変化球打ったし初球インコース見逃し速球派だとインズバくるだろ)

そう読んだ俺は初球のインコースまっすぐを張った。するとインコース高めにストレートがきた。

(ドンピシャ)

打球は左中間を抜け2塁打となった。

「とまんねー!」「ナイバッチー!」と点差もついていたのでベンチでは盛り上がっていた。しかし、後続が倒れチェンジとなった。

8回表は1アウト2塁とピンチを背負ったがピッチャーが粘り0点に抑え、8回裏は打席が回ってこず9回最後の守備にもついた。2アウトまでとり、あと一人打ち取ればリーグ戦全勝となり全国出場が決まる。

初球は大きく外れボール、2球目は外に変化球が決まりストライク、3球目は際どいコースがボールとされ迎えた1ストライク2ボールの4球目ピッチャー横に打ち返されセンターに抜けようとする打球を俺は飛び込みとり素早くファーストに投げ際どい判定はアウトとなった。

ゲームセットとなり、ベンチにいた部員も全員マウンドに集まり喜びを分かちあった。最後のファインプレーもなかったことになったがそれも俺っぽいなと思った。

その後、整列し春のリーグ戦が幕を閉じた。

再びマウンドに集まり監督である河野の胴上げをした。そう、しようとした。

「河野重すぎ!」「痩せろデブ!」「酒飲みすぎなんだよ!」

全員からそう言われるがやかましいと返し若い2年生が中心に胴上げをした。次にキャプテンである梅澤の胴上げは難なく行われた。

全国出場ムードも一旦終わり片付けムードとなりみんなベンチに戻っていく。俺もベンチに戻ろうとするとさゆりから声をかけられた。

「はい!」

「え、なに?」

「ハイタッチ!」

「ああ全国決まったからね」

「ちがうちがう!最後のファインプレーだよ!」

「ああーありがとう」

そう言いハイタッチを交わした。

「自分で忘れるなんてほんともう」

「全国ムードでつい」

「ついじゃない!ほら片付けすんでしょ、整備行っといで」

「わかりやした」

グラウンド整備をしていると梅澤がきて一緒に整備をしつつ話した。

「今日は色々安定してたね」

「あざあざ」

「全国はセカンドとられちゃうかもな」

「勘弁してくれ、キャプテンが試合出なくてどーすんだよ」

「それもそうか笑」

「頼むぞリードオフマン」

「まかせとけ」

そして、片付け終了後にミーティングが行われた。

「今日は投打が噛み合って良いゲーム運びができて良かったと思います。全国までだいぶ空きますが気を引き締めて頑張りましょう。河野からは?」

「えー全国おめでとうございますとありがとうございます。前の試合までが嘘のように打ちまくって勝てたのでこの調子で練習試合も全国も勝っていきましょう!お疲れ様でした!」

(さすがに機嫌いいな)

「じゃあ解散!授業も前期頑張りましょう!」

「それ梅ちゃんが言う!?」

と、卒業すら危うい梅澤は総ツッコミを受けた。

春リーグは5戦5勝、個人としては7打数6安打1本塁打3打点で幕を閉じた。

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