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ゼンキンセンLOVE  作者: スピカ
scenes of love
12/160

12.咲き乱れし花は悪戯な魅惑①

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


 神木さとるは撫子の胸だけは愛撫しない。イクニュウしたら支障があるからだ。撫子は外では男で通っている。



「―――…ァっ」


 意図せず出てしまった声に撫子は自分で驚き神木も目を丸くした。

 うわずった女らしい声。すくんで真っ赤になる撫子に


「今の声もっと聞かせて…」


 愛撫が再開される。

 視界がピンクの髪で囲まれて、さとるのキスの雨が優しく降ってくる…―――――




 ライブ

♪いつにない雨模様…傘もささずさまよい…

濡れた髪が顔に…へばりついたまま

空見上げた…

Ahー…愛しくて…愛しくて愛しくて愛しくて…

Ahー…眠れない…眠れない眠れない眠れない…



「ナデシコなんか歌い方上手くなってない!?」

「なんか色気でたよねー」

「私生活絶対なんかあった」

「や~んナデシコ彼女できたのかなーっ」


 私生活は謎の倒錯系アンニュイイケメン、日中は某スーパーの品出し。


 ライブ前、楽屋に集まって冥海(クラ)

「撫子、お前最近急に綺麗になったて噂だぜ。前から綺麗だったけど」


 アンニュイに髪を耳にかけて受け流す。

「そうか?」

「絶対神木と付き合ってるってファンが」

 ぶー!撫子は飲んでたお茶を鼻から吹き出した。


「ゲホゲホいてて」

 鼻を押さえる撫子。

P「ば、ばっかだなー!神木みたいな可愛いコと同棲しててモノにしないテは無いよな!?な!?」

 必死にウインクを飛ばしてくる。

「あ、ああ?」

 頬が引きつる撫子

(ああ、逆にいつボロが出るか気が気じゃないや)

「ほんとに付き合ってんの?」

 クラが聞いた。

 神木が答えた。

「…。ごめん付き合ってた」

「ほーらね!ってうわーん撫子ーっ!」

 泣いて飛び出してってしまったP。

(てかそれって女同士じゃん、こないだはフラれたショックで頭になかったけど、まさか神木と撫子が…レズ…)

 ピューッと戻ってきたP

「神木…っ、やっぱその、撫子とはもうちちくりあったんか?」


 5秒考えて、コク、と頷く神木。

「ノォーーー!!」

 また飛び出してったP。

「あのバカなんでんな事神木に聞くんだ、聞くなら男の撫子だろ」

 知らないクラは呆れている。


 廊下でしゃがんで丸まってブツブツ考えるP

(けどレズって事は女同士なんだから、まだ処女と呼べるのでは?…ハッ!まさかだけどレズグッズとか買って、ペニバンとかディルドとかでやる事やってたら!?あんな事やそんな事を…!?)

「っノォーーー!!」

 頭を抱えた所にピンキーが来た。

「よぉP今夜も宜しくー」

 Pはヨロヨロ頭を上げた。

「キキ…お前に残念な知らせだ。撫子が神木と付き合ってるって」

「え!?」

 男3人は先に楽屋に行った。

「嘘でしょほんとなの?」

「ほんとだよ!もうやる事やってんだからな」

「嘘」

(だって撫子が好きな相手は男だったはずよ、神木は女じゃない!)

「撫子ったら目の前の性欲を満たす為に神木と!?」

「ちげーよ!ちゃんと、神木が好き!つって俺フラれたんだからな!」

 よろめくキキ

(神木クンがその相手!?じゃあ神木クンは…男!?)


 Pを置き去りに楽屋に駆け込むキキ

「神木クン!」

 ムギュ!と抱きついてさりげなく体を触る。顔面蒼白になるキキ

(そんな…間違い無いわ、神木クンは男!

風呂上がり裸で歩き回る四人の兄と育ったあたしに間違いは無い!)

 無言でヨロめいた所にPが戻って

「撫子ー!やっぱり俺諦めないからー!

神木みたいな女より男の俺の良さを分かってくれー!」

「やかましい」

 べし!と叩くクラ。

「痛てーなっ!撫子、いつか絶対振り向かせっからな!」

 引くピンキー男3人。キキはプルプル

(神木クン♂とやる事やって…!♂同士で!)

「っ撫子、一応おめでとうを言うわ…」


「ああ、ありがと」

 少し困った爽やかアンニュイスマイル。撫子はキキとの初デートの時“好きな相手は男”と言った事を忘れていた―――――


(さとるのことを考えると思い出して体がうずく。そういうの今まで分からなかった。でも今は、歌詞の愛しくて眠れないが実体験が付随してすごくよく分かるの)

 アンニュイに首を傾けて目を閉じ、

(さとるこの歌詞書いた時、押入れで眠れないでいたって事かな、あたしのことを考えて?…なんてっ)

 ニヤケないように小さくゆっくり頭を振る姿はクールアンニュイイケメン。




 ライブ後、楽屋で脱いだP&クラを見て撫子は

(さとるのおかげで男の裸に慣れたけど、よく見るとあいつらもけっこういい体してんだよなぁ)

 後ろを向いて自分で頬をつまむ撫子を見て神木が

「ちょっと」

 と引っ張って湯沸室へ。


「?何?」


 ムッとした表情の神木が撫子の顔を両手で挟む。

「んっ…」

 強気なキス。


「よそ見すんな、俺だけ見てろ」


 カアアア赤面の撫子

(かっ…可愛いーーー!!!)

 ムギュ!と神木を抱きしめる撫子。

「ごめん♥でもさとる一筋だよ♥」


 見つめ合ったら。我慢できなくて。


 神木が撫子の首に腕を回し、撫子は神木の腰に手を回し、もう1度キスをやり直す。


(幸せ♥…)


 一瞬ピョコッと覗いてまた足音を立てず去るP&キキ。


(女同士で…!)

(男同士で…!)


 目を押さえてプルプルする二人…


 その時リュージは知ってしまった事実を頭の中でハンスウしていた。


(神木が撫子と付き合って、もうやる事やってるって…)





撫子がライブで歌ってる曲「琥珀の空に虹がかかり」をYouTubeで公開してます検索は


ミカン青 「琥珀の空に虹がかかり」


です聴いて下さいませm(_ _)m

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