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勇者の召喚と魔王討伐の時代は終わった。CEOの俺が女神から課された試練は異世界創業だった ~だけど世界の全ては“魔王”に繋がっていた~  作者: スアップ
1章

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14/14

第14話 Deal Done(世界をハックする凱歌)

大議事堂を支配する、耳が痛くなるほどの静寂。

円卓の奥で、商業ギルド総裁バルトロメウスの顔は怒りと驚愕で完全に凍りついていた。


時価総額1億ゴールド。

御堂がリード投資家として2,500万ゴールドの追加出資を宣言したことで、ネクサスフラットを「いつでも圧殺できる羽虫」だと思っていた巨頭たちの前提は、根底から崩壊した。


戦えば、ギルドも数千万ゴールドの血を流す泥沼の消耗戦。

乗れば、時価総額1億ゴールドで爆発的に成長する未来のインフラの果実。


【バルトロメウス】

「(拳を血がにじむほど強く握りしめ、創真を睨みつける)……神崎創真。お前は最初から、我々を説得する気などなかったな。御堂の資本を盾に、大商業議会(我々)に『降伏勧告』を突きつけに来たんだ」


【創真(CEO)】

「降伏だなんて人聞きの悪い。スタートアップの世界では、これを『戦略的提携アライアンス』って呼ぶんですよ、総裁」


創真は懐から、完璧にアップデートされた【シリーズA・投資契約書タームシート】の魔導クリスタルを取り出し、円卓のセンターへ滑らせた。


【創真(CEO)】

「条件は据え置きです。御堂先輩がリードで2,500万ゴールド。そして残りの2,500万ゴールドの投資枠フォローオンを、大商業議会――あんたたちに譲る。ただし、出資の条件として、中央銀行の口座凍結は今この瞬間に全面解除、さらに商業ギルドが持つ王都主要拠点の『優先利用権』を我が社に開放してもらう」


「なっ……! 調子に乗るなガキが!」と議会幹部が怒号をあげるが、バルトロメウスはそれを手で制した。

彼は冷酷なビジネスマンだ。だからこそ、感情の裏にある「損得勘定ファクト」からは逃れられない。


バルトロメウスはゆっくりと、手元のペンを執った。


【バルトロメウス】

「……認めよう。我々大商業議会は、ネクサスフラットのシリーズAに対し、2,500万ゴールドの出資を承認する。……ただし神崎くん、ギルドを巻き込んだからには、もう『知らなかった』では済まないぞ。次なるステージで立ち止まれば、次は身内としてお前を喰い殺す」


【創真(CEO)】

「望むところだ。その緊張感こそが、スタートアップのガソリンだ」


バルトロメウス、そして御堂がそれぞれの魔導サインを契約書に刻み込んだ。

その瞬間、議事堂の空間に、天を衝くようなまばゆい黄金の光が弾けた。


ピピッ――ピピピピピピピピピ!!!

創真、氷華、レイの持つ水晶板が一斉に、耳を劈くような歓喜のアラートを鳴らし始める。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【神からのSeries A調達完了通知】

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・ステージ:Series A(機関投資家ラウンド)完了

・引受先:御堂エンジェルファンド / 大商業議会

・調達資金額:50,000,000 Gold(着金確認)

・ポスト・バリュエーション(時価総額):150,000,000 Gold

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【中央魔導銀行:口座凍結全面解除】

・解放資産:12,400,000 Gold

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【生存デッドライン:完全消滅】

※ミッションコンプリート。ネクサスフラットは「生存フェーズ」を脱し、王都の「公認インフラ」へと昇格しました。

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手元資金は、解放された資金と合わせて一気に【62,400,000 GOLD】へと大爆発。

創業初日、手元資金わずか5万ゴールド、残り14日の命だった吹けば飛ぶようなベンチャーが、ついに時価総額1億5千万ゴールドの巨大テック企業へと化けた瞬間だった。


数時間後。夕闇が包む路地裏のオフィス。

これまでの地獄のような不眠不休の戦いが嘘のように、静かな夜風が吹き抜けていた。


氷華は椅子の背もたれに深く体を預け、眼鏡を外して長い溜息をついた。


【氷華(CFO)】

「……本当に、生き残ったのね。ランウェイ(生存期間)が、計算上……あと数年から数十年分にまで伸びたわ。信じられない」


【レイ(CTO)】

「(徹夜のクマを浮かべながらも、口元を緩めて)……サーバー増強、いくらでもできる。……王都だけじゃない、隣国の物流データも、全部ハックできるだけのスペックが買える」


創真は窓の外を見つめていた。

街の灯りは昨日と同じ。だが、その灯りの間を縫って走る無数の運び屋たちは、もう商業ギルドの奴隷ではない。ネクサスフラットというプラットフォームの上で、自由な経済を勝ち取った新しい市民たちだ。


オフィスの扉が静かに開き、御堂が歩いて入ってきた。その手には、いつもと違う、湯気の立つ本物の高級茶葉のカップがあった。


【御堂】

「見事なハックだったよ、神崎くん。15年ぶりに、冷めていない最高の茶を味わうことができた」


【創真(CEO)】

「先輩のアドバイスと、最初の2,000万(SAFE型契約)がなきゃ、10回は黒字倒産してましたよ」


【御堂】

「フッ、謙遜するな。だが、これが終わりだと思うなよ? 1億5千万の時価総額を背負ったということは、それだけの成長義務プレッシャーを市場から課されたということだ。次はどうする、CEO?」


創真は振り返り、集まった最高のチームの顔ぶれを見回した。そして、牙を剥くような、いつもの不敵な笑みを浮かべる。


【創真(CEO)】

「決まってます。王都ここの物流をハックしたのは、ただのプロトタイプ、第1段階(フェーズ1)に過ぎない。――軍資金は6千万ゴールド以上ある。次は、この世界のすべての国、すべての交易路をネクサスフラットのシステムで統一スケールしにいきます!」


創真がノートPCを勢いよく開き、新しい世界地図のデータを画面に展開する。

その瞳には、すでに既存の国境すら超えた、次なる巨大な市場マーケットが映っていた。


(第14話・第一部 完結)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ネクサスフラット・最終ステータス】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

・手元資金:62,400,000 Gold

・日次配送件数:3,500 件(拡大中)

・ステージ:Series A 完了

・次なる目標:王都全域の完全独占、および隣国へのクロスボーダー進出

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