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貞操観念逆転世界で100分の1の出会い(年上女性と年の差恋愛)  作者: くろのわーる
第一章

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18話︰変化



 夜、自宅に戻り、すずはソファに深く腰を下ろす。


 スマホが震え、智也君からのメッセージが届く。


智也︰すずさん、今夜ちょっとだけ電話してもいいですか?


 胸が少し高鳴る。


 昼間のやり取りでワクワクしていた気持ちが、再び跳ね上がる。


すず︰もちろん、いいわよ


 少しドキドキしながらスマホを耳に当てると、智也君の声が小さく、でも真剣に聞こえた。


智也︰今日もお仕事、お疲れさまです。


すず︰ありがと、でも智也君の声を聞いたら疲れが吹き飛んじゃったわ


智也︰それは良かったです。俺もすずさんの声を聞いたら嬉しくなってきました


すず︰ふふ……それで急に電話なんてどうしたの?


 声が聞けて、嬉しい一方でなぜ電話なのか、すずの心は少しざわつく。


智也︰その……前にアウトドアショップでテントの話したの覚えてますか?


 不意打ちの話題に、すずは内心でドキリとする。

自分が「一人用にするか二人用にするか任せる」と言ったことを、智也君がどう考えているのか気になる。


すず︰え、ええ……覚えているわ。


 声を震わせないように気をつけながらも、期待と緊張で胸が揺れる。


智也︰俺、どっちにするか決めました!


 力強く言い切った智也の声にすずの鼓動は太鼓のようにリズムを刻む。


智也︰まず最初に謝っておきます。ごめんなさい。


 すずは意味が分からず、ごめんなさいが断られたように響き、ショックを受ける。


すず︰あ、え、それって……


智也︰あの実は……ウチのキャンプ場って、道が狭くてバイクじゃないと行くの難しいんです。


すず︰ん?


智也︰それですずさんと2台で行ったとしても、すずさんのバイクはスポーツタイプだから持っていける荷物に限りがあって……


 雲行きが怪しいと不安になっていた、すずの心はほっと平らになる。


智也︰どうしても二人用のテントしか持っていけないんです。ごめんなさい


すず︰う、ううん。大丈夫よ!そうよね!バイクに載せられる荷物って限られるわよね!


 急転直下からのついにキャンプという大気圏突破イベントを果たした、すずは電話越しに立ち上がっていた。


智也︰……それで、今度の週末なんですけど、すずさんを誘ってキャンプに行こうと思っていたんです


すず︰あ……嬉しいわ。でも今週末は雨予報よね?


智也︰そうなんです。だから来週に延期して、今週は映画にしませんか?


 ふっと肩の力が抜ける。


 可愛らしい気遣いと、少しだけ恥ずかしそうな声に、思わず頬が赤くなる。


すず︰ふふ、そうね。それも楽しそうだわ。映画、いいわよ


智也︰良かった……すずさんとなら、どんな映画でも楽しめそうです


 その言葉に胸がじんわり温かくなる。


 思わず小さく笑い、ソファに身を沈めながら、心の中で「智也君って本当に可愛い」と呟く。


すず︰じゃあ、来週のキャンプも楽しみにしてるわね。雨じゃないと良いわね!


智也︰はい!天気の神様にお願いしておきますね!


 会話の合間に、二人の笑い声が微かに画面越しに伝わる。


すず︰映画は……やっぱりちょっと選ばせてもらおうかな。智也君にサプライズしたい気分なの


智也︰え、そうなんですか!?楽しみです!でも、サプライズって言ったら駄目ですよ


すず:そうだった、ごめん。今の忘れて!


 ふふ、と笑いを漏らす。


 通話を終わらせ、スマホを胸に押し当てながら、心の中で小さく跳ねる気持ちを抑える。


「映画も楽しみ。来週のキャンプも……智也君と一緒なら、きっと何でも楽しい」


 夜の静けさの中、二人だけの小さなワクワクが、心を満たしていく。


 すずは智也とのやり取りのおかげで、心の中にふわっと温かさを抱えたまま眠りについた。


 翌朝、すずがスマホを確認すると、智也から軽い連絡が届いていた。


智也︰昨日はありがとう。今日もお仕事頑張ってね!


 小さく笑みを浮かべながら返信する。


 心の中には昨日のやり取りの余韻がまだ残っていて、仕事の合間も気持ちが浮ついて仕方がない。


 

 同じ日、智也の家では少し慌ただしい動きがあった。


 智也の父、智貴の再婚相手である白石香菜がこの家に引っ越してくるのだ。


 すでに智也は香菜と会ったことがあり、香菜を「母さん」と呼んでいる。


 荷物の整理が始まると、段ボールに旧姓「相沢」と書かれたラベルがちらほら残っていた。


「あ、母さん、その段ボール……まだ相沢って書いてあるよ」


「あら、本当ね。でもすぐ片付けるから大丈夫」


 智也は少し笑いながらも、軽くツッコミを入れる感覚が心地よかった。


 新しい苗字「白石」に馴染もうとしている母さんの姿が微笑ましく、安心感もあった。


 リビングに荷物が収まり、一段落すると俺は窓の外を眺めながら、ふとすずさんのことを思い出す。


「昨日のやり取り、楽しかったな……映画のことも、来週のキャンプも」


 スマホを取り出して、すずへの次のメッセージを考えながら、智也の心の中は、恋愛のワクワク感で満たされていた。


 新しい家族が増えて生活は少し変わったけれど、すずとの時間は絶対に大事にすると心の中で誓う。


 夕暮れの光がリビングに差し込む中、智也はそっとスマホを握り、親父と母さんとともに始まる新しい生活を受け止めつつ、胸の中ではすずとの温かい思い出に微笑むのだった。



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