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65 文化祭 その5



「ちょいと待ちな!!」


 マウンドの上、潤一がモーションを開始しようとしたまさにその瞬間。練習場の入り口の外から、かわいらしい声が響いた。


 ……一希ちゃんの声?


「そこの女装のお兄さん。西高のエースだかなんだが知らないが、夢実ちゃんには先約があるのよ」


 俺と同じ執事姿の一希ちゃんだ。クラスの喫茶店から俺と一緒に交代したはずなのに、なかなか野球部にこなくて心配していたんだけど、……部室の影にかくれる誰かの手を引っ張っている?


「ほら、にいさん、はやくこっちに出てきて!」


「もう勘弁してくれよ、一希ちゃん。練習さぼって美香保学園まで来てるのに、こんな格好しりあいの誰かに見られたら……」


 ん? どこかで聞いたことがある声。


「もう、賢にいさん、いまさら恥ずかしがっても遅いわよ」


 賢? 南郷か? た、た、た、たしかに、この無愛想な声はあの野郎の声だが、あいつがどうして美香保にいるんだ? って、一希ちゃんが招待券を渡したにきまっているよな。


 いつの間にか俺の視線が下にさがっていた。だから、次の瞬間、またしてもギャラリーから大歓声がわき上がった理由がわからない。


「ほら、賢にいさん、早くこっち来て! いいの? このままだと夢実ちゃん、琴似君に取られちゃうわよ」


 えっ、なに? おそるおそる視線をあげる。そこにいたのは……。


 うわぁぁ、ななななな南郷、なんて格好しているんだ、おまえ!!


 一希ちゃんにむりやり手をひかれ、顔を背けながら練習場に引き込まれたその男は、……その無愛想な顔に全く似合わないとても可愛らしいメイド服を着ていた。





 南郷は、潤一よりは少々細いが、小柄なぶんだけどっしりと見える。なんにしろ、一流アスリートの肉体を誇る、筋肉野郎にちがいない。そんな男が、黒いメイド服にひらひらの白いエプロンに身をくるんでいるのだ。


 うわああ、うわああ。なんだおまえ。


 自慢じゃないが、俺は執事さんの服装だけでなく、メイドさんの正式な服装のこともまったくわからない。しかし、これがイベントレンタル屋さんに用意されている仮装用のチープな衣装ではないことくらいはわかる。きっと一希ちゃんが用意したのだろう、見るからに高級そうだ。生地からして根本的に違う。が、もちろんそんなことは些細な問題にすぎない。


 おまえ、……うわあああ、ホント馬鹿じゃないの。


 ちなみに、膝丈よりもちょっと短いスカートと、黒いニーソックスの間に覗く太ももは、潤一よりは白くてきれいだ。あたまの上に乗っけている何やら白いフリルのついた飾りは、その無愛想な顔立ちを可愛らしく彩っている、と言えなくもない。


 うわああああああああ。今年のドラフトの目玉がいったいなにやってるんだ? 南郷ギャルが泣くぞ。


 野球部に集まるようなギャラリーの多くは、もちろん南郷を知っているのだろう。無数のフラッシュとシャッター音。弟の拓馬君はひっくり返って爆笑している。そして、震えながら、泣きそうな顔しながらも、必死に屈辱に耐えているひとりの男。


「夢実ちゃん、あなたにも関係あることなの。よく聞いて。賢にいさんがね、どうしても私に許して欲しいというので、私は条件をふたつ出したのよ」


 一希ちゃんが、いつの間にか俺のそばによってきた。


 へっ? 南郷が一希ちゃんに許して欲しいって、いったい何を? そして、それが俺に関係あるの?


「ひとつは、美香保学園の女装男子ミスコンに出場すること。私、賢にいさんの女装姿いちど見たかったんだ。……小さいときからずっとずとずっと慕ってきた私をあっさりとふったんだから、これくらい当然よね」


 女装ミスコン? 南郷も出たのか、その格好で? って、えっ? えええ? 南郷が一希ちゃんを、ふった? ……そうだったのか。


「ちなみにミスコンの予選はしっかり通過したわよ。さすが私の賢にいさんだわ。決勝では、そこの琴似君と一騎打ちになりそうね」


 びしっ、と音が聞こえそうな勢いで、一希ちゃんがマウンドの潤一を指さす。


「……おもしろい。昨日今日はじめて女装したオカマ野郎なんかに、この僕が負けるわけないじゃないか」


 マウンドで仁王立ちの潤一の馬鹿も、受けて立つ気まんまんだ。西高も小別沢も野球部ってのは馬鹿しかいないのか、おい。


「だけど、それはそれとして、賢にいさんには、もうひとつやってもらうことがあるわ。ほら、賢にいさん。もうひとつの条件も果たさないと許してあげないわよ。……しっかりして」


 一希ちゃんに肘でつつかれて、真っ赤な顔の南郷が顔を上げる。思い詰めた表情で口を開く。……本人はなにやら決死の覚悟のようだが、どうせくだらないこと言い出すんだろうなぁ。


「こ、琴似! おまえに、……ゆ、ゆ、ゆ、夢実は渡さない。今ここで勝負だ!!」







 ぶっ!


 盛大に吹き出した俺。


 ななななななにを言ってるんだ、こいつらは!!


「私が賢にいさんに出したもう一つの条件は、自分の口からはっきりと夢実ちゃんに告げること。……そうでもしないと、いつまでも進展なさそうなんだもん」


 一希ちゃんは得意満面だ。それを聞いたひかるが、うんうんと頷いていやがる。きっ、君たち、いつの間にそんな仲良しになったのかね。


「確かにそうよねぇ。たしかに南郷君なら夢実ちゃんを任せられるかも。……でも、潤一君だって、黙って引き下がる気はないんじゃないかな?」


 おい、ひかる。こら、おまえまで何を言い出すんだ、おい。


「……いいだろう。相手になってあげる。僕がいま野球をやっているのは夢実のおかげだ。夢実のために野球をやってきたといってもいいくらいだ。夢実を賭けた勝負に僕が負けるわけがない!!」


 潤一もその気になるな、馬鹿野郎。


 マウンド上、ボールを握った拳をこちらに突き出すミニスカのマッチョ。


 わああああああ。


 盛大に盛り上がるギャラリー達。もうやめられないぞ、これ。






「二人の男の子が一人の女の子を賭けて野球で勝負するなんて、まるで熱血漫画みたいでロマンチックよねぇ。ねぇねぇ夢実ちゃん、どっちを応援するの? もちろん、賢にいさんよね」


 一希ちゃん。この騒動はあなたのせいなのに、何のんきなことを! っていうか、女装した筋肉馬鹿ふたりの勝負がロマンチックとか、あなたの頭の中が心配だよ、オレは。


「うわぁ、この娘、すっかりヒロイン気取りよ。ちょっと可愛いくてモテモテだからって、許せないわぁ。そのうち誰かに刺されちゃうわよ、小悪魔ちゃん」


 痛い痛い痛い、ヘッドロックはやめろ。ひかるよ。おまえ、本当に馬鹿だったんだな。


「我が野球部のアトラクションがこんなに盛り上がるなんて。これもすべて白石さんのおかげだ! ありがとう!!」


 キャプテン、止める気はなさそうですね。


 マウンドに仁王立ちの西高エースは、ブレザーを脱ぎすてる。分厚い胸板にはち切れんばかりの白いブラウス。膝丈のスカートからのぞくでっかいケツとぶっとい太もも。そして、白いソックスとすね毛。見てくれは酷いの一言だか、バッターを睨む鋭いまなざしは本物だ。瞳の中には炎が燃えている。潤一がこんな熱血野郎だとはしらなかった。


 対する選抜優勝校の四番。メイド服の南郷は、ついさっきまで真っ赤な顔をしてもじもじうつむいていた。ついでに、俺には絶対に視線を向けなかった。南郷らしいというか、シャイな野郎だ。


 しかし、潤一の挑発をうけたその瞬間、その表情がかわった。いつもの仏頂面に戻る。だまってヘルメットを受け取り、そして打席に立つ。


 おそらく足下まで気が回らなかったのだろう。メイドさんはスニーカーを履いている。いや、一希ちゃんのことだ。もしかしたら、はじめから打席で勝負するつもりだったのかもしれない。とにかく、南郷はバッターボックスの地面を軽くならすと、足の位置を決め、どっしりと構えた。その安定感。さすが超高校球スラッガー。絶対領域の太ももが眩しい。


 おいおいおい! ふたりとも、本気でやるつもりなのか? どうしてこうなった。一応確認しておくけど、賭けるのは『今日一日オレが校内を案内する』ことだけだよな?






「よう、兄貴」


 バッターボックスの中、マウンド上のライバルをにらみつける南郷にむけ、キャッチャーが声をかけてきた。にやにやと、半分わらいながら。


「……拓馬。言いたいことはわかってる。頼む。何も言うな」


 今は何も考えたくない。自分が置かれたこのあまりにもバカバカしい状況を意識するだけで、恥ずかしくて死にたくなる。もう立ち直れないかもしれない。だから、今は目の前の打席にだけ集中させてくれ。


「そういうなよ。俺は、そこまでやる兄貴のこと改めて尊敬してるんだぜ」


「なに?」


「どうせ兄貴のことだから、藻岩一希に何もしてないんだろ? あいつの一方的な想いだったんだから、兄貴が責任なんてとる必要ないんだよな。なのに、あいつの気の済むようにこんな馬鹿馬鹿しいことにつきあってやってさ」


「……責任とる必要があるのかないのか、俺にはわからない。でも、とりあえず彼女が望むことをしてやらないと、俺が自分で納得できないだけだ。自分の気持ちに区切りをつけるための、単なる自己満足かもな」


「それだよ。それ。自分で納得するって大事だよな。……俺ってさ、野球に限らず、今まで自分にいいわけばっかりしてきたんだよな。だけどこれからは、何事も兄貴みたいに自分で納得するまでやり抜くことにするよ。まずは野球からな。見ていてくれ」


「そうか。……予選で対戦するのを楽しみにしてるよ」


「それはそれとして、……打てるのかよ。あいつのボール、高校生レベルを超えてるぜ。無様に空振りしたらどうするんだ? 夢実が見てるんだぞ」


「さぁな。勝負は水物だからな。でも、他人のために野球をやっている奴なんかには負けたくないと、いま俺は心の底から思っているのは確かだよ」





 へぇ……。精神論が大嫌いな超現実主義者の兄貴が、こんな言い方をするとはねぇ。


 改めて、拓馬は兄の顔を見上げる。融通のきかないくそ真面目な馬鹿だけど、今日は弟の俺から見てもちょっとだけかっこいいかもな。


 そして、視線を元に戻す。目の前で、スカートの裾から絶対領域がちらりちらりと覗いている。


 ……前言撤回。やっぱり馬鹿だよな、こいつ。






 俺は、頭を抱えている。


 おいおい、こいつら本当に始めるのか。潤一の本気の百六十キロの投球を、南郷が本気で打ち返すのか。この状態で。


 あんなひらひらした格好して、大勢のギャラリーだって、すぐ近くにいるんだぞ。


 みんな、冷静になってくれ。どう考えたって危険だろう。実際、春の大会で俺は打球に当たって死にかけた。このままやらせるわけにはいかないだろう。


 っていうか、このまま勝負がついてしまうと、俺にとってまずいんじゃないか。どちらが勝つにしても、世間からは公認のカップル扱いされてしまいような気がする。なんとかやめさせなければ。


 どうする。どうする。


 俺は脳細胞をフル回転して考えるが、妙案は思いつかない。そうしているうちに、潤一がモーションを開始した。いつものワインドアップ。あきらかにさっきよりも大きなフォームだ。


 潤一の背中がこちらを向く。同時に、観客の女子生徒達から歓声、……ではなく悲鳴が上がった。


 きゃーー♡!


 潤一がでっかいケツを突き出し腰をひねった勢いで、膝丈のスカートが豪快にまくれ上がったのだ。


 うわー、なんだ、あの超安定した下半身。あいつ、また身体がでっかくなりやがったな。うらやましい。……じゃなくて、あいつ、俺のトランクス履いてやがるのかぁ。


 周囲のお上品な女子生徒達が、顔を赤くしながら潤一から視線を逸らす中、俺の視線は奴の下半身とパンツに釘付けだ。


「あなただって、夢実ちゃんの下着みにつけてるんじゃないの?」


 ひかるの冷静なつっこみがはいる。


 えっ?


 そ、そういえば、たしかにそうだ。あれ? 俺、いつから自分の服装やら下着やらに違和感がなくなったんだろ? いつの間にか、俺の中の男成分が減っている? やばい。……潤一もそうなのか?


 そ、そ、そんなはずはない。そんなはずはないよな。あってたまるか。俺の中には『男』が、そして潤一の中には『女』が残っているはずだ。この馬鹿馬鹿しい勝負を止めるために、それを使ってやる。






「潤一! パンツ見えてるぞ」


 叫んだのは俺だ。さすがに元女子高生である潤一ならば、この一言で動揺するだろう。モーションを中止するかもしれない。


 足を高く上げ、こちらに背中を向けている潤一の動きが、その瞬間停止した。しかし、動揺した様子はない。


「……ふっふっふ。僕は男の子だからね。下着が見えちゃったくらいじゃ動揺しないんだよ」


 落ち着き払った潤一の声。ばか、普通は男の子だって、履いてるパンツが衆目にさらされたら動揺するとおもうぞ! おまえ『男』を誤解してるんじゃないか?


 っていうか、あの姿勢で静止したまま、まったくぐらつかないなんて、本当にすげぇ下半身だな、おい。


「あの体勢で一度静止するって、審判によっては二段モーションでボークかしらね?」


 どんな状況でもひかるは冷静だ。しかし、いま気にすべき事はそれじゃないと思うぞ。


「……それはともかく、今の潤一君を動揺させようと思ったら、それじゃだめよ」


 俺の耳元、ひかるが小声でつぶやいた。


 なに?


 聞き返した俺を無視して、ひかるは大きく息を吸う。そして叫ぶ。


「きゃー、夢実ちゃん、いくら暑いからってブラウス脱いじゃうなんて大胆すぎるわ!」


 えっ? お、おれ、何もしてないぞ。しかし、ひかるの絶叫はさらに続く。


「きゃー、きゃー、そのうえ、つむじ風で夢実ちゃんのスカートが!!」


 ええええええっ?


 反射的に自分のスカート押さえようとして気づく。そ、そうだ。俺、執事の格好してるんだった。そもそもスカートはいてない。


 だが、ひかるの声に反応したのは、俺だけではなかったのだ。他の男どもの視線も、勝負そっちのけで俺に向かう。ギャラリーの皆様、キャプテン、キャッチャーの拓馬君、そしてバッター南郷。……もちろん、マウンドの上、モーションの途中の潤一も例外ではない。


 ドテッ。


 マウンドから大きな音。トルネードから半身をひねりまさに剛速球を投げ込まんとしていた潤一が、投球動作の途中でバランスを崩し、その場にこけたのだ。


 ま、まさか、モーションの途中なのに、俺のスカートが気になって……。本当に馬鹿だな、おまえ。








 結局、史上まれに見るお馬鹿な勝負は、決着があいまいなままお開きとなった。女装男子ミスコン決勝の時刻になったのだ。参加者は講堂に集合しなきゃならない。


 潤一は納得いかないようだが、ひかるに蹴っ飛ばされ無理矢理ひきづられていく。


「ほらほら、潤一君。講堂にいくわよ!」


「ゆ、夢実ぃ」


「男は引き際が肝心! そもそもミスコンに出るって言ったのはあなたでしょ」


「そんなぁ。……南郷賢! しかたがない、今日のところは引き下がる。でも、この決着は夏の予選決勝でつけてやるよ! その時こそ、甲子園と夢実をかけて勝負だ!!」


「しかたがないって、なによ。私といっしょじゃ不満だっていうの? 馬鹿なこと言ってないで、ほら、さっさと歩く」


「ひっ、ひかるちゃん、痛い、痛い、痛いって!」





 ひかるの奴、スパルタだなぁ。まぁ、潤一のことはひかるに任せておけば問題ないかな。


 と、俺の後ろからそっと抱きついてきた者がいる。耳元でささやくのは、一希ちゃんだ。


「さっきの勝負は、賢にいさんの不戦勝ということでいいのよね。……夢実ちゃん、約束通り賢にいさんは任せるわ。ふつつか者ですがよろしくお願いします」


 え、え、ええええ?


「とりあえず、夢実ちゃん、賢にいさんをお願いね。野球部のかき氷屋さんは私に任せて。ふたりで学園祭うれし恥ずかしドキドキデートを楽しんできてね。……執事さんとメイドさんでお似合いよ」


 そう言って一希ちゃんが俺の背中をたたく。いつのまにか、ギャラリーは散っていった。野球部の模擬店とアトラクションは、通常営業に戻る。残されたのは、俺と南郷だ。





 か、一希ちゃん、行かないで! 『嬉し恥ずかしドキドキデート』って何すればいいんだよ。俺と南郷のふたりきりでいったい何を話せばいいんだよ!


 そっと南郷の方に視線を移すと、奴は唖然とした顔のまま、去って行った一希ちゃんの背中を眺めている。「俺だけおいていかないでくれ」と、その表情が語っている。


 ……こいつも、ミスコンの決勝戦に行かなきゃならないんだよな。だけど、頼みの一希ちゃんはさっさと行ってしまった。拓馬君はにやにやしているだけだ。


 しかたがない。


「南郷、……さすがにその格好のままひとりで校内をうろつくのは無理だろ。しかたがないから講堂まで連れて行ってやるよ」


「そ、そうか。……助かるよ」


 心底ほっとした表情の南郷。


「で、ミスコンの後、どうする? そのまま帰るのか?」


「……そうだな。今日は一希ちゃんのおかげで、朝から野球部さぼってずっと着替えやら化粧やらさせられたからな。練習に戻るよ」


 ほほお。さすが超名門、小別沢高校だな。野球部にお休みはないのか。さぞかし練習もハードなんだろうなぁ。


「そうだ! 俺、じゃなくて私、まだお昼ご飯たべてないんだ。南郷も練習前に何か食べた方がいいんじゃないか? ちょうと学食で文化祭スペシャルメニューやってるんだ。美香保学園の学食は味も量もなかなかのものだ。一希ちゃんが言ってたとおり『ドキドキ』できるぞ」


 南郷が吹き出した。な、なんだよ。何が可笑しいんだよ。


「……いや。そうだな。学食って、おまえらしいなと思っただけだ。うん。行こう。俺もお坊ちゃんお嬢ちゃん学校の学食に行ってみたい。連れて行ってくれ。……コンテストのあと、着替えてからな」





 ちなみに、女装男子ミスコン決勝の学外枠は、南郷と潤一による決選投票までもつれたあげく、最終的には南郷が選ばれた。


 オレ的には、外見はふたりともどっちもどっちのゲテモノに見えたのだが……。


 あとから、投票に参加したクラスメイト(主に女子)に聞いたところによると、潤一の女子高生姿は堂に入りすぎたのが減点だそうだ。スカート姿での細かな仕草とかが妙に違和感なさ過ぎで、新鮮味に欠けたとか。


 あの筋肉マッチョの女子高生姿が違和感ないって、女子達の感覚がよくわからない……。


 逆に南郷は、真っ赤な顔してモジモジと初々しいメイド姿が、女生徒達に大受けということなのだそうだ。……やっぱり女の子の感覚ってよくわからんよなぁ。





 それはともかく、学園祭も終わったことだし、……さぁ二回戦だ。


 

 

 

 

 

投稿の間隔があいてしまって申し訳ありません。気長にお付き合いいただけると幸いです。


2017.02.19 初出



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