其ノ弐 二、先祖返りと隠し名
千年桜に百目鬼ーー俺たちは同じ、先祖返りでオカルトだ。
種類は違うけれど時代は近いし、よく近くで発見される。
「鬼って名乗ってないのは? 」
「鬼ってさ、ほらーー怖いから。あと、隠し名みたいに隠してみてるって事に出来ない? 」
「ーー出来ると思う……。俺も隠し名ーーだし。」
正確に言うと、偽名だ。多分、百々目木も偽名だろう。
偽名と言いかけてやめたのは少しでも印象が悪くならない様にと、同じという事を強調したかったのと、単に使われた言葉を復唱したからと……。
「言い辛いこと、言おうとしてる? 」
「もう言い終わった。」
名前を隠している事を。
ーー仲良くなったのに偽名だなんて言われたら、気分が良くないかもしれない。そんな考えで言い辛さがあった。
「言い終わったなら良いか……。俺も言い終わったからーー」
「うん……。」
まだ話の続きがある事を理解して相槌を打った。
「ーー行こうか。」
「何処に? 」
予想していなかった声掛けに聞き返してしまった。
今、自分はきょとんとしているのだろうーーよく百々目木に言われる。
「櫻ーーまたキョトンとしてる……。」
やっぱり言われた。こういう時、百々目木は少し困った顔をするか微笑んでいるかだ。今回は少し困った顔……。
「してるかも……。ーーきょとんと。」
自覚して言った。最近は自覚している。百々目木だけじゃなく、周りにも言われるからだ。
2026.1.31




